【静岡県・富士市】「紙のまち」富士市が、富士山の恵みとともに市民・事業者・行政で実現する、ゼロカーボン工業都市 － 家庭用蓄電池の一括見積もり・価格比較サービス【エコ発蓄電池】

1. 富士市が目指す脱炭素社会の全体像

静岡県富士市は、雄大な富士山のもと、温暖な気候と豊富な地下水、森林資源に恵まれ、古くから「紙のまち」として発展を遂げてきた工業都市です。

富士市は、日常生活や事業活動における多くの資源とエネルギー消費が地球環境に負荷を与えていることを深く認識し、2021年4月にゼロカーボンシティ宣言を行いました。

目標達成に向けた概要は以下の通りです。

市が策定した「富士市ゼロカーボン戦略2050」では、特に以下の2つのプロジェクトに注力しています。

以下ではより具体的な市の脱炭素戦略や取り組みを紹介していきます。

2. 地域経済と地方創生を両立する脱炭素戦略

富士市では、地域独自の資源を活かした循環共生圏の構築と、地域ぐるみでの金融連携を軸に、産業発展と脱炭素を両立させる戦略を推進しています。具体的な取り組みは以下の通りです。

2-1. 「木質バイオマス」を活用した地域特性に合った脱炭素化

富士市の基幹産業であるパルプ・紙・紙加工品製造業は、工場の動力源として多くの化石燃料を消費します。これに対し、近年、木質バイオマスの利用が進んでおり、富士市の特性にあった地産地消の取り組みとなっています。

実際に2021年4月のゼロカーボンシティ宣言時点では、富士市の木質バイオマスを燃料とした発電設備の導入容量の合計量は全国第1位でした。

2-2. 地域ぐるみの金融連携による事業者支援

画像提供：富士市｜富士市ゼロカーボン金融連携協議会の様子

中小企業の脱炭素経営を推進するため、市は地域ぐるみの支援体制を構築しています。

また、この協議会主催で、大学教授による講演や再エネ電力のリバースオークションの紹介など、中小企業へ脱炭素の意識醸成を図る講演会も開催されています。

3. 富士市の具体的な脱炭素への取り組み：再エネと電化への集中

富士市は、戦略の主軸を再エネ（再生可能エネルギー）と電化に置き、市民・企業・公共施設の各部門で具体的な導入支援と啓発活動を進めています。具体的な取り組みは以下の通りです。

3-1. 住宅・企業への太陽光・省エネ設備導入支援

市民向け、中小企業者向けの両方で、太陽光発電設備の設置補助金を実施し、導入を推進しています。

3-2. 公共施設の脱炭素化と電力の地産地消

公共施設の脱炭素化を推進するため、市の施設への再生可能エネルギー導入と、市内産電力の活用を進めています。

3-3. 「ゼロカーボンチャレンジ」による全世代への啓発

画像提供：富士市｜ゼロカーボンチャレンジイベントの様子

画像引用：富士市｜こどもエコクラブ

市民の皆さんによる脱炭素化への積極的な挑戦を「ゼロカーボンチャレンジ」として応援し、ライフスタイルの転換を促進しています。

• ゼロカーボンチャレンジイベント: ゼロカーボンにまつわる様々な体験ができるイベントを開催し、全世代を対象とした啓発を行う。
• デコ活PR動画コンテスト: 市内高校生に「デコ活」をテーマとしたPR動画制作を依頼し、その入賞作品を市ウェブサイトやイベントで配信。
• こどもエコクラブ: 「こどもエコクラブ」の積極的な活動の呼びかけや、クラブ間の交流会を実施。

3-4. 森林資源の保全と水循環共生圏の構築

豊富な森林資源と水資源を基盤とする富士市ならではの、環境保全の取り組みを推進しています。

• 富士・愛鷹山麓地域森林機能維持向上制度: 開発事業者からの負担金や、新規植林・樹種転換（針葉樹から広葉樹）への補助・協力金交付を通じて、森林機能の保全を図る。
• ふじ・水循環共生圏2030: 豊かな水資源の循環を将来に渡って維持し、水資源の保全、産業の発展、生物多様性の保全を同時に実現するまちを目指し、市民・事業者・市が協働で推進。

4. まとめ

画像提供：富士市

富士市が掲げる脱炭素戦略は、金融連携による事業者支援といった地域特性を活かしたものです。太陽光発電や高効率給湯器への補助を積極的に行い、市民・事業者・行政が相互に連携して「富士山の恵み」を次世代へ継承する持続可能な社会を目指しています。

最後に、この取り組みを推進する富士市担当者からの、地域住民・地元企業の皆様へのメッセージをお届けします。