【千葉県・市川市】「みんなのミッション」が基本理念。地域新電力と協働で挑むカーボンニュートラルシティ
| カテゴリ:全国の脱炭素社会実現に向けた取り組み | タグ: ゼロカーボン, 千葉県, 市川市, 脱炭素

1. 市川市におけるカーボンニュートラルシティの表明
千葉県市川市は、都心に近接しながらも、江戸川や東京湾に面し、豊かな水辺の自然に恵まれた地域です。市川市は今の環境を次世代に繋げるために、地球温暖化対策のための計画を策定し、多様な主体と一体となって進めていく体制を整えた上で、2022年2月22日に「カーボンニュートラルシティ」を表明しました。
目標達成に向けた概要は以下の通りです。
| 計画・宣言 | 表明時期 | 最終目標 | 中間目標 |
|---|---|---|---|
| カーボンニュートラルシティ表明 | 2022年2月 | 2050年二酸化炭素排出量実質ゼロ | 2030年度に2013年度比で50%削減 |
2. カーボンニュートラルへの取り組み
市川市は、令和5年度を「カーボンニュートラル元年」と位置づけ、これまでに脱炭素への取り組みとして、地域新電力会社の設立や、環境省における脱炭素先行地域の選定など、カーボンニュートラルに関する取り組みを進めています。
3. 脱炭素先行地域におけるカーボンニュートラルの推進
画像提供:市川市
3-1. 地域課題の解決と脱炭素の融合
市川市は、環境省における脱炭素先行地域に選定された妙典・下妙典地区において特にカーボンニュートラルの推進に取り組んでいます。脱炭素先行地域では、解決すべき地域課題を明確に設定し、子育て世帯の定住促進に繋げる取り組みを推進しています。
- 解決すべき地域課題:「子育て世帯の生活環境向上と定住促進」
- 取り組み: 太陽光発電設備の設置及び断熱・省エネ改修への補助制度を通して、子育て世帯が安心して健康的に暮らせる住環境の整備を図る。
3-2.市民・事業者との協働
脱炭素先行地域での協働: 地域新電力会社、市内ガス会社を始めとした企業や団体が、脱炭素先行地域事業の共同提案者として事業実現に向け精力的に活動しています。また、脱炭素先行地域に関する取り組みを周知啓発するため、いちかわカーボンニュートラルプロジェクトと題して、市民向けや事業者向けの講演会、セミナー、ワークショップを開催しています。
4. 「いちかわクリーンエネルギー株式会社」の設立
画像提供:市川市
2025年1月に設立された地域新電力会社「いちかわクリーンエネルギー株式会社」は、エネルギーの地産地消と地域経済への利益還元を主目的としています。
- 電源: 市川市クリーンセンターの廃棄物発電により得られた電力を活用。
- 目的:
- 環境面: エネルギーの地産地消を通じて市内のCO2排出量を削減する。
- 経済面: 市外への電気料金支出を市内に留める。
- 社会面: 利益の一部を脱炭素に関わる地域貢献事業等に充当し還元する。
5. 市川市の脱炭素への取り組み
市川市は、重点施策である「省エネ対策の強化」と「再生可能エネルギーの導入強化」に基づき、市民、事業者、行政の各部門で具体的かつ効果的な支援策を実施しています。具体的な取り組みは以下の通りです。
5-1. 住宅・事業者への省エネ・創エネ設備導入支援
市民や市内事業者が省エネ・創エネ設備を導入する際の経済的負担を軽減するため、複数の補助制度を実施しています。
| 補助金制度 | 支援対象 | 主な支援内容 |
|---|---|---|
| 住宅断熱改修促進事業補助金 | 住宅(市内の施工業者利用が条件) | 住宅の断熱性能が向上する改修工事の経費の一部を助成。 |
| スマートハウス関連設備導入費補助金 | 住宅(太陽光発電設備は市内の施工業者利用が条件) | 太陽光発電設備やエネファームなどの導入に係る経費の一部を補助。 |
| 省エネ・創エネ設備設置費等補助金 | 市内の中小事業者等(太陽光発電設備は市内の施工業者利用が条件) | 省エネ改修や創エネ設備設置等に対して経費の一部を補助。 |
| 電気自動車等導入費補助金 | 市民、市内に事務所等を有する個人又は法人等 | 電気自動車・電動バイク・V2H充放電設備の導入に係る経費の一部を補助。 |
5-2.公共施設の脱炭素化と交通インフラのグリーン化
画像提供:市川市
市川市は、公共施設の脱炭素化を率先して進めるとともに、次世代自動車の普及に向けた環境整備を行っています。
- 公共施設への再エネ導入: 市内公共施設に58基の太陽光発電設備を導入。国の補助金(地域レジリエンス・脱炭素化を同時実現する公共施設への自立・分散型エネルギー設備等導入推進事業)も活用。
- EV充電器の普及: パナソニックエレクトリックワークス社と協定を締結し、EV充電器の普及を促進。
- 交通体系の転換: 今後、EVやFCVといった次世代自動車の普及、公共交通機関や自転車の利用促進、道路空間の緑化等により、環境負荷の少ない交通体系への転換を図る。
5-3.市民協働による意識醸成と環境教育
画像提供:市川市
「みんなのミッション」という基本理念のもと、市川市は市民や事業者との協働による啓発活動を積極的に行っています。
| 連携主体 | 取り組み内容 | 目的 |
|---|---|---|
| 市川市環境活動推進員(市民) | 保育園や小学校保育クラブ等でエコバッグづくりや環境紙芝居の読み聞かせ等の啓発活動を実施。 | 市民による環境意識の啓発、次世代育成。 |
| 市川市地球温暖化対策推進協議会 | 環境映画上映会や地球温暖化防止講演会等を実施。小学校へ講師を派遣し、「未来ノート」で学びを促す。 | 市民、事業者、団体、教育機関等との連携強化、児童への環境教育。 |
5-4企業連携による脱炭素経営の推進
画像提供:市川市
地元企業を中心に、省エネ化や脱炭素経営を多方面から支援しています。
- 事業者向けセミナー: 市川市地球温暖化対策推進協議会において、事業者向け省エネセミナーを実施し、事業所における省エネのポイントや補助金の活用について説明。
6. まとめ
画像提供:市川市
市川市は、2050年二酸化炭素排出量実質ゼロ達成に向け、2030年度50%削減という意欲的な中間目標を掲げ、「カーボンニュートラルシティ」の実現に挑戦しています。
その中心にあるのが、脱炭素先行地域における子育て世帯の住環境向上という地域課題の解決と、地域新電力会社「いちかわクリーンエネルギー」の設立によるエネルギーの地産地消です。補助制度による住宅の断熱・省エネ化支援や、公共施設の太陽光発電設備導入、そして市民協働による環境教育を通じて、市川市は「みんなのミッション」の実現を目指しています。
最後に、この持続可能なまちづくりを推進する市川市担当者からの、市民・事業者の皆様への大切なメッセージをお届けします。
地球温暖化の進行に歯止めをかけ、次の世代により良い地球環境をつなげるため、私たちは未来に責任を持ち、挑戦していかなければなりません。そのためには、行政だけではなく市民や事業者の皆様と一体となり取り組んでいく必要があるため、「今くいとめる地球温暖化 みんなのミッション」を基本理念に掲げた市川市地球温暖化対策実行計画(区域施策編)に基づき、地球温暖化対策に取り組んでいます。今後とも皆様の一層のご理解とご協力をお願いいたします。
監修

エコ発事務局 太陽光アドバイザー
曽山
『誠実、スピーディーな応対』をモットーに日々エコ発を運営しています。 お客様への応対だけでなく全国に数百ある提携業者様とのやり取りをはじめ、購入者様へのキャンペーン企画やウェブサイトの改善など、皆様のお役に立てるよう日々業務に取り組んでいます。 卒FIT後の太陽光発電の活用方法など、お困りごとがございましたら、お問い合わせにてお気軽にご相談下さい。
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