【島根県・隠岐の島町】木質バイオマスが創る循環!地産地消エネルギーで挑む「ゼロカーボンアイランド」
| カテゴリ:全国の脱炭素社会実現に向けた取り組み | タグ: ゼロカーボン, 島根県, 脱炭素, 隠岐の島町

1. 隠岐におけるゼロカーボンシティ宣言
島根県隠岐の島町は、豊かな森林資源と自然環境に恵まれた隠岐諸島に属する町の一つです。近年、地球温暖化の影響による「気候危機」の深刻化を受け、2023年12月にゼロカーボンシティ宣言を行いました。
目標達成に向けた概要は以下の通りです。
| 計画・宣言 | 宣言時期 | 最終目標 | 中間目標 |
|---|---|---|---|
| ゼロカーボンシティ宣言 | 2023年12月 | 2050年CO2排出量実質ゼロ | 2030年までに2013年度比で50%削減 |
2. 地域経済と地方創生を両立する「木質バイオマス循環」戦略
隠岐の島町の脱炭素戦略は、地域の主要資源である木材をエネルギーとして活用し、森林整備と経済の波及効果を連動させる独自の循環モデルが柱となっています。具体的な取り組みは以下の通りです。
2-1. 木質バイオマス発電事業による地域経済への波及効果
画像引用:KONOIKE|隠岐の島町における再生可能エネルギー事業の取り組み
町は、2024年11月から、民間企業(㈱鴻池組)との協働により、木質ペレットを活用したバイオマス発電事業を開始しています。
| 事業の核 | 内容 | |
|---|---|---|
| 原材料 | 町内林業事業体との連携による間伐材など未利用の木質バイオマス資源の地産地消。 | |
| 地域経済への貢献 | 産官の投資による経済への波及効果、雇用の拡大。 | |
| ペレット供給 | 年間約150tから年間約1,230tへ製造量が大幅増加し、安定した供給先を確保。地域課題(未利用材活用)の解決と地域振興への寄与。 | |
この事業は、過疎地や離島における地方創生や地産地消を目的とした、地域に根差した小規模分散型のエネルギー開発として推進されています。
2-2. 地域金融機関との連携による再エネ導入推進
町は、全国初の銀行100%出資の再エネ発電事業会社であるごうぎんエナジー㈱と連携し、公共施設への再エネ導入を推進しています。
- 取り組み: 町内初の太陽光PPA発電事業を町内公共施設で導入準備中。
- 状況: 2026年4月発電開始に向けて現在準備中。
3. 隠岐の島町の具体的な脱炭素への取り組み
隠岐の島町は、再生可能エネルギーの導入を多角的に進めるとともに、町の主要資源を活かした熱利用や啓発活動を通じて、全町的な脱炭素化を目指しています。以下ではより具体的な取り組みを見ていきましょう。
3-1. 事例①:住宅分野への再生可能エネルギー導入支援
町内の住宅を対象に、脱炭素設備の設置に対する補助制度を実施しています。
- 補助対象: 太陽光発電、蓄電池設備、木質バイオマス熱利用設備の設置。
3-2. 事例②:多角的な再生可能エネルギーの導入
画像引用:KONOIKE|隠岐の島町における再生可能エネルギー事業の取り組み
木質バイオマス発電のほか、地域の自然を活かした多様な再エネの導入を進めています。
- 木質バイオマス発電: 2024年11月より民間企業による発電が稼働中。
- 小水力発電: 町内の2施設で事業が進行中。
- 課題と対応: 事業採算性の確保が課題であるため、官民連携によりスキームの最適化を進めている。
3-3. 事例③:公共施設への木質バイオマス熱利用推進
森林整備の推進と未利用材の活用を目的として、公共施設への木質バイオマス熱利用設備の導入を進めています。
- 取り組み: 公共施設へのペレットボイラー、ペレットストーブの導入を推進。
- 効果: 森林の未利用材活用によるペレット製造を行うことで、森林整備を推進。
3-4. 事例④:バイオマス排熱の利活用に向けた検討
バイオマス発電事業で排出される熱エネルギーを有効活用することで、更なる地域経済の活性化と脱炭素効果を狙っています。
- 検討中の利活用: ハウス栽培、陸上養殖、バイオ炭の肥料や燃料としての活用。
3-5. その他の事例:地域一体となった意識醸成
画像引用:環境省|大山隠岐国立公園・隠岐の島町のゼロカーボンパークの登録について
町民の脱炭素への意識を高めるため、計画の進捗管理と情報公開に努めています。
- 脱炭素推進戦略会議: 年2回開催し、温暖化対策実行計画の進捗管理を実施。
- 意識啓発: 今後、会議の内容をHP等で公開することで、町民の意識啓発を促進。また、再エネに関する町民向けセミナーも随時開催。
4. まとめ
画像引用:隠岐の島旅|地域の記憶が息づく離島
隠岐の島町が推進するゼロカーボン戦略は、木質バイオマスと森林資源の有効活用を軸に、地域の再生可能エネルギーの導入を多角的に進める挑戦です。
木質バイオマス発電による間伐材の地産地消は、年間約1,230tのペレット製造量を確保し、林業振興と雇用の拡大に繋がるものです。また、ごうぎんエナジーとのPPA事業準備や、住宅への太陽光・蓄電池補助を通じて、エネルギーの地産地消と脱炭素化を加速させています。
これらの取り組みを通じて、隠岐の島町は地域経済の活性化と環境が調和する持続可能な未来の実現を目指しています。
監修

エコ発事務局 太陽光アドバイザー
曽山
『誠実、スピーディーな応対』をモットーに日々エコ発を運営しています。 お客様への応対だけでなく全国に数百ある提携業者様とのやり取りをはじめ、購入者様へのキャンペーン企画やウェブサイトの改善など、皆様のお役に立てるよう日々業務に取り組んでいます。 卒FIT後の太陽光発電の活用方法など、お困りごとがございましたら、お問い合わせにてお気軽にご相談下さい。
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