災害時の蓄電池のメリットや活用事例【停電中も電気が使える!】
公開日:2019/08/19 | | カテゴリ:蓄電池と災害・停電・BCP対策について

近年増えてきた災害時の停電リスクへの対策として、今注目されている「家庭用蓄電池」を設置することでどんなメリットがあるのか、またその活用方法について詳しくみていきましょう。
- 災害時による停電時には4つの使える自家発電システムがある。(蓄電池含む)
- 4kWh以上の蓄電池があれば、停電しても充電していれば24時間はしのげる
- 太陽光発電と蓄電池の併用なら停電が数日続いても安心!
目次
災害時に備えて蓄電池を導入する家庭が急増中!
家庭用蓄電池が注目を浴びるきっかけとなったのは、2011年に発生した東日本大震災でした。
国も本格的に家庭内における蓄電池の導入に本腰を入れ、その翌年の2012年から補助金が交付されるようになり、当時の災害への不安も相まって、災害時の非常用電源として導入する家庭が増加しました。
東日本大震災以降も、2016年の熊本地震や2024年1月の石川県能登半島地震など大きな地震がたびたび発生し、今年に至っては南海トラフ巨大地震臨時情報が初めて発令された日向灘地震やその数日後に起きた関東地方での度重なる地震があとを絶ちません。
地震大国である日本において、地震などの災害時への備えとして、家庭用蓄電池を導入する家庭が増えるのは当然のことです。
2025年における蓄電池の市場規模
2025年の蓄電池の市場規模は約4,935億円となると想定されており、数年前と比較すると倍以上の普及の目処があると報告されています。
更に、そのうちの約7割を住宅用・業務用の蓄電池需要が占め、特に戸建ての家庭用蓄電池の需要が伸びると予想されているのです。
戸建てにおける蓄電池の需要増は国が普及を進めている、創るエネルギーと使うエネルギーの合計を0に近づける「ZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)」住宅、通称ゼッチ住宅において、ZEH対象機器として蓄電池の補助金が交付されていることも関係していると考えられるでしょう。
既築の住宅でも蓄電池の取り付け時に利用可能なDR補助金なども毎年のように交付され、地方自治体の独自の補助金と組み合わせると大幅に費用を削減出来ることから、導入の敷居が低くなっているのも理由のひとつです。
蓄電池の価格自体は市場の動向から近年はあまり低下していませんが、停電対策や電気代削減においての蓄電池の役割を考慮して、需要が伸びているというわけです。

【災害による被害例】2024年に発生した石川県能登半島地震
2024年1月1日午後16時ごろに能登半島沖で最大震度7という最大クラスの大地震が発生したことは記憶に新しいと思います。
正月ということもあり帰省している方も非常に多く、住宅被害は全壊が8,361棟で半壊や一部破損を合わせると8,6000棟もの住居が被害を受けています。
石川県だけで死者は245人にものぼり、これは2011年に発生した東日本大震災や2017年の熊本地震以来となる未曾有の事態と言えます。
停電は最大で4万500戸の住宅に発生しましたが、過去の災害と比較すると熊本地震は5日目には完全復旧し、東日本大震災も6%程度まで下がっていたにも関わらず、時期やその土地の特徴からなかなか修復にいけず、5日目でも半分近くの住宅でいまだ停電をしていたという事態になっていました。
当時の停電状況
2日夜、大規模火災など大きな地震被害を受けた石川県輪島市に入った記者からの動画です。
— 中日新聞 (@chunichi_denhen) January 2, 2024
【能登半島地震・被災地の様子】「輪島朝市」周辺で200棟焼ける 一夜明け、被害実態が明らかに:中日新聞Web https://t.co/ZtOhM5vr4p pic.twitter.com/D82phs5aae
石川県の停電戸数は35600戸に増加。 https://t.co/bJnZlmvlt1 pic.twitter.com/fRHlMukpNk
— 松尾 豪 Go Matsuo (@gomatsuo) January 1, 2024
地震の影響で能登地方で停電
— こてつ先生|ニュース解説・英語学習 (@kotetsu_sense) January 21, 2024
・石川県の能登地方で5400戸が停電
・輪島市で3000戸、珠洲市で2100戸、能登町で190戸
・穴水町で80戸、七尾市と志賀町で10戸 pic.twitter.com/OpErScEaJy
日本に住んでいる限り災害は「他人事」ではない!
大きな災害により停電が発生してしまった場合、その停電の復旧までに1週間以上を要することも多いです。
そして停電が発生する地域も全国に及んでおり、もはや日本に住んでいる限りはどこにいても停電を引き起こす災害が発生してもおかしくないと言えるでしょう。
3大ライフラインで最も復旧が早いと言われている電力ですら、石川県の能登半島地震ではかなりの時間がかかりました。
夏場にクーラーが使えないとなると、熱中症などを発症してしまうリスクも増えてきます。いつでも電力が使えるという状況を作りだすことが肝心です。
停電時に使える4つの自家発電システム
上記では災害時に起こった停電リスクについてお話しました。この項目では、停電時に使える自家発電システムについて簡単に紹介していきたいと思います。
太陽光発電システム
建物の屋根や広い土地にパネルが置かれているのを見たことがあるという人は多いと思います。このパネルに太陽光を集めて電気を作るというシステムです。
既に太陽光発電を設置しているという方も多いと思いますが、現在は太陽光発電で発電し、自宅で使い、余った電力を売電していたという人は多いでしょう。
太陽光発電が通常通り稼働できるのは太陽が出ているときが基本で、雨が降っていたり曇っていたりする場合でも発電できないことはありませんが、発電量は少ないですし、そもそも夜間は発電できないのがデメリットとなります。
現在では太陽光発電で発電した電気を「蓄電池」に貯めて使うという方法が主流となっています。
燃料電池(エコキュート)
「エネファーム」と聞けばピンと来る方もいるかも知れませんね。
ガスが使用できるという条件はありますが、都市ガスやLPガスから取り出した水素と空気中の酸素を化学反応させて電気を作り出します。
更に、発電の際に発生した熱を活用してお湯を沸かして給湯に利用することが可能です。
エンジン式発電機
名前の通り、ガソリンなどを燃料としてエンジンを回して発電する機器のことで、発電量が1000VA(ボルトアンペア)を超えるものもありますので、テレビや冷蔵庫などの家電も稼働させることもできます。
しかし、燃料がなくなれば使用できなくなり、環境問題や騒音も出るので近所迷惑になる可能性もあるので、注意が必要です。
手動式発電機
小型の懐中電灯などに取り入れられているもので、手や足でハンドルやペダルを回して発電することができます。
人力で稼働するので燃料がいらないという利点はありますが、停電時の電力を賄うには発電量が少ないので注意が必要です。
手動式発電機は懐中電灯の他に、携帯電話の充電やラジオなどの小型電気製品の充電用といったものが中心になります。
災害時に蓄電池が活躍した事例
上記では2024年に発生した災害と停電被害を振り返ったところで、ここからはそういった災害に対して蓄電池がどのような役割を果たしたかについて、SNSへの投稿からご紹介していきます。
停電だー
— さくら (@2skr6) August 8, 2024
でも蓄電池のおかげで
すぐ電気復旧するから
この家最高\(^o^)/
2時間くらい停電した埼玉の民でしたが蓄電池のおかげで普通に過ごせた……ありがとう蓄電池……
— YuiYuka@valefor (@yuyui_valefor) August 7, 2024
停電中…蓄電池のおかげでリビングだけ電気ついてます
— MARO (@maro_69silco) May 8, 2024
一方で『蓄電池は高いし必要ない』などと思われている方も大勢いらっしゃいます。ですが、SNSのコメントにあるように、自身が災害に遭遇して、そこで初めて蓄電池の有難みを感じる方がいらっしゃるのも事実です。命を守るために早め早めの対策を打っておきたいですね。
災害時(停電時)に蓄電池でカバーできる家電は?
上記でご紹介したSNSの投稿から、災害時に蓄電池が活躍できることが分かったと思います。
とはいえ、どの家電でも使えるかどうか気になると言う方も多いでしょう。どの家電でも使えるかどうかと言われれば使えるというのが答えです。
とは言え、家庭の全ての家電が使えるわけではありません。ここからは災害時(停電時)に蓄電池が動かせる家電の数や稼働時間について、詳しくご紹介していきます。
蓄電池で重要な「容量」と「出力」
はじめに、蓄電池にとって重要な要素となる「容量」と「出力」について見ていきましょう。
家電を動かせる時間を決める「容量」
家電を動かせる時間を決めているのが、蓄電池の「容量」です。蓄電池はそれぞれ「容量」が決まっており、「kWh」という単位で表されます。
例えば4kWh(4000Wh)の蓄電池であれば、消費電力40WのLED電球なら100時間、消費電力400Wの4Kテレビなら10時間動かせることになります。
同時に家電を動かせる数を決める「出力」
蓄電池に接続して動かすことができる家電の数を決めているのが、「出力」です。出力も蓄電池によって様々。
容量4kWh程度の蓄電池なら1.5kW(1500W)、容量が大きい12kWhの蓄電池なら5.9kW(5900W)という具合に、容量によって分かれています。
仮に1.5kW(1500W)の蓄電池を導入した場合、出力750Wのエアコンと、出力100Wの照明やパソコン、出力200Wの冷蔵庫など、1500Wの範囲内で家電を接続することができます。
停電時に1日で消費する電力はおよそ「4kWh」前後
災害などで停電が発生した場合、停電時に1日で消費する電力はおよそ4kWh前後になるでしょう。
使用すると仮定した家電には冷蔵庫など24時間使用しているものも含まれており、情報収集用にパソコンやテレビも含んでいます。
以下、停電中に使用すると仮定した家電の内訳です。
- 冷蔵庫(年間292kWh):800W(24時間使用)
- 携帯充電器(15W):60W(4時間使用)
- テレビ(150W):450W(3時間使用)
- パソコン(100W):500W(5時間使用)
- LED電球照明(40W×2部屋分):400W(5時間使用)
- 炊飯器(150Wh)150Wh(1回あたり)
- エアコン(500W):1500W(3時間使用)
- 合計:3860W(3.86kW)
※エアコンの消費電力は実際は一定ではなく、稼働直後など条件で変動します。
※家電ごとの消費電力は目安です。機種や使用条件などに寄って異なります。
もちろん、工夫次第で消費電力はもと抑えることができると思いますので、上記の消費電力量はあくまでも目安としてお考えください。
使用に耐えうる蓄電池は容量4kWh以上
上記のシミュレーションから、実際の災害による停電時に蓄電池で家電を動かそうと思った場合、最低でも「4kWh」以上の蓄電池があれば、少なくとも24時間はしのげるということが分かりました。
ということは、8kWhの蓄電池なら2日、12kWhの蓄電池なら3日、停電時でも電力供給無しでしのげるということになります。
なお、実際に蓄電池を購入する際には、同時に動かせる数を決める「出力」も気にしながら選ぶようにしましょう。
エアコンやIHを利用する場合は電圧も確認しておく
蓄電池は基本的にどの家電でも使えるようにはなっていますが、エアコンやIHを使うときは気をつけなければなりません。
なぜならこれらは電圧が200Vあるためです。他の家電は100Vであることがほとんどですので、蓄電池も100Vにしか対応していないという場合もあります。
蓄電池が200Vに対応していないという場合はその家電が使えない可能性もあるので、確認するようご注意ください。
停電時に蓄電池で家電を使用する手順
ここでは災害などによる停電時に、実際にどうやって蓄電池を使用して家電を動かすのかをご説明しましょう。
蓄電池には「全負荷型」と「特定負荷型」の2種類があり、それぞれ家電を動かす手順が異なります。
家全体の電気をバックアップしてくれる「全負荷型」蓄電池
「全負荷型」の蓄電池の場合、停電が発生すると瞬時に蓄電池からの電力供給に切り替わるため、普段とほとんど変わらずにそのまま家電を使用し続けることが可能です。
災害に備えるために蓄電池を導入するのであれば、この「全負荷型」がおすすめとなっています。
電力を供給するエリアをあらかじめ選んでおく「特定負荷型」蓄電池
「特定負荷型」の蓄電池は、停電が発生するとあらかじめ選んでおいたエリア(部屋)は引き続き家電が使えますが、それ以外の部屋では電気が使用できなくなります。
例えば、一階のリビングのみ電気が供給されるように設定してある場合、一階のリビング以外の部屋の家電は使用することができません。
あまり容量が大きくない蓄電池はこの「特定負荷型」の場合が多いので、購入予算などと相談しながらどちらの蓄電池にするか選ぶのが良いと思います。
自立運転が自動切り替えになっているか確認しておこう
いざ蓄電池を購入して、設置したけどいざという時に操作方法が分からずに結局役に立たなかったということになる可能性もあるので注意が必要です。
蓄電池は出荷時には自立運転が手動になっているため、施工業者が自動切り替えにしていなかった場合、自分で設定しなければなりません。
ほとんどの施工業者が自立運転を自動で切り替えしているでしょうから、特に問題はないと思います。
既に設置しているという方は取扱説明書などを確認して、自立運転が自動切り替えになっているかどうかを確認しておくか、施工業者に確認を取ってみると良いでしょう。
災害時は太陽光発電と蓄電池の併用がベスト

上記で、停電時に1日(24時間)で消費する電力はおよそ4kWh(4000Wh)であることをご紹介しました。
8kWhや12kWhなど容量が大きな蓄電池であれば、2~3日程度しのぐことはできますが、やはり限界はあります。
最初にご紹介した通り、災害によっては1~2週間も停電が続くときがありますので、蓄電池の電力残量が切れたら電気が使用できない状態になってしまうのです。
そんなときに太陽光発電が設置されていれば、1~2週間でも電気を使い続けることができます。
太陽戸発電は太陽光から電気を創り出しますので、晴れている日の昼間の電気は、太陽光発電で賄うことが可能です。
そして、使用しきれなかった電気は蓄電池に貯めておくことで、夜間の間は蓄電池の電気を使用することができます。
これによって、蓄電池が故障したり天候が悪化しない限りは、停電時でも長期間に渡って電力を使用し続けることが可能です。
※本当に災害時に備えようと思っている方は、経済的なメリットも期待できる太陽光発電も同時に設置することをおすすめします。
太陽光発電と併用する際の蓄電池の選び方
太陽光発電と併用して蓄電池を選ぶという際に気をつけなければならないことがあります。
それが、太陽光発電と蓄電池のメーカーは揃えると良いということ。もちろん、必ずしもそうしなければならないというわけではありません。
蓄電池が設置済みの太陽光発電メーカーに対応していれば問題ありませんし、蓄電池の専門メーカーもあるので施工業者と相談しながら決めましょう。
とは言え、太陽光発電と蓄電池のメーカーが異なる場合には「メーカー保証」と「動作の最適性」と「アフターサービス」に注意してください。
メーカーによっては、自社製品との組み合わせでないと保証がつかないという可能性もあり、故障した場合に修理費などを自費で負担しなければならないことも考えておきましょう。
また太陽光発電と蓄電池のメーカーが異なる場合は正常に動作しない可能性もあり、蓄電池の劣化が普段より早く進んでしまう可能性もあるので、注意が必要です。
アフターサービスはその名の通りで、太陽光発電と蓄電池を設置した場合に双方のメーカーで情報連携をしながらアフターケアをしてくれるかどうかまで確認してみてください。
V2Hを利用するのもおすすめ

またV2Hと併用するのもおすすめです。V2Hとは電気自動車に搭載されている蓄電池の電力を、家庭内でも利用できるようにするシステムのことを指します。
電気自動車に搭載されている蓄電池の容量は一般的な家庭用蓄電池よりも大きくなっているので、より長い時間家庭の電力を賄うことが可能です。
また電気自動車は災害時でも、停電していない地域に行って、充電することもできるので、電気自動車の電気がなくなりそうになっても問題ありません。
もちろん、電気自動車を利用するにもメリットとデメリットがあるので、しっかりと理解して使うようにしましょう。
蓄電池があれば災害時にも安心
日本ではここ数年、異常気象や地震の多発により災害の危機がこれまで以上に高まっており、こうした中で、災害による停電が発生しても電気を使うことができる家庭用蓄電池が注目され、その需要を伸ばしています。
実際に蓄電池を導入された方々の中にも、「災害に見舞われて停電した際に助かった」と言った声が多く見られます。
これからも家族で安心して生活していくために、蓄電池は21世紀の必須アイテムといえます。
監修

エコ発事務局 太陽光アドバイザー
曽山
『誠実、スピーディーな応対』をモットーに日々エコ発を運営しています。 お客様への応対だけでなく全国に数百ある提携業者様とのやり取りをはじめ、購入者様へのキャンペーン企画やウェブサイトの改善など、皆様のお役に立てるよう日々業務に取り組んでいます。 卒FIT後の太陽光発電の活用方法など、お困りごとがございましたら、お問い合わせにてお気軽にご相談下さい。
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