【北海道・木古内町】風と太陽の恵みでエネルギー自立へ！地域特性を活かすゼロカーボン戦略 － 家庭用蓄電池の一括見積もり・価格比較サービス【エコ発蓄電池】

1. 木古内町におけるゼロカーボン宣言

北海道南西部に位置する木古内町は、津軽海峡に面し、豊かな海と山に囲まれた自然資源の豊富な地域です。町は、観測史上ワーストとなる記録的な短時間豪雨の発生や、海水温の変化による漁獲高への影響など、気候変動が住民生活と産業に大きな影響を与えていることを強く感じています。

そのような実態を受け、町は令和4年度末に地方公共団体実行計画を兼ねる「木古内町地域脱炭素将来ビジョン」を策定し、令和5年6月にゼロカーボンシティ宣言を行いました。

目標達成に向けた概要は以下の通りです。

2. 地域経済活性化と地方創生を両立する脱炭素戦略

木古内町の脱炭素戦略は、地域経済の活性化と人口減少対策にも寄与させることを目的としています。特に、再生可能エネルギーの適地という強みを最大限に活かした経済循環の創出を目指しています。具体的な取り組みは以下の通りです。

2-1. 再生可能エネルギー導入による新たな事業と雇用創出

写真提供：木古内町

木古内町は、太陽光発電と風力発電の適地となっており、その導入が地域経済に新たな事業創出の機会をもたらすと期待しています。

特に、風力発電は数十億円規模の事業費となる建設を通じて、建設作業員の宿泊・飲食の受け入れや、完成後のメンテナンスといった新たな事業と雇用を生み出す経済効果があります。さらに、太陽光発電施設の導入は、人口減少に伴い増加傾向にある空地の有効利用にもつながります。

2-2. 家庭向け支援策における町内資金循環の促進

家庭向けの省エネ家電補助金事業では、単なる省エネ推進に留まらず、町外の店舗で家電を購入した場合、補助上限額が半額になるように設定されており、これにより、町内事業者の販売を促進し、地域内での資金循環を図ることを目指しています。

3. 木古内町の具体的な脱炭素への取り組み：再エネ導入と意識改革

木古内町は、再エネ導入のポテンシャルが高い一方で、地域住民の不安解消と合意形成を重視しています。

3-1. 事例①：再エネ導入推進と住民との信頼関係構築

写真提供：木古内町

木古内町は、太陽光発電と風力発電の適地となっており、現在民間事業者により導入が進められています。これらの再生可能エネルギー導入は、地域経済に新たな機会をもたらすと期待されていますが、施設周辺の環境保全に関して課題を抱えています。

特に、太陽光発電施設については、所有者や管理者が近くにいないことで、施設周辺の雑草や冬場の風雪への対応など、近隣住民から不安の声が聞かれています。この住民の不安解消と迅速な課題解決のため、町は設置に関して条例を制定し届け出制にしています。

これにより、あらかじめ連絡先などを町が把握できるため、住民から相談があった際にすぐに連絡できる体制を確立し、住民の理解を得るよう努めています

3-2. 事例②：住民への普及啓発と行動変容の促し

排出の多い民生（家庭）分野への対策として、町は啓発活動を通じて、住民に無理のない範囲での環境配慮を求めています。

基本方針: 日ごろの意識を変えることでご家庭でも取り組むことができるので、ご無理のない範囲で、環境に配慮した生活を心がける。
対象: ゼロカーボンはSDG’sと同様に世界全体で取り組む必要がある課題であり、全住民が対象。

4. 木古内町の脱炭素への挑戦：展望と未来への協働

写真提供：木古内町

木古内町は、数万世帯分の電力が発電されるポテンシャルを持つ地域です。このエネルギー資源を地域に最大限に還元し、持続可能なまちづくりを推進していく方針です。

特に、風力発電所の運転が始まれば、町内2000世帯の使用量を大きく上回る数万世帯分の電力が町内で発電されることとなります。

市は今後第三セクターのような自治体も関与した地域電力を立ち上げることを事業者と協議のうえ検討しており、町内で消費される電力をすべて買い取って地域内の住民に売電する仕組みを作ることを目指しています。

5. まとめ

写真提供：木古内町

木古内町が推進するゼロカーボン戦略は、風力・太陽光の適地という地域資源を最大限に活かし、地域外への資金流出を防ぐ経済循環モデルです。

家庭向けの省エネ家電補助を町内店舗の販売促進と連携させる工夫や、EV・デマンドバスの導入検討を通じて、高齢化という地域課題を脱炭素の視点から解決しようとしています。これらの取り組みを通じて、町はエネルギーの完全循環と、持続的な発展を目指しています。

最後に、この取り組みを推進する木古内町担当の方から、地域住民・地元企業の皆様へのメッセージをお届けします。