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蓄電池の寿命と容量の関係は?家庭用なら長寿命!

公開日:2019/12/17 | 最終更新日:2022/10/19 | カテゴリ:蓄電池とは【基礎知識】

蓄電池の寿命はどれくらい?

太陽光発電だけでなく、蓄電池の購入を考えられている中で、どうしても気になるポイントの1つとして、寿命および耐用年数があります。

近年は太陽光発電システム用の家庭用蓄電池が開発されたことから、蓄電池の寿命はどれくらいなのか、どうやったら長持ちさせることができるのかといった疑問を抱く方も少なくないでしょう。

蓄電池には様々な仕様のものが存在し、その種類によって充放電の仕組みや、使用時のスペックが違ってきます。それと同様に蓄電池の寿命も種類によって違ってくるため、蓄電池を一括りとしてその寿命について言及することはできません。

今回の記事では、現在は主流となっている家庭用蓄電池で採用されている長寿命のリチウムイオンバッテリーについて詳しく掘り下げていますが、蓄電池の種類によってその寿命にどれだけの差があるのかという点についても、比較して見ていきましょう。

それでは今回の記事のポイントを、冒頭で紹介します。

  • 蓄電池の寿命=初期充電量から比べて規定以上の充電量が入らなくなる劣化の目安であり、壊れたりするわけではない
  • 国内メーカーの主力商品は、毎日使っても10年以上の耐用年数で設計されている
  • サイクル回数を公表している品番と、そうでない品番がある。同じメーカーでも公表する・しないが分かれる場合もある
  • 保証も主力メーカーでは10年以上付帯していることが多く、長く安心して使える。他の住宅設備機器でここまで長い保証をしているものはかなり少ない
  • 蓄電池の寿命は今後も伸びる可能性があり、リチウムイオン電池に変わる長寿命のものも開発されることも視野に

蓄電池の寿命は10年以上

さて、早速ですが気になる寿命をくわしく掘り下げていきます。

現在、住宅用の蓄電池ではリチウムイオン電池がほとんどではありますが、このリチウムイオン電池を基本として解説します。

蓄電池の寿命のキホンの考え方

蓄電池の寿命のキホンの考え方

一番みなさんで身近な蓄電池と言えば、スマートフォンの電池がイメージしやすいでしょうか。

最初の新品のときは、電池の持ちも良いですが年々使っていくと、電池の持ちが悪くなってきますよね。

スマートフォンでも住宅用の蓄電池でも部類としては同じで、リチウムイオン電池を使っている以上、日々使っていくと劣化していきます。

住宅用の蓄電池はスマートフォンの電池より高性能かつ、劣化が進まないような設定が多くありますが、基本的なイメージは同じです。※ただし、容量が大きいこともあり家庭用蓄電池のほうが長寿命です。

そして蓄電池の寿命は、初期の定格容量に比べて〇〇%以上という規定をしています。

たとえばシャープの蓄電池「JH-WB1621」は、無償の保証として10年を設定し、10年以内に定格容量の60%以上を保証しています。

これは10年以内に、「JH-WB1621」の定格容量である 4.0kWh × 60% = 2.4kWh までの充電量を下回った場合はメーカー側が保証で交換する、というものです。

そのため、10年後に3割程度の劣化であれば「正常値」となりますが、全く使い物にならないわけではなく、この「劣化の程度」が寿命と考えてください。

みなさん、寝る前に充電して起きる頃には満充電!という使い方をされていたり、机の上で充電して気づいたら満充電で安心、という運用をされている方も多いのではないでしょうか。

リチウムイオン電池の性質としては、満充電・完全放電は劣化をすすめてしまいます。

そのため、特に何も気にせず充電していると、スマートフォンの電池の劣化を早めている可能性が高いです。

またコストの問題もあるため、全てのスマートフォンで品質の良いリチウムイオン電池が使われているとも限りません。

このようにスマートフォンの電池は劣化が急激に進みやすい傾向にありますが、住宅用の蓄電池とは劣化の程度やスピードは全く違いますので、1~2年で全然使えなくなる?という先入観とは異なることに注意しましょう。

サイクル回数

サイクル回数

蓄電池の寿命を表す際には「サイクル回数」という数字が、メーカーや品番によって公表されています。

サイクル回数とは、蓄電池を極限まで放電して充電量が0%になった状態から、満タンの100%まで充電して、さらにその電気を0%の状態になるまで放電し切る作業を1サイクルとしています。

メーカーや品番によって異なりますが、この回数が所謂ひとつの目安寿命として設定されています。

ただし、全ての蓄電池のこのサイクル回数は公表されておらず、同じメーカーでも品番によって対応が分かれます。

.

また、重要な点としては、実際の使用状況より過酷な条件で行っていることに留意すべきです。

住宅用蓄電池は実際には0%まで放電することは、ほとんどありえません。

取扱説明書・パワーコンディショナ R

(出典:パナソニック株式会社「取扱説明書・パワーコンディショナ R」)

リモコン設定により下限値が10%までしか設定できない機種が多く、電池に負担のかかる完全放電を防止しています。

また上限も80%や90%に設定できる機種もあり、こういった運用方法で電池の劣化を緩やかにしていきます。

なお、あくまでもサイクル回数はメーカーによる想定数値となるため、使用する環境や状況、保守条件など様々な要因によって左右されますが、一般的な使い方であれば下回ることは考えにくいです。

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メーカー別 サイクル回数(参考)

主力メーカー各社の蓄電池のサイクル回数をみていきましょう。(22年4月 調査時点)

           
※同メーカーでも品番やシリーズによって年数が異なる場合があります
メーカー サイクル回数
シャープ 12,000サイクル(住宅用・JH-WB1622 の場合
パナソニック 10,000サイクル(住宅用・LJB1156 の場合)
京セラ 6,000サイクル(住宅用・EGS-LM1201 の場合)
ニチコン 6,000サイクル(住宅用・ESS-H1L1 の場合)
伊藤忠商事 6,000サイクル(住宅用・ESS-H1L1 の場合)
オムロン 8,000サイクル(住宅用・KPACシリーズ の場合)
ネクストエナジー 6,000サイクル(住宅用・iedenchi-NX の場合)
田淵電機 12,000サイクル(住宅用・ PKG-EHD-S55MP3B の場合)

注意点としては、これらのサイクル回数を経過したら壊れるわけではく、各社が規定している初期充電量から何%劣化する、という指標になっています。

そのため、寿命としてサイクル回数はあくまで参考程度として考えた方がよいでしょう。

もっとも、この中で一番低い6,000サイクルでも、365日で割算をすれば約16年という長寿命設計になっています。

また、前述したとおり、放電下限まで放電する使い方にならないよう、リモコン設定で下限を変動させることもできますので、不安な方は放電下限と充電上限を設定しておくと、電池の劣化も緩やかにすることができます。

蓄電池の容量の大きさと寿命の関係

では、蓄電池の容量の大きさと寿命の関係はどうでしょうか?

結論から言うと、容量が大きいものを利用すれば寿命は伸びやすいです。

一般的には各家庭ごとに1年間の平均電力使用数をもとに蓄電池の容量を設定するのが良いとされています。この場合、蓄電池のサイクル数をメーカーの想定どおりに利用することになるため、その寿命は上述しているような10年~15年になることが多くなります。

容量が大きいものを利用した場合、満充電した場合でも溜めた電力を1日で使い切れない日が増えてくるでしょう。例えば10%程度容量が大きい蓄電池を設置していた場合、毎日100%の充電をフルに使って10%の充電が余ります。サイクル数の概念は0%まで使用して100%まで充電して初めて1サイクルなので、この場合は10日間使用すれば1サイクル浮くことになりますよね?

1年間では32サイクル…約1ヶ月間の寿命が伸び、メーカー別サイクル回数で一番少ない6000サイクルのものであれば、単純計算で2年以上の寿命の伸びを見せることとなります。

かといって、あまりに容量が大きいものを利用すると、蓄電池の価格自体が高く割に合わないですし、バッテリー自体は問題なくともその他部品の劣化等により、別の理由で寿命を迎えてしまう可能性が高くなるので、蓄電池の寿命を10年~15年から長くしたい場合は、オススメとされる容量よりも少しだけ大きいもの利用するのが得策ではないでしょうか?

国内メーカーは充実した保証あり

蓄電池システムでできること

(出典:シャープ株式会社「蓄電池システムでできること」)

なお、サイクル回数を公表せず、保証を期間として設定していることもありますが、主力メーカーであれば10年以上の保証を設定しており、安心して使える設計になっています。

また有償で延長保証ができる場合もあり、予算に余裕がある方はぜひ延長保証に入っていただくことをオススメします。

理由は、電池劣化だけでなく自然故障も対象になってくるためです。

そしてココでも重要なポイントは、他の住宅設備機器に比べて保証期間が圧倒的に長い点です。

一般的な住宅設備機器は、1~2年しかメーカー保証期間(無償)がありません。

それに対して、太陽光発電システムや住宅用蓄電池に関しては、10年以上の保証がむしろ普通になっており、業界的にも保証が非常に充実しています。

蓄電池の保証年数一覧(22年4月 調査)

こちらは主力メーカーの蓄電池の保証年数の目安になります。

                                       
※同メーカーでも品番やシリーズによって年数が異なる場合があります
※販売先によって保証年数・無償有償が異なる場合があります
メーカー 無償保証年数有償保証年数
シャープ 10年15年
パナソニック 10年15年
京セラ 15年(金額は販売店にお問い合わせください)
ニチコン 10年15年
伊藤忠商事 10年設定なし
オムロン メーカーから施主様へ向けて直接保証の実施無。販売店を通じての保証になります
ネクストエナジー 10年設定なし
田淵電機 15年設定なし

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各蓄電池の寿命の特性

ここまでは家庭用蓄電池として広く一般的となっているリチウムイオンバッテリーの寿命について、詳しく紹介してきましたが、次に他の種類の蓄電池の寿命の特性について解説します。

今後蓄電池がどのように発展していくかはわかりませんが、リチウムイオン電池以外の派生から主流となっていくものもあるかもしれません。蓄電池の寿命についてさらに深掘りして知識を増やすことは決して損にはならないでしょう。

鉛蓄電池

開発時より150年という月日が流れた今でも主力の蓄電池として、自動車のバッテリーや非常用バックアップ電源として使用され続けている鉛蓄電池は、蓄電池の中でも最も長い寿命を持ちます。

その寿命はサイクル回数で3150回、使用期間に換算すれば17年もの長期に渡ります。

一般的に蓄電池はサイクル回数でその寿命が計られるため、充放電の回数によって寿命に影響を及ぼします。しかし、この鉛蓄電池の場合は充放電の回数が劣化に影響することはありません。これは鉛蓄電池の大きな特徴と言えるでしょう。

ですが蓄電容量の維持には注意が必要で、過放電によって著しい性能劣化を引き起こすため、使用時には下記2点を厳守する必要があります。

  • 過放電を行わない
  • 使用後は早急に充電する

スペック通りの使用寿命を維持するためにも、この注意点はしっかりと覚えておくようにしてください。

ニッケル水素電池

後述するリチウムイオン電池の登場によって活躍の場は大きく減りましたが、今でも乾電池タイプの蓄電池をはじめとして、下記のような用途で使用されています。

  • ハイブリッドカーのバッテリー
  • 鉄道の地上蓄電設備
  • モノレールの地上蓄電設備

ニッケル水素電池の寿命はサイクル回数2000回、使用期間に換算すれば5年~7年と、蓄電池の中では最も短い寿命となります。

その上、外的要因による影響でその寿命を更に短くするケースが多く、特に下記の2点は大幅に寿命を短くする原因となるため、目安通りの寿命を維持するのに一番手のかかる蓄電池と言えるでしょう。

  • 高温環境下での使用
  • 大電流充電による電池温度の上昇

我々の日常生活においては乾電池タイプの蓄電池利用がメインとなってきますが、安価な乾電池の出現によりその用途としては使用しない方も多いでしょうが、コスパを考えて使用を検討している場合はこのデメリットをよく理解しておいてください。

NAS電池

NAS電池は日本ガイシが東京電力と共同で研究開発した世界初のメガワット級の蓄電容量を可能とした蓄電池で、主に工場をはじめとする大規模施設のバックアップ電源として使用されています。

鉛蓄電池と遜色ない長期寿命に加え、蓄電池の約3分の1といったコンパクトさ、そして高出力と長期の電力貯蔵ができる点が大きな特徴といえるでしょう。

この性能スペックから実証実験中のレドックスフロー電池と共に注目度の高い蓄電池とされていますが、現在このNAS電池の量産を維持できるのが日本ガイシャのみであることから、今後の汎用性に期待がかかる蓄電池とも言われています。

またこのNAS電池の寿命はサイクル回数は4500回、使用期間に換算して15年とされており、蓄電池の中でも使用環境や使用状況による劣化影響が一番少ないという特徴を持ちます。

しかし、ナトリウムや硫黄といった危険物指定されている上、作動温度を300度に維持しなければならないため、安全性を問題視する声も少なくありません。

使用する際には安全対策や事故発生時の対策が一番の重要課題となってくるでしょう。

全固体電池

全固体電池は、2011年に東京工業大学の研究チームによって全固体電池の作成に必要な物質が初めて発見されたことをきっかけに開発が加速し、現在ではすでに実用化が始まっている新しい電池となります。

広く一般的に認知され、生活には欠かせない存在となっているリチウムイオン電池に変わる次世代電池と言われており、電池の中に含まれる、電気をためたり放出したりするための「電解質」が「リチウムイオン電池」は液体なのに対して、「全固体電池」は固体であることからそのように呼ばれています。

日本では主に自動車メーカー各社が開発に取り組んでいて、世界的に見ても開発の最先端をひた走っていると言われているトヨタ自動車は、EVで使用可能な全固体電池の開発費に300億円を投じているとの声明も出しています。

ちなみに、この全固体電池は、現在のリチウムイオン電池に比べ、エネルギーの密度を3倍に増やせる見込みです。その一方で、充電にかかる時間は3分の1に短縮できるというリチウムイオン電池の完全上位互換電池となっています。バッテリー小型化によりコストも抑えられると期待されています。

まとめ

ここまでで、蓄電池の寿命・耐用年数や、それに伴う考え方など、参考になった情報はありましたでしょうか。

太陽光発電システムや蓄電池は、長く使うことで効果が出てくる商品のため、メーカー側もその耐用年数については、細心の注意や手厚い保証でバックアップしています。

モノはどうしても何でも経年劣化していくものです。

他の住宅設備と比較しても、安心感の高い検証が重ねられており、寿命や耐用年数について必要以上に心配する必要はありません。

そうは言っても、最終的に元って取れるの?と経済的な面も心配になる方は、以下の記事も併せてご覧ください。

蓄電池で「元が取れない」はウソ?経済効果を徹底検証!

監修

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エコ発事務局 太陽光アドバイザー

曽山

『誠実、スピーディーな応対』をモットーに日々エコ発を運営しています。 お客様への応対だけでなく全国に数百ある提携業者様とのやり取りをはじめ、購入者様へのキャンペーン企画やウェブサイトの改善など、皆様のお役に立てるよう日々業務に取り組んでいます。 卒FIT後の太陽光発電の活用方法など、お困りごとがございましたら、お問い合わせにてお気軽にご相談下さい。

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