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産業用蓄電池とは?導入に当たってのメリット・デメリットは?

公開日:2018/10/22 | 最終更新日:2022/06/13

産業用蓄電池とは?導入に当たってのメリット・デメリットは?

初めての方でも一般家庭で使う蓄電池はだいたいイメージが付くものですが、産業用蓄電池となると、事業規模によっては全く想像もつかないものもあります。

産業用蓄電池にはどのようなものがあり、メリット・デメリットについてはどうなのか、見ていくことにしましょう。

この記事でわかること!

  • 産業用蓄電池とは公共施設や事務所、商業施設などに設置する蓄電システムのこと
  • 産業用蓄電池はNAS電池が主流
  • 産業用蓄電池には5つのメリットと2つのデメリットがある

目次

産業用蓄電池とは

産業用蓄電池について

産業用蓄電池とは一般住宅以外の建物の工場や公共施設、オフィスビルや事務所、コンビニ単体から大きなものではショッピングモールなどの商業施設などに設置する蓄電システムのことをいいます。

家庭用蓄電池がそうであったように、産業用蓄電池も東日本大震災をきっかけにその必要性が叫ばれるようになりました。

従って蓄電池の主な用途は、自然災害等による広域停電の際に必要なバックアップ電源ですが、蓄電池はそれだけに留まらず平常時には電気料金を削減し、一時エネルギー消費量もコントロール(つまり”省エネ”)します。

更に太陽光発電などの再エネ機器との連携で、省エネ効果は飛躍的に高まるため、システムを導入できるところは他に先んじてこれを進めている状況です。

日本が政策目標に掲げているZEB(ゼブ)とは?

また日本は2030年までに、新築建築物の平均でZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル:年間の一時エネルギー消費量がネットでゼロとなる建築物)を実現する政策目標を政府は掲げています。

ご存知の方もいるでしょうが、同じように政府は一般住宅向けのZEH(ゼッチ)の認定も、2015年頃から強力に進めているのです。

ZEBもZEHも、太陽光を始めとする再生可能エネルギー設備機器の導入が認定の前提条件となっており、それに加えてZEB・ZEH共に、太陽光発電と相性の良い蓄電池の導入も2016年以降より推奨されています。

つまり、事業者のみならず政府も蓄電池の普及に一役買っているわけです。

産業用は家庭用の蓄電池とどこが違う?

産業用は家庭用の蓄電池とどのような違いがあるのか、その違いを「容量」「種類」「設置の注意点」の3点に絞って解説してみます。

家庭用に比べて容量は大きい

まずは容量についてですが、産業用蓄電池は家庭用に比べて容量に余裕があるというのが特徴と言えるでしょう。

産業用は事業や施設規模にもよりますが、容量は少ないものでも10数kWhから20kWh台(コンビニなどは10kWh満たないシステムもありますが)、工場などでは500kWhを超える蓄電池を必要とするところもあります。

また複数の蓄電池を統合し、システム化された蓄電池も産業用ではよく見られ、電池の接続数によって容量を選べるのです。

ウェブサーバーや医療機関など電気の供給がストップすることが致命的な業種も多数あり、こうした業種では最悪の場合、顧客からの損害賠償等に発展するケースもあります。

そのためBCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)対策として、太陽光発電+大型蓄電池を導入する事業体も増加しています。

BCPとは?詳しい解説はこちら

BCP(事業継続計画)とは?その対策と蓄電池

電池の種類

家庭用では一般的なリチウムイオン電池が主流ですが、産業用ではリチウムイオン電池に加えてNAS電池がよく用いられるのです。

NAS電池は価格が安く、大容量な蓄電池に向きますし、更に耐久性もあります。メンテナンスが必要ですが、規模の大きい施設にはリチウムイオン電池よりNAS電池のほうが合っているでしょう。

通気経路の確保・屋外設置の注意点

産業用蓄電池の注意点として、設置スペースはある程度見ておかなければいけません。

なぜなら産業用の蓄電池機器には大きな熱が発生するため、排熱のための通気経路やそのための設備が必要な場合があります。

また屋外に蓄電池を設置する際、本体を守るための建屋の検討も必要ですし、建屋などを新たに設置する場合はこれを建築物とみなし、役所に確認申請を出すこともあるのです。

こうなると家庭用蓄電池とは大きく異なるのが分かるでしょう。

BEMS、FEMSとは?

産業用蓄電池や再エネ設備についての記事では、BEMS、FEMSなどの言葉をよく見かけます。

これらの文言はHEMS(住宅エネルギー管理システム)とほぼ同義と言えるもので、BEMSは「ホーム」ではなく「ビルエネルギー管理システム」であり、FEMSは「ファクトリー(工場)エネルギー管理システム」を指すのです。

つまりBEMSとは、ビル内の配電設備、空調設備、照明設備、換気設備、OA機器等の電力使用量をモニターで可視化したシステムのこと。

同様にFEMSとは、工場内の配電設備、空調設備、照明準備、製造ラインの設備等の電力使用量をモニターで可視化したシステムです。

この他にも地域内のエネルギー管理システムをCEMSやAMESなどといいますが、全て「モニターで可視化したシステム」を指します。

ただし家庭用のHEMSが分かっていれば、大体どういうものか察することはできるでしょう。これらの言葉は大切な概念ですので、しっかり覚えておきましょう。

産業用蓄電池のシーン別活用法

それでは具体的に産業用蓄電池の活用シーンを、導入事例を参考に見ていきましょう。

国内初のZEB認定とBELS”五つ星”に輝いた「大和ハウス佐賀ビル」

大和ハウス佐賀ビル

一定規模のオフィスビルには独自の非常用電源が備えられていますが、この多くは避難が完了するまでの共用部分の設備に供給する電源分しか確保されておらず、オフィス内部の電源は個別に対応するしかありません。

そのため東日本大震災以降はBCP(事業継続計画)策定の重要性が問われ、産業用蓄電池を導入する会社が急増しています。

国内でもそのようなZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)を実証する案件が出てきているのです。

例えば大和ハウス工業の佐賀市の自社ビルでの取り組みでは、国内初の買電に依存しない建物として知られています(万一自社で電力供給ができなくなった際は、九州電力からの電力供給を受けることになる)。

「大和ハウス佐賀ビル」は鉄骨2階建、延床面積2444m2(約726坪)となる同ハウスメーカーの新築・リフォームの営業拠点となっているのです。

なお同オフィスビル搭載されている再エネ設備機器と蓄電池は、太陽光発電機器の設備容量が83.2kWh、リチウムイオン電池を使った蓄電池システムは容量75kWhという構成になっています。

また「大和ハウス佐賀ビル」はZEBの他にも住宅性能評価・表示協会のBELS(建築部省エネルギー性能表示制度)の5つ星を取得しているのです。

今後は「大和ハウス佐賀ビル」のようなBEMSの機能を持つオフィスビルが、2030年を目処に国内の平均的なビルとして増えていくことは間違いないでしょう。

大容量の蓄電池が平常時も災害時も大きく貢献する「積水ハウス東北工場」

積水ハウス東北工場

日本国内で一番多くのエネルギーを消費している業種は製造業で、工場は省エネを真っ先に検討しなければならない業種です。

また工場は省エネルギーへの取り組みを最もアピールしやすい業種でもあり、太陽光や蓄電池システムへの取り組みが最も進んでいる業態となっています。

宮城県色麻町にある積水ハウス東北工場も、比較的早く省エネ技術を取り込んだ工場のひとつです。

同工場は最終的に蓄電池システム(容量2MWh、出力500kW)と熱電併給(コジェネ)用ガスエンジン(225KW)それにLED照明機器(工場建屋内491基、寺務等130基等)という電源システムを統合しています。

太陽光発電(出力720kW)に関しては、3種の電源・照明器具より早くに導入を進めていました。従って太陽光発電との連携は別途二期工事を予定する形となっています。

積水ハウス東北工場のように、蓄電池と太陽光発電との連携があとになる工場は多数あるのではないでしょうか?

東北工場では災害時以外の平常時は、積極的に電力ピークカットを推し進めており、ガスエンジンと蓄電池の統合利用によって契約電力を約700kW削減できるようです。

また災害時も避難所として活用する「東北・住まいの夢工場」に、収容人員250名に対して、1週間電力を供給できる体制を準備しています。

今や自然災害国と言っても良い我が国にとって積水の東北工場は、工場としての新しい在り方を示すモデルケースとも言えます。

日米初となる蓄電池のみでのマイクログリッド構築・運用に成功

(引用:LEシステム株式会社「バナジウムレドックスフロー電池の仕組み」)

NEDOと住友電気工業は送配電網の電力品質向上を目的に米国カリフォルニア州で取り組んできた実証事業を完了し、主な成果として66軒の需要家を含む実配電網でのマイクログリッド構築と、大型の定置用蓄電池「レドックスフロー電池(RF電池)」の運用、さらに平常時・非常時の併用運転(マルチユース)に成功したと発表しました。

レドックスフロー電池とは、電池反応を行うセル、活物質を含む電解液、電解液を貯蔵するタンク、電解液を循環させるためのポンプと配管から構成されている蓄電池。電極や電解液の劣化がほとんどなく長寿命であり、電解液が不燃であることや常温運転が可能なことから耐火性・安全性が高い。充電残量を計測可能なほか、出力(kW)と容量(kWh)を独立に設計できる特長があると言われています。

今回の実証実験では、災害時などの停電地区への電力供給を想定し、容量8MWhのRF電池を接続した配電網の一部を商用系統から切り離した上で、RF電池を自立電源としたマイクログリッドを形成することで、66軒の需要家に電力を実際に供給することに成功しており、平常時は系統運用機関との電力取引で収益をあげながら、災害や計画停電などの非常時にはマイクログリッドの自立電源として停電あるいは停電予定地区に電力供給が可能であることを確認した

住友電気工業から販売されているこのレドックスフロー電池は、電力会社や小売業者だけではなく、電力需要家にも提供されています。

長寿命であり、高い安全性を備え、出力と容量を独立して設計できるため柔軟な設計が可能という至れり尽くせりの蓄電池であるため、2022年以降の今後の産業用蓄電池の主流になっていくのではないかと言われています。

商業施設とオフィスビルが電力融通し合う「柏の葉スマートシティ」

柏の葉スマートシティ

千葉県柏市の「柏の葉スマートシティ」は、スマートシティとしても次世代のコンパクトシティとしても多くの方から注目を集めています。

中でもスマートシティに強い関心を持つ方にとって興味深いのは、同スマートシティにおいてオフィスビルの「ゲートスクエア」に続き、商業施設の「ららぽーと柏の葉」にも蓄電池システムを導入した点でしょう。

「ゲートスクエア」と「ららぽーと柏の葉」の間には電力会社とは別系統の自営の送電線を設け、これを経由することで電力融通が可能となったのです。

ビル間の融通電力量は、電力使用量や太陽光発電及び蓄電量をBEMSで把握し、「ゲートスクエア」内の「柏の葉AEMS(地域エネルギー管理システム)」で電力供給計画を決めています。

また「柏の葉AEMS」は「柏の葉HEMS(住宅エネルギー管理システム)」とも連携しているのです。

このためオフィスビルと商業施設との2つのビルで電力融通をすることで、地域世帯の電力需要のピークも同時にコントロールできる仕組みも兼ねています。

「ららぽーと柏の葉」側に導入した蓄電池はNAS電池で、出力は1800kW、容量は1万2960kWhあります。NAS電池だけで、単純計算でも約1300世帯分電力量が商業施設側だけで確保できるのです。

一方「ゲートスクエア」側には出力500kWのリチウムイオン電池があり、容量は3836kWhあります。両蓄電池を合わせると、約1700世帯分の電力を供給できる計算です。

元々この電力融通は、両者の電力重要ピークに平日・休日の違いがあり、そのためオフィスと商業施設が昼間の太陽光の余剰電力を融通し合えば、ピーク時の電力使用量を抑えられると考えて計画がスタートしています。

特に大都市周辺のスマートシティには、「柏の葉」以外にもオフィスビルと商業施設が混在した例がいくつもあり、「柏の葉スマートシティ」の電力コストの削減が軌道に乗れば、同様の事案も増えることでしょう。

このように産業用蓄電池は様々なシーンで活用されています。少しでも産業用蓄電池について興味が出たというオーナーの方はぜひ以下のフォームから一括見積りをしてみてはいかがでしょうか?

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産業用蓄電池を設置するメリットと注意点

最後に、産業用蓄電池を導入する場合のメリット・デメリットについてまとめておきましょう。

産業用蓄電池のメリット

産業用蓄電池導入のメリット

まずはメリットからです。

産業用蓄電池は必要な設備投資と考えているオーナーがほとんどでしょうが、設置するとどのような点でおすすめなのか、利点などを見ていきましょう。

メリット1.災害時に非常用電源を確保できる

蓄電池を採用すると災害時に1週間程度の非常用電源を確保できます。このことは蓄電池を導入する上でのいちばんのメリットではないでしょうか。

産業用においては「BCP(事業継続計画)」対策として、非常用電源確保として蓄電池の導入は一般的になりつつあります。

2018以降は台風や地震、豪雨などの自然災害による大規模停電が毎年のように起きており、2019年の9月には過去最高クラスの大型台風15号により千葉県で大規模停電が発生し、2020年に九州地方を直撃した一時は歴史的な勢力まで発達した台風による停電も記憶に新しいでしょう。2021年は台風の影響こそ少なかったものの、線状降水帯による大規模水害で全国各地で停電が発生しています。

また、こういった大規模な災害による停電は、長期化しやすい傾向にあり、数時間程度で復旧するものではありません。運良く災害が発生せず停電を免れている地域であっても、毎年いつでもどこでも被災するものだという認識を持っておく必要があります。

メリット2.施設を災害時の避難拠点として活用できる

規模や用途で違ってきますが、蓄電池を採用し電力を自給自足できるようになると、自然災害時の地域の避難拠点としても活用できます。

公共施設ではありませんが、地域の広大な工場施設などh今後そのような活用が期待できるでしょう。

メリット3.デマンドレスポンスによってピーク消費時に電力の消費量をカットできる

家庭用の蓄電池でもそうであったように、産業用の場合でも電力のピークカットは蓄電池システムの定番的な電気料金の削減法と言えます。

メリット4.施設によっては電力をほぼ自給自足できるようになる

これも規模によって違ってきますが、産業用蓄電池の場合は搭載する再エネ設備も大きいことから、オフィスビルを中心に電力をほぼ自給自足できるでしょう。

メリット5.スマートシティではFEMS・BEMS・HEMSを連携するシステムが構築できる

また「柏の葉」の事例でもありましたように、スマートシティ内でFEMS・BEMS・HEMSを連携して運用できた場合、産業用システムが一般家庭の電力カットにも貢献します。

これも広い意味で産業用システムの利点と言えるでしょう。

産業用蓄電池のデメリット

産業用蓄電池導入のデメリット

産業用蓄電池のデメリットについて見ていきます。導入するに際して、どのようなデメリットがあるでしょうか。

デメリット1.投資負担が大きい

産業用蓄電池の投資効果は大いにあるのですが、やはりコスト負担の大きさは避けられません。

デメリット2.補助金制度は整っているとの評価はあるものの、未だ普及を目指す段階まで育っていない

補助金制度については、現在のところ冒頭でも紹介しましたZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)の補助金制度を活用するしかありません。

ただZEBは蓄電池単体の補助金ではなく、「年間の一次エネルギー消費量がネットでゼロとなる建築物」を建設する場合に使える補助制度です。

予算付は十分なものですが、国が進める政策と事業者とのコンセンサスが取れているかと聞かれてらやや疑問です。

まとめ

国の政策としては、産業用に関しても創エネ機器との連携で蓄電池の導入を支援することを考えているようです。

今後、家庭用蓄電池の普及が進むにつれ低廉化し、産業用蓄電池が少しでも普及価格に近づくことに期待が寄せられます。

エコ発蓄電池では産業用蓄電池の見積りも承っており、外資系大手家具小売企業の自家消費を手掛けた業者など実績のある施工業者のご紹介が可能です。

補助金を利用した太陽光発電併設もご相談に乗りますので、お気軽にご利用ください。

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