自家消費型太陽光発電のメリットと事例を紹介【売電するよりお得?】 - 家庭用・住宅用・産業用蓄電池の価格比較・無料見積もりサイト - エコ発蓄電池

自家消費型太陽光発電のメリットと事例を紹介【売電するよりお得?】

自家消費型太陽光発電のメリットと事例を紹介【売電するよりお得?】

これまで太陽光発電の主流は、余剰買取もしくは全量買取制度を活用した売電を軸にした運用でした。しかし、近年では自家消費と呼ばれる太陽光発電にも注目が集まり、個人や企業が導入しつつあります。

自家消費型太陽光発電とは、太陽光発電で発電した電気を自宅・自社で消費する運用方式で、昨今の太陽光発電を取り巻く環境を考えると大きな転換点ともいえるでしょう。

そこで今回は、余剰・全量買取型よりも自家消費型太陽光発電を導入するメリットをはじめ、太陽光発電を取り巻く環境や制度、そして導入事例についても解説します。

目次

太陽光発電の余剰・全量買取の特徴

日本では太陽光発電を導入する際に、余剰買取制度か全量買取制度のどちらかに区分されます。更に様々なルールが定められていて固定単価や買取期間についても決まっています。

まずは太陽光発電の買取制度について確認していきましょう。

太陽光発電を含む再生可能エネルギーの買取制度

太陽光発電を導入すると、国が指定した買取制度が適用されます。その制度とは固定買取価格制度と呼ばれる、売電に関するあらゆるルールを定めた制度です。

固定買取価格制度は、太陽光発電を含めた再生可能エネルギーの固定買取を国が約束した制度で、一定期間電力会社は買取を義務付けられています。

また、買取価格は国が定めた単価ですので、電力会社の裁量で変動しないメリットもあります。

固定買取価格制度が始まったのは2009年で、当時は太陽光発電の余剰買取のみを取り決めた制度でした。そして2012年に現在のルールに変わり、再生可能エネルギーを対象とした固定買取価格制度へ拡大しました。

ちなみに固定買取価格制度の対象となる再生可能エネルギーは、以下5つです。

  • 太陽光発電
  • 風力発電
  • 水力発電
  • 地熱発電
  • バイオマス発電

余剰買取と全量買取の違い

再生可能エネルギーの固定買取価格制度では、太陽光発電に関して2種類の買取方式を定めています。

買取方式の区分方法は、発電システムの出力量に応じて変わります。しかし、固定買取価格のルールは共通で、申請した年の固定価格で一定期間買取してもらえる仕組みです。

また、固定価格は毎年国が選定し直すため、申請する年によって収益率も変化します。

余剰買取方式

1つ目は余剰買取方式と呼ばれる、買取方法です。

太陽光発電の出力量が10kW未満の場合に適用される方式で、住宅用太陽光発電のほとんどは出力10kW未満です。

余剰買取方式の場合は、自宅で消費した電力量を超える発電量のみ電力会社に売電できます。そのため発電した電気は全て売電できません。また、固定買取価格で売電できるのは、固定買取価格制度を申請した年から10年間と定められています。

全量買取方式との違いは、余った電気のみしか売電できないことと固定価格は高めに設定されていること、そして固定買取期間が短い点です。

以下にこれまでの固定買取価格をご紹介します。

  • 2009年より前:各電力会社が、24円程度で自主的に買取。
  • 2009年:48円
  • 2010年:48円
  • 2011年:42円
  • 2012年:42円、ダブル発電34円
  • 2013年:38円、ダブル発電31円
  • 2014年:37円、ダブル発電30円
  • 2015年:出力制御無し33円、有り35円、ダブル発電の出力制御無し27円、有り29円
  • 2016年:出力制御無し31円、有り33円、ダブル発電の出力制御無し25円、有り27円
  • 2017年:出力制御無し28円、有り30円、ダブル発電の出力制御無し25円、有り27円
  • 2018年:出力制御無し26円、有り28円、ダブル発電の出力制御無し25円、有り27円
  • 2019年:出力制御無し26円、有り28円、ダブル発電の出力制御無し25円、有り27円

(円/1kWh)

また、2012年からダブル発電との2種類の固定価格、2015年から出力制御の有無を含めた4種類の固定価格へ分類されました。

ダブル発電とは、太陽光発電設備の他に発電設備を搭載したケースのことで、上記の売電価格よりも数円安く設定されます。また、蓄電池との併用の場合もダブル発電と見なされるため、自家消費へシフトした方がお得な側面もあります。

出力制御とは、電力の需給バランスを維持するために、過剰供給となった売電について出力および買取を一時的に抑える仕組みです。電力は過剰供給になってしまうと、大規模停電に繋がるため電力会社側が発電者に発電停止などの連絡・指示を行います。

全量買取方式

2つ目は全量買取方式と呼ばれる、買取方法です。

太陽光発電の出力が10kW以上の場合に適用される方式で、産業用太陽光発電は10kW以上で運用します。余剰買取と違い、発電した電気のうち全てを電力会社に売電できるのが大きな特徴です。

固定買取期間は申請から20年間と長いのも、全量買取方式ならではの特徴でメリットといえるでしょう。

そして全量買取方式を厳密に区分すると、以下3種類に分かれます。

  • 10kW以上500kW未満:毎年固定買取価格が決められている
  • 500kW以上2000kW未満:2019年以降から入札制度に切り替わる
  • 2000kW以上:入札制度

2000kW以上は非常に大きな設備で、たとえばメガソーラーなど数10億円単位の設備費用が掛かります。そして500kW以上2000kW未満は、一般的な産業用太陽光発電の物件販売情報でも見かける出力で、費用負担と年間収益ともに億単位と中~大規模の設備といえるでしょう。

10kW以上500kW未満は、個人でも費用・土地面で現実的に導入可能な出力です。また、総額100万円~1000万円台と、前述の2ケースよりも費用負担は抑ええることができます。

2019年度の固定買取価格は、以下の価格です。

  • 10kW以上500kW未満:14円
  • 500kW以上2000kW未満:入札制度
  • 2000kW以上:入札制度

一般住宅に10kW以上の太陽光発電を設置することも可能ですが、多くの屋根では設置面積が不足します。また、一般住宅の屋根では、5kW前後の太陽光発電を設置するのが基本です。

個人が10kW以上の太陽光発電を所有するためには、自宅とは別に土地を取得し、野立て太陽光発電(地面に建てるタイプ)として運用する必要があります。

電気料金に再生可能エネルギーに関する料金が上乗せされている

固定買取価格制度は、電力会社にとって負担となる制度でもあるため、同制度の費用を補うための補助制度も用意しています。その制度とは、再生可能エネルギー発電促進賦課金と呼ばれる料金項目で、電気料金に追加・上乗せしています。

全ての国民の電気料金に上乗せされていて、各世帯で使用した1ヶ月の電力量に2.95円/kWh掛けて算出しています。

太陽光発電の運用方針

自家消費型太陽光発電がお得になるのか知るためには、自家消費だけでなく投資用太陽光発電の仕組みや運用方針について把握しておくことが大切です。

そこで、まずは投資用太陽光発電と自家消費型太陽光発電の仕組みと違い、運用方針を分かりやすくご紹介します。

投資用太陽光発電

投資用太陽光発電とは、売電収益を得ることが目的の運用方式です。不動産投資と同じく、太陽光発電で毎月収入を得られるのが魅力で、固定買取価格制度がポイント。

また、固定買取価格制度は毎年価格が下落していて、制度発足初期に太陽光発電を導入した方であるほど高い収益を実現できます。

個人が投資用太陽光発電を導入する場合は、住宅の屋根に取り付ける住宅用太陽光発電と、野立て太陽光発電の2種類から選びます。

住宅用太陽光発電は屋根に取り付けるタイプですので、屋根の面積が大きいほど設置枚数も増やすことができます。しかし、一般的には10kW未満が上限といえるでしょう。

野立て太陽光発電は、土地付きで販売されていることが多く、10kW以上はもちろん100kWや500kWといった中規模の運用も可能です。また、野立て太陽光発電の場合は、自宅以外で運用するため無人稼働になり、監視設備も必要になります。

自家消費型太陽光発電

自家消費型太陽光発電とは、太陽光発電で発電した電気を自宅・自社で消費することを目的とした運用方式です。パワコンなどを切り替えることで、発電した電気を電力会社へ供給しないようにします。

これまでは投資用太陽光発電が収益モデルの基本でした。しかし、太陽光発電の普及とともに供給量が増えて出力抑制を実施されたり、固定買取価格が下落し続けたりなど難しい状況になりつつあり課題も増えています。

更に固定買取価格制度終了後の売電に関して、明確な取り決めや買取保証について定められていないため、自家消費型へシフトするケースも増えています。

自家消費型太陽光発電は、発電した電気を直接収益に結び付けることはできません。しかし運用方法によっては、節電など多くのメリットを得ることが可能です。

自家消費型太陽光発電の特徴

続いて自家消費型太陽光の特徴を詳しく解説します。自家消費型太陽光に切り替える・導入する場合は、投資用太陽光発電と異なる機器を使用するので気を付けましょう。

自家消費型太陽光発電の設備構成

太陽光発電は、ソーラーパネルとパワーコンディショナー、分電盤や接続箱、配線などで構成されています。

そして自家消費型太陽光発電の場合は、発電や蓄電、消費などを総合的に管理するための自動制御システムを搭載。

メーカーによって自動制御システムの機能は異なりますが、インターネットと接続したタイプの場合、最新の気象情報などを入手し電気使用量や発電量などから需給バランスを計算します。

自家消費型と聞くと単に売電しないだけかと思いますが、自動制御システムを活用し省エネや効率よく買電量を抑えるなど、環境性と経済性を考えた新しい運用方式です。

自家消費型太陽光発電は2種類存在する

自家消費型太陽光発電には、2019年現在全量自家消費と余剰売電型の2種類存在します。

全量自家消費型は、太陽光発電で発電した電気を全て自宅・自社で全て消費できるよう設計・配線されたシステムです。一方余剰売電型は、一般的な住宅用太陽光発電の方式で、自家消費分を超える発電は売電に回されるシステムを指します。

全量自家消費型を導入する場合は、パワーコンディショナーや配線など諸々従来の設定とは異なるので、自家消費用に構築されたシステムを購入・施工する必要があります。

一方余剰売電型は、既存の太陽光発電システムで運用できるので、既に住宅用太陽光発電を導入している方は一部自家消費に回っていることでしょう。

蓄電池と併用して運用するのが基本

自家消費型太陽光発電の特徴であり基本でもありますが、蓄電池と併用して利用することで効率よく運用できます。

自家消費型太陽光発電は、売電収益ではなく買電量を抑えながら運用することで電気料金をカットしたり、ピークシフトを抑えたりします。そのためには夜間や電力消費容量の多い時間帯に、発電した電気をなるべく回したいところです。

しかし太陽光発電単体では発電した電気をその場で消費しかできないため、一時的に貯められません。

そこでメーカー側は、蓄電池を組み合わせた太陽光発電システムを販売しています。設置工事の際に太陽光発電と蓄電池を連携してもらえるので、後付けする手間は掛かりませんしメリットを増やせます。

余剰買取に対応した蓄電池

蓄電池と併用した自家消費型太陽光発電の中には、余剰買取に対応したシステムもあります。いわゆる住宅用太陽光発電のことで、最近では住宅メーカーや開発メーカー側が住宅とセットで蓄電池ユニットの施工・販売も手掛けています。

これまで住宅用太陽光発電は、発電した電気を自宅で消費し余剰分は自動的に売電するシステムでした。しかし、蓄電池が実用化され、住宅用太陽光発電とセットもしくは後付けでも設置できた現在では蓄電も可能です。

つまり住宅用太陽光発電は、自家消費と蓄電、余剰分の売電といった3つの選択肢に増えているのも大きな魅力です。

自家消費型太陽光発電システムの利用メリット

自家消費型太陽光発電システムの利用メリットは、自家消費による節電だけではありません。現在の太陽光発電やFIT制度を取り巻く環境は大きく変化していて、利用メリットが増えつつあります。

また、FIT制度の変化に対する対応は急務といえ、今後太陽光発電を長くお得に使い続けるためには、投資用太陽光発電だけでは難しいことが予想されています。

それでは自家消費型太陽光発電の利用メリットをご紹介します。

固定買取価格制度の下落に対応できる

2009年に発足された太陽光発電の固定買取価格制度、そして2012年に改定された再生可能エネルギーの固定買取価格制度は、2019年現在も国主導で実施されています。

2012年の売電価格は住宅用で42円、産業用で40円とどちらも高単価でしたが、2019年は住宅用で24円、産業用で14円と非常に安い状況です。

更に太陽光発電が普及する程、下落傾向が続くでしょう。

自家消費型太陽光発電であれば、これまでの主流であった固定買取価格制度に頼った運用から脱却でき、なおかつ固定価格下落に左右されず発電・消費できます。

電力会社の電気料金値上げによる負担を抑えられる

国内の大手電力会社では、石油価格など諸々のコストアップにより、年々電気料金を値上げしているため負担が大きくなっています。

電気料金値上げによる負担は、投資用太陽光発電でも対処できますが固定買取価格下落を考慮すると、長期的に負担軽減するのが難しいところです。

また、売電価格は10年間もしくは20年間固定ですが、電気料金は毎年値上がりしているため、いずれ売電していても赤字になる可能性もあります。

自家消費型太陽光発電であれば、1kW辺り11円前後費用削減できる計算ですので100kw出力の場合、年間1万円以上のコストカット可能です。

2019年現在、全国の原発は稼働停止中、更に燃料調達費も上昇していることを考慮すると、今後も値上げが続くと考えられます。

非常用電源として利用可能

自家消費型太陽光発電の利用メリットは、節電だけでなく防災面でも期待できます。たとえば地震や台風などの災害によって停電した場合は、太陽光発電を非常用電源として活用可能です。

近年日本に限らず、世界的に気候変動の影響を受けているのが現状で、集中豪雨や暴風、長期間雨が降らなかったり急激な気温変化だったりと自治体の対策だけでは防ぎきれません。

ですので、個人や企業単位の対策も必要です。

自家消費型太陽光発電があれば、緊急時に非常用電源として家電製品の稼働やモバイル機器の充電ができます。また、蓄電池も併用した場合は、夜間も使用可能になります。

大規模停電時にも対応できる

災害にも規模があり東日本大震災などの大規模災害の場合は、停電範囲が広く1週間以上続きます。

小型バッテリーやガソリン式発電機では、非常用電源として使い続けることは難しく、大量のバッテリーと燃料を備蓄しなければいけません。

しかし自家消費型太陽光発電を導入できれば、大規模停電時でも発電された電気と蓄電池を併用して、長期間対応できます。

自家消費太陽光発電のデメリット

続いて自家消費型太陽光のデメリットについてもご紹介します。多くの利用メリットがあるものの、費用面でデメリットもあるので慎重に検討することも大切です。

自家消費型太陽光発電も費用は大きい

自家消費型太陽光発電は、電力の自家消費を効率よく進めるために専用の制御システムを搭載しています。また、太陽光発電システム自体、一定の費用負担が必要ですので気軽に導入できないケースもあるでしょう。

ソーラーローンなど融資を受けて運用する方法も一般的ですが、計画的な運用が必要不可欠です。

太陽光発電を取り巻く環境の変化

自家消費型太陽光発電や蓄電池の併用に関するメリットを理解するためには、太陽光発電を取り巻く環境についても知る必要があります。

それでは、太陽光発電に関する環境や業界について、何が変化しているのか解説していきます。

固定買取価格が下落傾向

太陽光発電は固定買取価格制度の発足や各メーカーが販売し始めたこと、そして東日本大震災などによる防災意識の向上により普及が進んでいます。

しかし、普及が進むことで電力会社の買取に掛かる負担は大きくなり、固定買取価格は年々下落傾向です。

また、固定価格買取制度終了後の買取については、明確な取り決めが無く電力会社の方針によっては、買取解除となる可能性もあります。

リチウムイオン電池の低価格化

自家消費型太陽光発電と併用利用する蓄電池の1つ、リチウムイオン電池は日々開発・改良を重ねられ、少しずつ低価格化しています。

太陽光発電向けの蓄電池は、設置工事や周辺機器を含め総額80万円~180万円程、従来は200万円以上が相場だったので徐々に落ち着いていることが分かります。

電気料金の値上げ

東日本大震災を境に全国の原発が稼働停止、そして国際情勢の変化で石油等燃料調達費の上昇したことによって、電気料金の値上げが進んでいます。

各大手電力会社は、定期的に電気料金値上げを実施していて一般家庭だけでなくオフィスや工場なども電気代コストの負担が大きくなっている状況です。

最近ではイラン情勢も緊迫化しているため、引き続き電気料金値上げは続くと考えられます。

グリッドパリティになりつつある

グリッドパリティとは、1kWhの発電単価の方が買電単価よりも安い状況を指します。

つまり太陽光発電を使用しない場合と、自家消費型太陽光発電を購入・運用した場合の電気代を比較した際に、後者の方がお得になる現象のことです。

近年では太陽光発電の発電効率が改善してきていることや、蓄電池を併用できるようになったこともあり、グリッドパリティを実現できつつあります。

出力制御による売電収入の減少

個人・法人問わず太陽光発電の普及が進んだことにより、電力の需給バランスの調整が必要になりました。

そこで国では、500kW未満の出力を持つ太陽光発電についても、電力会社が太陽光発電の出力を抑える指示が可能にしました。一般家庭や企業など電気利用者にとっては、安定供給に関わることですのでメリットです。

しかし、太陽光発電者にとっては、発電できない時期も発生するため維持管理費用のみが掛かるリスクもあります。

最近では九州電力が、電力の過剰供給を理由に出力抑制を実施しています。

事業用太陽光発電の自家消費メリット

続いては企業向けに、事業太陽光発電を自家消費型に切り替えるメリットをご紹介します。

前半で解説したメリットは、主に個人・法人共通でしたが、こちらは企業が運用する上で得られるメリットです。

企業担当者の方で自家消費型太陽光発電について、情報収集している場合は特に参考にしてみてください。

デマンドを抑えやすい

高圧電力の契約をしている企業は、電気料金の計算が低圧電力と異なります。

簡単に説明すると、年間の電気使用量のうち最も高い値を基準に電気料金を設定するため、ある1日の電気使用量のみが突出して高い場合でも、そこを基準にされてしまいます。

このピーク電力量のことをデマンドと呼び、一時的な使用量の増加は年間を通して大幅なコスト増に繋がります。

事業太陽光発電の自家消費を導入すれば、蓄電池と自動制御システムでピーク電力量が抑えられ、電気料金を抑えることも可能です。

あらかじめ設定された使用量を超えそうになると、自動制御システムが作動し蓄電池で補うなど自動対応してくれます。

節税対策に繋がる

2019年現在では太陽光発電や蓄電池単体に関する、国の補助金制度や税制優遇措置はありません。しかし、企業が自家消費太陽光発電を運用する場合は、税制優遇措置があるので要注目です。

税制優遇措置とは中小企業経営強化税制と呼ばれる、中小企業向け生産設備の支援制度です。

生産性向上設備A型・収益力強化設備B型の2種類が用意されていて、自家消費型太陽光発電も対象になる可能性があります。

対象になった場合は、太陽光発電設備の取得費用を計上(100%償却)できるだけでなく、取得価額の7%から10%を控除(控除額は資本金3000万円を超え1億円以下の場合7%)してもらえるのがメリットです。

  • 生産性向上設備A型:生産性が旧モデル(設備投資前)と比較して1%以上向上する設備
  • 収益力強化設備B型:投資吸収率が年平均5%以上の投資計画に関わる設備

また、税制優遇措置の期間は2021年3月31日までと定められています。

BCP対策に繋がる

東日本大震災や北海道胆振東部地震など地震被害、そして台風や集中豪雨などの被害が日本各地で発生しています。

そして、このような事態を受け政府や企業は、有事の際に事業を継続するための対策・計画をまとめたBCP対策の準備を進めています。

  • BCP対策(事業継続計画):災害などによって通常営業ができない場合に備えて、緊急事態用の行動計画や指針を定めたもの

自家消費型太陽光発電の導入もBCP対策に繋がります。

個人と違い企業の場合は、取引先への安全確認や対応、従業員への連絡や一部業務の継続など、電話機や各種機器の稼働など様々な部分で電源確保が必要です。また、大規模災害の場合は、1週間や1ヶ月の停電となる可能性が高く、各企業で電源確保を行わなければいけません。

更に自家消費型太陽光発電があれば、地域の避難拠点としても活用できるため企業評価の向上にも繋がります。

固定買取価格制度の変化に左右されず運用できる

企業にとっても固定買取価格制度の影響は無視できません。

もし、投資用太陽光発電で全体の数割の収益を確保していた場合、売電価格の下落は赤字転落へのリスクを負うことになります。

しかし、自家消費型太陽光発電に切り替えておけば、固定買取価格制度や買取に関する取り決めに左右されることなく、引き続き運用可能です。

各自治体で補助金制度を独自に用意している

自家消費型太陽光発電や蓄電池の設置には、各自治体が独自に補助金制度を用意している場合があります。たとえば神奈川県の場合、以下のような補助金制度を実施しています。

  • 令和元年度自家消費型太陽光発電等導入費補助(太陽光発電と風力発電)
  • 出力10kW以上の太陽光発電設備を対象
  • 補助金額: 太陽光発電設備の場合は、発電出力1kW当たり9万円を掛けた金額
  • 補助金額の対象期間:令和元年度のみ

ただ、補助金制度がない自治体もありますので、お住いの地域の自治体に補助金があるかは事前にしらべておきましょう。

事業用太陽光発電と蓄電池の併用メリット

自家消費の事業用太陽光発電を導入する場合は、蓄電池との併用がおすすめです。

自家消費型太陽光発電単体では、発電した電気を貯めることはできませんし晴れの日や日中以外に運用することができません。

それでは事業用太陽光発電と蓄電池の併用メリットをご紹介します。

夜間など発電できない状況でも買電量を抑えられる

蓄電池を併用することで得られるメリットは、発電できない状況でも貯めておいた電気で対応できるところでしょう。

自家消費型太陽光発電で電気料金を削減するためには、常に買電量を抑えることです。

そして蓄電池があれば夜間や雨の日、曇りや電力使用量の多い時間帯でも買電量を抑えることができます。また、自動制御ユニットも実装しているので、発電・消費バランスを常に自動調整するのもメリットです。

非常用電源に切り替えた場合に長期的な活用可能

自家消費型太陽光発電の強みは非常用電源として活用できる点ですが、蓄電池と併用すれば更に活かすことができます。

産業用蓄電池は蓄電容量が多いので、工場など大規模な設備をまかなえる蓄電容量も準備可能です。家庭用蓄電池は5kWhなどが一般的ですが、産業用蓄電池は40kWhなどが用意されています。

また、蓄電容量が大きいので、複数の電気設備を太陽光発電で発電した電気と併用しながら、長期的に稼働できるのも魅力です。

事業用太陽光発電の導入事例

自家消費型の事業用太陽光発電を導入事例についてご紹介します。

企業の中には、既に事業用太陽光発電を自家消費として活用しているので、長期運用計画を検討している事業者は特に参考にしてみてください。

太陽ホールディングス

東京都豊島区に本社を置く太陽ホールディングスは、プリント基板の製造や医薬品製造などを手掛ける化学メーカーです。そして太陽ホールディングの子会社、太陽グリーンエナジーでは2017年に水上太陽光発電所を新設・稼働を始めました。

水上太陽光発電所は、太陽グリーンエナジーの事務所がある京都府嵐山の嵐山花見台工業団地内の調整池に、太陽光発電所を設置した設備で文字通り水上にあります。運用方式は自家消費型で、発電した電気は太陽ホールディングの子会社太陽インキ製造埼玉工場へ供給される仕組みになっているのが特徴です。

発電量は約33万3000kWhと、メガソーラークラスですので工場の各設備に必要な電気を賄えます。また、水上に設置したことで太陽光パネルの熱を抑える効果も期待でき、夏場など気温変化の大きい時期でも発電効率を維持できるメリットがあります。

今後の自家消費型太陽光発電

自家消費型太陽光発電が将来性のある運用方式になるか、今後の動向について考察していきます。

自家消費型太陽光発電は、投資用太陽光発電よりも需要が高まる可能性があるので、これから導入予定のある個人・法人は検討することをおすすめします。

災害対策としても需要が高まる可能性

自家消費型太陽光発電は、個人の災害対策や企業のBCP対策として需要が高まることも考えられます。

何度か解説してきましたが、近年日本では震度6~7クラスの地震が各地で発生していること、暴風による災害や集中降雨による堤防決壊などが短いスパンで起きている傾向です。

もちろん偶然スパンが短いだけかもしれませんが、災害規模が大きい場合もあり長期の停電事例もあります。そのため自治体や自衛隊頼みでは、災害発生直後から1週間~1ヶ月程度のエネルギー確保が難しい状況です。(実際は水道やガス、食料などの対策も必要)

そこで個人や法人問わず、自家消費型太陽光発電の需要が高まるのではないでしょうか。

自家消費型太陽光発電を設置しておけば、普段は節電効果を目的に使用できますし、非常時は家電製品をはじめ各種電気機器へ電源供給できます。また、蓄電池との併用を行えば、夜間でも照明やIHクッキングヒーターなど、照明や調理機器なども稼働可能です。

これからの災害対策は、大規模災害による長期停電を前提としたエネルギー確保も重要ですので、自家消費型太陽光発電の必要性・メリットも理解されることでしょう。

固定買取価格制度に頼らない効率的で環境に配慮したエネルギー活用として注目

固定買取価格制度は、2019年現在でも運用されていますが買取価格の下落傾向も続いています。

具体的には2009年当時48円(住宅用)でしたが、2019年には25~28円と約半額まで下落している状況です。

今後も太陽光発電や蓄電池の普及が進む限り、電力会社の買取コストも増えるため下落傾向は止まらないことでしょう。一方、最近ではZEHやHEMSなど、自家消費型太陽光発電を組み込んだ新しい住宅・街づくりのシステムが実用化されています。

自家消費型太陽光発電であれば、既存の制度や電力会社の買取に頼らず、尚且つ環境にも配慮したエネルギーの活用が可能です。

固定買取価格制度対象外になった後も売電できるか不明

自家消費型太陽光発電に将来性を感じさせる理由の1つは、売電価格の下落傾向だけでなく固定買取価格制度の対象外になった後も売電できるか分からない状況だからです。

固定買取期間は住宅用で10年間・産業用で20年間となっていて、2019年から既に対象外となっている発電者も存在します。

そして固定買取価格制度の対象外となった後は、電力会社の買取義務について定められておらず、売電価格の設定についても電力会社の自由です。

このような状況から、投資用太陽光発電は太陽光発電や蓄電池、ZEH・HEMSなどの普及によって徐々にメリットが少なくなるといえるでしょう。

一方自家消費型太陽光発電は、国の制度に頼らず運用できるだけでなく災害対策や電気料金削減効果、エネルギーの自給自足など売電利益以外のメリットが多数あります。

自家消費型太陽光発電の方がお得かつ長期的に活用できる見込みがある

投資用太陽光発電の余剰・全量売電は、収益モデルを立てやすくこれまで主流の方式でした。しかし、太陽光発電の普及や再生可能エネルギーの買取コストなどの影響から、売電価格は毎年下落していて今後投資回収の難しい状況も予想されます。

そこで投資用太陽光発電よりも、自家消費型太陽光発電へ切り替えることをおすすめします。

自家消費型太陽光発電には、電気料金削減効果やピークカット、節税(中期的な効果)効果やBCP対策など様々なメリットを得られるのが魅力です。

更に国の制度や電力会社の買取に頼ることなく運用できるので、エネルギーの自給自足も目指すことができます。また、国内企業が既に導入している事例もあるので、企業単位で考えてもメリットとして捉えられています。

これから太陽光発電を導入予定の方、または自家消費型太陽光発電へ切り替えようか悩んでいる場合は、この機会に自家消費に決めてみてはいかがでしょうか。

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