蓄電池を導入するのは損なの?必要性は?
公開日:2019/11/22 | 最終更新日:2023/05/20 | カテゴリ:蓄電池のお役立ち記事

現在卒FITなどの2019年問題があり、太陽光発電に加えて蓄電池にも注目が集まっています。
とは言え、蓄電池は高価なものですので蓄電池を導入しても儲からない、損にしかならないと言われているのも事実です。
確かに電気代を節約するという点では蓄電池代と電気代はトントンになってしまうかもしれませんが、本当に蓄電池の導入は損になるのでしょうか?
今回の記事では蓄電池の設置によって、得をする家庭や損をする家庭、またその必要性について詳しく紹介していきます。
それでは今回の記事のポイントです。
- 蓄電池で得をするのは太陽光発電と同時設置
- 蓄電池で損をするのは設置後に雑に利用してしまう家庭
- アフターフォローや保証年数も大事
目次
蓄電池は注目を集め続けている
近年蓄電池は注目を集めていますが、その理由について知りたいという方は多いと思いますがいくつか理由があります。
まずは電気代が安くなるという点。太陽光発電と蓄電池を同時に導入すれば、自家発電で電気が使えるだけでなく、電力会社の料金プランで夜間の電気料金が安くなるというプランも利用できるようになるのです。
そうなると太陽光発電を導入している人は蓄電池も導入しようかと考える人も出てきますよね。
それだけでなく、太陽光発電を導入している人の中には2019年問題で売電が終了してしまう人もいるかも知れません。
そうなると今まで固定されていた売電価格が値下がりしてしまい、太陽光発電だけで儲けるのは難しくなってしまうので、蓄電池を導入して自家消費をしようと蓄電池に注目が集まったのでしょう。
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また近年日本は災害が多く、北海道地震や豪雨などで長期間の停電が起きましたね。その中でも早くに蓄電池を導入していたという家庭では必要最低限ではありますが、電気が使えたという報告もあります。
電気がないと不便ですので、やはり必要最低限だけでも電気が使えるようにと蓄電池に注目が集まるのも納得です。
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蓄電池を導入しても元は取れないって本当?

上記のように注目を集めている蓄電池ですが、高額ということもあり、蓄電池を導入しても元は取れない、損をすると言われています。
蓄電池を導入するには補助金を使っても100万円以上の費用がかかることが多いです。しかも蓄電池は10年~15年ほどで寿命を迎えます。
そうすると、100万円の蓄電池を10年使った場合は、1年あたり10万円、1ヶ月あたり8500円ほどの費用がかかる計算となりますが、1ヶ月の電気代が減るのはせいぜい2000円~3000円程度。
15年使えたとしても1ヶ月当たり5500円ほどの費用がかかるので、これでも蓄電池を導入した時の費用の方が高く、初期費用を回収するのは難しいかもしれません。
ただし、各ご家庭の電気消費量や蓄電池を賢く使うことによって元が取れる可能性はあります。
※これはあくまで2022年現在の電気代から上がらないと仮定した場合なので、再エネ賦課金が年々高くなってきている状況を踏まえると、今では回収が出来る可能性は高まっていると言えます。

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蓄電池を導入すると得な家庭とは?

とは言え、蓄電池を導入するメリットがないかと言われればそうではありません。蓄電池を導入することで、格段に便利な生活を送れるようになるという家庭もあるのです。
ここではその条件である家庭について記載していくので、参考にしてください。
オール電化で太陽光発電+蓄電池を導入しようという家庭
家庭用蓄電池に興味を持っているという方の多くが、既に太陽光発電を導入しているという人でしょう。実際に蓄電池は太陽光発電と併用して利用するのがおすすめ。
太陽光発電と蓄電池を併用しようと考えている方には「シングル発電」と「ダブル発電」の2つの使い方があります。
シングル発電とは
シングル発電とはその名の通り、太陽光発電と蓄電池の2つの発電機を同時に使うことができない状態のことです。
シングル発電の場合、太陽光が稼働していない時間帯には蓄電池の電気を使い、電力会社からの購入料を蓄電分減らすことができます。
そのため朝晩時間と夜間時間の単価の差額に蓄電容量をかけた金額が電気代の節約になるのです。
実際に7kWhの蓄電池を導入した場合の料金を計算してみると、東京電力のスマートライフSプランで年間20000円程度の節約効果があります。
ダブル発電とは
ダブル発電とはその名の通り、太陽光発電と蓄電池の2つの発電機を同時に使える状態のことです。
ダブル発電では太陽光が稼働していて単価の高い昼間に蓄電池の電気も使うことができるため、太陽光発電の売電量を増やすことができます。
しかし売電価格が下がってしまうため、節約はあまり期待できるわけではありません。
実際に7kWhの蓄電池を導入し、13kWhの太陽光発電システムを導入し、5kWh売電した場合の料金を計算してみると、年間13000円程度の節約効果となります。
オール電化で蓄電池のみを導入しようという家庭
オール電化の家庭で太陽光発電を使わず、蓄電池のみを導入する場合は電気代の安い夜間に充電し、昼間に蓄電池を利用することで、その差額が節約分になります。
太陽光発電と併用すると、電気代が最も高い日中の節約効果が太陽光発電の機能に相殺されてしまうのですが、蓄電池単体の場合は節約効果がダイレクトに反映されるため、電気代の節約効果が高くなるのです。
しかも太陽光発電のように天候に左右されず、安定的に毎日蓄電池の電気を使えるのもメリットとなるでしょう。
実際に7kWhの蓄電池を導入した場合の料金を計算してみると、年間20000円程度の節約効果があります。
オール電化ではないが蓄電池を導入しようという家庭
オール電化ではないけど、蓄電池を導入したいと考えている方には朗報かもしれませんね。実は節約効果としてはこの方法が最も高いと言われています。
オール電化ではない場合は割引がないため、日中と夜間の電気代の差分が最も大きくなるのです。
実際に7kWhの蓄電池を導入した場合の料金を計算してみると、年間30000円程度の節約効果が見込めます。さらに複数業者から見積もりを取って、最安値で蓄電池が導入できたら最高ですね。最安値で蓄電池を設置するには相見積もりが必須です。

蓄電池を導入すると損な家庭とは?
まず大前提として、何をもって損をしたと捉えるかでしょう。蓄電池の設置を行う場合、当然設置費用というのがかかってきます。
この設置費用に見合うだけの恩恵を受けることが出来るかというのが一般的な蓄電池設置における損得勘定の目安となるのではないでしょうか。
上述している通り、蓄電池を設置することで電気料金を抑えることが出来ますが、10年~15年の保証期間内に導入コストを回収するというのは、蓄電池の性能をフルに発揮しなければ難しいと言えます。
ただし、相見積もりなどを行い、設置費用を出来るだけ抑えた上で、国の補助金や地方自治体の補助金を最大限有効活用した場合は導入費用の回収も可と言えます。
停電時には素晴らしい活躍をしてくれますが、年に数回もない停電時での活躍よりも、普段使いでの活躍というのを期待して蓄電池を購入する方が多いわけです。
あくまで導入コストだけの回収ということに限れば、補助金を利用しない、設置した後の蓄電池の使い方が雑、こういったご家庭は基本的には損をしてしまうと言えます。
蓄電池と太陽光発電を同時設置しない
蓄電池を単体設置する場合であっても、上述しているような夜間に電気料金が安くなるプランを契約して、その時間帯に蓄電池に電気を溜めてそれを日中に使用するという運用を行えば、電力会社によっては日中の半額以下の電力単価となっているので、蓄電池の設置にかかった費用を回収することが以前なら出来ました。
2022年以降に蓄電池を単体設置してしまうと損をしてしまう可能性が高いです。
なぜなら、ほとんどの電力会社が夜の電気代が安く、昼の電気代が高く設定された電力プランの新規加入の受付を停止したり、今後終了予定であることを示唆したりしているからです。
また、終了予定である電力プランであっても、すぐに契約してしまえばその電力プランを引き続き利用出来ますが、実は電気料金の高騰により、そのプラン内でも大幅な値上げがされ続けています。
電力大手10社が2022年の10月の電気料金を発表しましたが、中部電力以外は値上げをしていません。ただ、他の9社は電気料金が高騰しすぎないよう設けられている上限額にすでに達していて、今回の発表で大手電力10社すべてが上限に達したことになります。
電気料金のプランによっては上限が設定されていなかったり、各社の判断で上限を撤廃できたりするので、間違いなく今後も電気料金の値上げが続きます。
つまり、そもそも電気を購入しなくて済むような運用方法が必要であり、蓄電池を単独で設置する場合では、電気料金の高騰によりその恩恵は少なく、蓄電池と太陽光発電を同時設置した場合と比較して損をしてしまうでしょう。

蓄電池のメリット・デメリット理解して導入を検討しよう

蓄電池は儲からないとは言いますが、導入するだけで年間数万円の節約が可能ですし、ダブル発電の場合は蓄電池に充電する分を太陽光発電で賄うことができればより多くの節約効果も見込めるかもしれません。
蓄電池を導入する際にはメリットもデメリットもありますので、メリットとデメリットをしっかりと比較して、導入するかどうかを検討するようにしてください。
蓄電池を導入する際のメリットとデメリットは以下の通りです。
- 電気料金の削減効果
- 災害時等の停電でも電気を使用できる
- 太陽光発電との併用で効果アップ
- 電力不足の社会問題解決に貢献できる
- 購入価格が高額
- 設置スペースの確保が必要
- 経年劣化する
もっと詳しく知りたいという方は以下のページに詳細を記載しているので、参考にしてください。
蓄電池を導入する時の注意点
蓄電池を導入したいと考えている方は以下の注意点を見て、慎重に導入するようにしましょう。
見積りをして安くて質の良い業者を探す
蓄電池を導入したいからすぐに近くの施工業者に行く、という人もいるかもしれませんが、それはおすすめできません。
なぜなら、蓄電池は工事しなければ設置することができず、家に施工することになるので、安定した確実な施工ができる業者に依頼すると良いでしょう。
アフターフォローが万全な業者
蓄電池や太陽光発電は10年~15年ほどずっと家に設置されるものです。長い付き合いになるため、思わぬ故障やトラブルもあるかもしれません。
そうなった時に保証などがされていないと、修理費や交換費用を自費で負担しなければならなくなります。
基本的にほとんどの業者がアフターフォローもしっかりしてしている、と謳っていはいますが内容もしっかりと精査しましょう。
点検などをちゃんと行ってくれるか、保証期間内であれば無料で修理・交換をしてくれるかなどしっかりと確認する必要があります。
補助金等の申請やその他のサポートをしてくれる
太陽光発電や蓄電池を設置する際には、国や電力会社への申請が必要です。
また購入する際には補助金が出る場合もありますが、個人で申請すると多くの手順が必要になり、慣れていない場合は手間取ってしまうかもしれません。
しかも補助金は年度が変わるとルールが変わる可能性もあるので、しっかりとサポートをしてくれる業者に依頼しましょう。
そのためにも一度見積りをするのもおすすめ。当サイトでも最大5社の見積りを無料で行っているので、ぜひご利用ください。
節電や災害時の備えとしては蓄電池はおすすめ!
そもそも、導入部分が投資目的が多かった太陽光発電と比べて、蓄電池に関しては節電や災害対策の意味合いが強く、自家消費で設置をすることを大前提としているので損得勘定で判断するのは間違っています。
例えば同じような価格帯のもので例を出すと、車というのは必要不可欠だと言う方もいれば、そうでない方もいるでしょう。結局自分が必要とするかどうかで購入を決めるはずです。150万円の車を購入する場合と、車を購入せずに公共の交通機関を利用する場合に係る金額を比較して損するか得するかを判断しますか?しないでしょう。
蓄電池に関しても全く同じことが言えます。電気をそんなに使わないご家庭、災害があまり起こらず停電が発生しにくい地域に住んでいる方には必要のないものかもしれません。必要とする方は得をする、そうでない方は損をする…蓄電池はそういったものなのです。
一般的には太陽光発電を使って売電したり、蓄電池の値段分の電気代を節約しようと思うと現状は難しいかもしれません。
しかし、少しでも節電はできますし、何より災害などで停電したときにも電気が使えるのは安心します。
特に近年の日本は災害が多く、地震や豪雨などの災害で停電したという話は多くあるので、災害に備えるという意味でも蓄電池の導入は検討しても良いかもしれません。
災害はいつ起きてもおかしくありませんから、停電に備えるという意味では蓄電池は心強いですね。
監修

エコ発事務局 太陽光アドバイザー
曽山
『誠実、スピーディーな応対』をモットーに日々エコ発を運営しています。 お客様への応対だけでなく全国に数百ある提携業者様とのやり取りをはじめ、購入者様へのキャンペーン企画やウェブサイトの改善など、皆様のお役に立てるよう日々業務に取り組んでいます。 卒FIT後の太陽光発電の活用方法など、お困りごとがございましたら、お問い合わせにてお気軽にご相談下さい。
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