【三重県・度会町】小さな自治体の広域連携で実現する持続可能な未来
| カテゴリ:全国の脱炭素社会実現に向けた取り組み | タグ: ゼロカーボン, 三重県, 度会町, 脱炭素

1. 三重県度会町におけるゼロカーボンシティ宣言
三重県度会町は、伊勢神宮の清流として知られる宮川の恵みと、豊かな里山に抱かれた地域です。そんな地元の豊かな自然を未来へと持続させるため、度会町は2021年に近隣の多気町・明和町・大台町・大紀町・紀北町の5町と共に「ゼロカーボンシティ宣言」を行いました。
そのような中、度会町を主として、周辺5町が環境省「脱炭素先行地域」に三重県で初めて選定され、地域資源の活用と再生可能エネルギーの導入を両輪とした、地域活性化と脱炭素化の同時実現に向けた取り組みを進めます。
今回は、6町が連携して進める脱炭素の取り組みについて、度会町の方からお話しを伺いました。
2. 地域経済活性化と地方創生を両立する脱炭素戦略
画像提供:度会町
脱炭素への取り組みは、単に環境負荷を低減するだけでなく、度会町を含む6町が抱える地域課題の解決と地方創生に繋がる戦略的取り組みです。
2-1. 地域資源の有効活用と雇用創出
度会町・多気町の両町では、間伐材といった未利用の地域資源を活用したバイオマス発電所や食品残渣などを有効活用したバイオガス発電施設を検討します。これらは、治山やフードロスへの取り組みに寄与し、新たな産業と雇用の創出に寄与します。地域で安心して働ける環境を整備し、基幹産業である林業や農業の持続可能性を高めます。
2-2. 安心・安全な暮らしの実現:災害に強いまちづくりとインフラ整備
南海トラフ巨大地震への備えとして、災害に強く安心・安全に暮らせる環境構築が喫緊の課題です。脱炭素化の取り組みを通じて、災害時の電源確保を進めています。これにより、地域住民はもちろん、増加する観光客も安心して過ごせる環境を提供しています。
2-3. 関係人口・交流人口の獲得:脱炭素ツーリズムの推進
隣町の多気町にある年間約600万人が訪れる大型商業リゾート「VISON」との連携を強化し、6町全体への広域周遊観光を促進しています。具体的には、豊かな自然環境を活かしたアクティビティや農業体験、農泊といったエコツーリズムを推進し、脱炭素化に配慮した観光コンテンツを整備しています。
また、EVシェアリングなどの導入により、来訪者の移動手段の脱炭素化も図りながら、新たな関係人口・交流人口の獲得を目指しています。
3. 6町の具体的な脱炭素への取り組み
画像提供:度会町
度会町では、脱炭素社会の実現に向け、地域資源の活用や再生可能エネルギーの導入の検討を進めています。具体的な取り組みは以下のとおりです。
3-1.脱炭素先行地域の取り組みと地域新電力の設立
度会町では、公共施設へのPPA事業、遊休地への太陽光設備の導入、公共施設の省エネ化、公用車のEV化等を行っていきます。また、これらの取り組みのポイントとなる地域新電力「三重広域エネルギー株式会社」が令和7年9月に設立されたことを契機に、地域内の脱炭素化を加速させます。これにより、地域経済への貢献とエネルギーコストの削減が期待されます。
| 取り組み内容 | 目標・効果 |
|---|---|
| 地域新電力の設立 | エネルギー代金の地域内還流、電力製造原価の低減、事業収益の地域還元 |
3-2. EVシェアリングによる交通分野の脱炭素化
「VISON」からの広域周遊観光を促進するため、EVシェアリングの導入を進めています。度会町内での移動手段の確保と、観光客や地域住民の利便性向上を目指し、公共施設等にEVステーションの整備も計画されています。
3-3. 地域循環共生圏の実現に向けた取り組み
地域資源である間伐材や食品残渣のような未利用材を有効活用し、資源循環型社会の構築を目指しています。未利用材の活用による林業の活性化や、地域新電力の収益を活用した住民サービス向上など、エネルギー・雇用・資金の地域内循環を重視した取り組みが進められています。
4. 6町の脱炭素への挑戦:課題と未来への展望
度会町では、持続可能な社会の実現に向け、脱炭素化への挑戦を続けています。その道のりは、いくつか課題を抱えながらも、地域ならではの強みを活かし、未来への希望を灯しています。
4-1. 6町連携による広域連携モデルの構築
度会町を含む6町は、人口減少や高齢化といった共通の課題に直面しています。これらの課題を克服し、地域資源の有効活用と地域経済の活性化を目指すため、6町が連携した広域的な脱炭素モデルの構築を進めています。この連携は、中山間地域が抱える課題解決の糸口となることが期待されています。
4-2. デジタル田園都市国家構想との連携
脱炭素化の推進にあたり、度会町は「デジタル田園都市国家構想」との連携を深めています。データ連携基盤などのDX(デジタルトランスフォーメーション)サービスと、6町で設立する地域新電力会社によるGX(グリーントランスフォーメーション)サービスを融合させることで、既存の座組を活かすことで、単なる脱炭素化だけではなく、地方での生活の利便性の向上にも寄与していくことが期待できます。
5. まとめ
画像提供:度会町
度会町・多気町を中心とした脱炭素先行地域の取り組みは小さな自治体の広域連携によって脱炭素化と持続可能なまちづくりへの挑戦です。
最後に、この取り組みを推進する度会町担当者から、地域住民・地元企業の皆様へのメッセージをお届けします。
度会町を含む6町では、脱炭素先行地域への選定を目指し、3度の応募を経て、ようやく採択というスタートラインに立つことができました。この取り組みは、地域課題の解決策として脱炭素化の要素を加えたものであり、小規模自治体でも大きなことができるという証明を目指しています。脱炭素先行地域事業に取り組むことで小規模自治体の希望の光となり、脱炭素ドミノの起点となることを目指します。
監修

エコ発事務局 太陽光アドバイザー
曽山
『誠実、スピーディーな応対』をモットーに日々エコ発を運営しています。 お客様への応対だけでなく全国に数百ある提携業者様とのやり取りをはじめ、購入者様へのキャンペーン企画やウェブサイトの改善など、皆様のお役に立てるよう日々業務に取り組んでいます。 卒FIT後の太陽光発電の活用方法など、お困りごとがございましたら、お問い合わせにてお気軽にご相談下さい。
家庭用・産業用蓄電池の
無料一括見積もり













