損しないシャープ蓄電池の選び方|2025年の価格相場と注意点
公開日:2021/06/16 | | カテゴリ:各メーカーごとの蓄電池に関して

今回はシャープの蓄電池システムを紹介していきます。
太陽光発電では国内出荷量ナンバー1メーカーとして、パイオニア的存在であるシャープの、蓄電池システムを掘り下げていきます。
- 全5種類の容量から選ぶことができる
- 太陽光発電で発電した電気の有効活用=自家消費を、蓄電池によって行う必要性は年々高まっている
- 停電の時に電気が使える範囲が選択できる。太陽光発電と連携しているので、停電に備える意味で蓄電池の容量は、使い方を考えてよく検討した方が良い
- HEMSと連携すると、天気予報で充電を自動で最適化してくれる
目次
蓄電池もトップを走り続けるシャープ
シャープは世界に先駆けて、一早く太陽光発電システムの開発を行ったメーカーとしても有名です。
現在は、国内メーカーではエネルギー機器に関して自社生産かつ、シェアもトップクラスであるメーカーです。もはやトップが、不動の定位置となってきました。
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出典:シャープ・カタログ
そんなシャープは、住宅用蓄電池でもシェア1位※です。
(蓄電池専門誌「RE:CHARGE」公表。2017~2019年度ブランド別出荷台数において)
また太陽光発電と同様、多くの大手ハウスメーカーでも採用実績があり、ZEHを多く手がける積水ハウス・セキスイハイムなどで主力製品として採用されており、安心感があります。
シャープの太陽光発電に関して
シャープの太陽光発電システム・太陽光パネルの実力とは?特徴などを解説
シャープの蓄電池システムの特長
シャープの蓄電池システムは、売電単価が下がってきた昨今の事情や、卒FIT向けにぴったりな商品をラインナップしています。
それでは特徴を順番にみていきましょう。
容量の選択肢が広い
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出典:シャープ
2024年現在、シャープの蓄電池は4種類の容量がラインナップされています。
- 4.2kWh(コンパクトタイプ・JH-WB1621)
- 6.5kWh(ミドルタイプ・JH-WB1921 / JH-WB1711)
- 8.4kWh(大容量タイプ・JH-WB1821)※在庫分のみ
- 9.5kWh(大容量 / 水害対応タイプ・JH-WB2021)
容量を選ぶ考え方としては、次のような考え方に近いもので選んでみては如何でしょうか。
- コスト重視で、災害時も最低限で良い:コンパクトタイプ
- 普段使いでも蓄電池を活用したい。しかしコストも抑えめに:ミドルタイプ
- 普段使いで、できるだけ自給自足で運用したい。4人家族以上の家庭:大容量タイプ
また、シャープの特徴としてさらに大容量がほしい!という方には、ミドルタイプの蓄電池を2個つないで合計13kWhとして運用することもできます。
そのため、実質選択できる蓄電池容量としては5種類、ということになります。
普段の運転方法
蓄電池の運転方法は、各容量とも共通です。
主には2種類の使い方がありますが、毎日変えるような面倒な設定はなく、一度設定すれば毎日そのモードに則した運転を自動で行ってくれます。
1つ目が、経済性モードです。
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出典:シャープ
このモードは、太陽光発電で作った電気のうち余剰電力は売電して、蓄電池への充電は深夜電力で行います。運転のパターンとしては、深夜電力でお湯を沸かすエコキュートと似た運転を行います。
この運転を選んだ方がい方は、おおむね売電単価が30円後半の方で、深夜電力の単価が安い契約のままの方です。太陽光発電が屋根の上に搭載されていても、全量買取の方も同様です。
2つ目は、クリーンモードです。
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出典:シャープ
このモードは、太陽光発電で作った余剰電力を蓄電池へ充電するモードです。晴れたり曇ったりしても、晴れている時の余剰電力のみで充電を行います。
この契約を選んだほうがい方は、2010年代の後半以降に設備認定を取得して、売電単価が20円台の方や、FIT制度の10年が経過して売電単価が下がっている方です。
昨今の電力単価事業を見ていると、おそらくクリーンモードで運転する方の割合が高いとは思われますが、今後も引き続きクリーンモードでの運転が主流になります。
クリーンモードの重要性 太陽光発電の売電単価は下がり続けていきます。2021年の住宅用の売電単価は19円 / kWh、2022年は17円 / kWhになっています。 それに対して、買電単価は上昇を続けており、平均単価としても約27円 / kWh+再生可能エネルギー賦課金が3.36円 / kWhで、実質的には平均単価が30円 / kWhを超えてきています。 「高い電気を買わずに、できるだけ自分で作って自分で消費する方がトク」という時代になってきています。 この自給自足を実現するためには、電気を作る太陽光発電と、電気をためる蓄電池の両方があって始めて成り立ちます。 今後、蓄電池の重要性は年々あがっていくでしょう。 |
停電時の使い方もシャープなら安心
シャープの蓄電池は普段使いだけでなく、停電したときも安心です。
停電時における、蓄電池の運転と、使える家電の例をみていきましょう。
停電時の運転方法(特定負荷・全負荷)
シャープの蓄電池は、停電した時に家の中で電気が使える範囲を、容量でわけています。
停電時に家の電気を全てバックアップする使い方が「全負荷」、それに対してリビングだけ等の限定的な範囲に電気を送る使い方が「特定負荷」と言います。
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出典:シャープ・カタログ
これだけ聞いただけでは、家の電気全て使える全負荷タイプの方がいいのでは?と思いますよね。それぞれのメリット・デメリットをみていきましょう。
全負荷 【メリット】 どこの部屋・全ての家電が使用可能(一度に使える量は蓄電池の最大出力範囲内) 200V機器の使用が可能なタイプが多い(エコキュートやIHも使える) 【デメリット】 使い過ぎる傾向があり、容量の減りが早い傾向 |
特定負荷 【メリット】 限定的な範囲でしか使えないため、容量の減りが遅い傾向 【デメリット】 予め決まった範囲以外は電気がつかえない 100V機器しか使えないタイプが多い |
これらを踏まえて、シャープの蓄電池では以下のようになっています。
- コンパクトタイプ 4.2kWh:特定負荷のみ
- ミドルタイプ 6.5kWh:全負荷 / 特定負荷 選択可能
- 大容量タイプ8.4kWh・9.5kWh:全負荷 / 特定負荷 選択可能
停電時に使える回路については、工事の打ち合わせの段階で決めることができます。
家族の人数や、停電時に使いたい家電機器を想像しながら、賢く自分にあったタイプを選びましょう。
エコ発蓄電池では、最大5社から無料でシャープの蓄電池を一括見積りすることが出来ます。一括見積りの特徴は業者によって価格を比較するだけではなく、希望のメーカーを業者に伝えることで、例えば今回の記事で紹介しているシャープの蓄電池を設置する場合の比較をすることも出来ます。シャープの蓄電池に興味を持った方はぜひ、以下のフォームから一括見積りをご依頼ください。

停電時に使える家電機器の例
停電時において、使える家電と運転時間の例です。
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出典:シャープ・カタログ
この表のように、容量が多くなれば使える家電の範囲も広がっていきます。
なお、太陽光発電を併用している場合は、昼間に晴れていれば発電した電気を蓄電池へ充電して回復することができます。
そのため、天候次第では6.5~8.4kWhでも使用電力を抑えながらであれば最低限の電力の確保はできます。
実際の運転としては、容量が夜のうちにほとんどカラの状態になっても、晴であればお昼前後には満タンになります (※太陽光発電の容量が4~5kWの場合)
やみくもに停電に備えて、大容量を用意しなくてはならない訳ではないことを知っておきましょう。
蓄電池後付け可能パワコン
蓄電池は検討しつつも「蓄電池まで予算が回せない」という方も、正直少なくはないと思います。
太陽光発電は設置するけど、蓄電池はお金がたまってから…といった方にピッタリのパワコンがあります。
それが蓄電池後付け可能なパワコンです。
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出典:シャープ・カタログ
シャープの蓄電池は、太陽光発電で作った電気を通常時・停電時ともに無駄なく蓄電池へ充電できる「ハイブリッド型蓄電池」です。
このハイブリッド型蓄電池は、太陽光発電と連携が良い反面、太陽光発電のパワコンと蓄電池側のパワコン双方が連携する機能が、双方にないといけません。そのため太陽光発電が既に設置済みの場合に、蓄電池を後付けする際は太陽光発電のパワコンは故障などしていなくても、蓄電池と連携ができるパワコンに交換しないといけません。
そのためハイブリッド型蓄電池をリフォームする場合、太陽光発電のパワコンも入替になります。
こういった入替が不要な「蓄電池後付けパワコン」は、蓄電池リフォームのコストを抑えることができる賢い選択です。
蓄電池は欲しいけど、予算の都合などで一旦は見送ろうと考えている方は、このパワコンの採用をぜひおすすめします。なおハイブリッド型とはタイプの異なる「単機能型蓄電池」は太陽光発電のパワコンがそのままで運転可能です。
しかし、停電時における太陽光発電との連携が上手ではないため、停電時の昼間に蓄電池に充電できる量が少なかったり、停電時の運用はハイブリッド型の方が安心です。
保証の関係もあるため、できれば同一メーカーで揃えた方が安心感は高いですね。
価格
シャープの代表的な蓄電池の商品の定価はこちらです。
- 13.0kWh / JH-WB1921×2:5,111,480円~(税込)
- 9.5kWh / JH-WB2021:3,476,000円~(税込)
- 8.4kWh / JH-WB1821:3,179,000円~(税込)
- 6.5kWh / JH-WB1711:2,508,000円~(税込)
- 9.5kWh / JH-WB2021:1,958,000円~(税込)
※コンバーターの有無やモニター等の種類などでシステム価格は変動します。
保証内容
シャープでは、蓄電池システムの保証内容も充実しています。
蓄電池の保証は、機器瑕疵保証(通常使用での故障に対する保証)と、充電可能容量の保証です。
10年保証までの保証は無償で、15年までの延長保証は有償になります。
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出典:シャープ
- 充電可能容量の保証:60%(無償は10年・有償は15年 で同率)
有償の金額一覧
蓄電池の初期定格容量 | 保証加入料金(税込) |
---|---|
2kWh | 33,000円 |
4kWh | 55,000円 |
5kWh | 50,600円 |
0kWh | 95,700円 |
5kWh | 60,500円 |
有償にしようか、と悩む方も多いと思いますが、おすすめとしては有償延長プランです。
10年目以降は、特にパワコンを中心とする周辺機器での故障リスク、蓄電池本体の電池劣化に備えておいた方が良いでしょう。
1回の故障に伴う修理費用を考えると、入っておいて損はないでしょう。
蓄電池の耐久性
シャープの蓄電池のサイクル回数は12,000回とされており、耐久性が高いです。
サイクル回数とは、蓄電池の寿命を表す目安となる充放電の回数です。
1サイクルは、蓄電容量が0%から100%まで充電し、それを再度0%になるまで使い切るまでが1サイクルです。
このサイクル数が多いほど耐久性の高い蓄電池になりますが、蓄電池では4,000~6,000回の商品も多く、シャープの蓄電池は高耐久な商品のカテゴリーされます。
なお、12,000回のサイクルは毎日使用したとしても、約30年以上の耐久性があることになります。
故障監視サービス
シャープのHEMS「COCORO ENERGY モニタリング」もよる故障監視サービスもあります。
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出典:シャープ・カタログ
緊急性の高いエラーや、長期間通信ができないなどの機器故障の「モニタリング基本機能」と、発電量が低い状態の通知などの「モニタリング発電診断」の2つのサービスです。
「モニタリング基本機能」は、保証期間中は無償ですが保証期間外は月額220円(税込)、「モニタリング発電診断」は保証期間は関係なく月額220円です。
シャープのクラウド蓄電池・HEMSとの連携
シャープの蓄電池の品質性能・ラインナップの広さなどは信頼性の高い商品ですが、今後は発電した電気の自家消費を、より有効的にしていく時代になってきます。
この自家消費をより賢く、より便利に自動で運用してくれるのがHEMSの役割です。
HEMSで追加される蓄電池活用法
太陽光発電・蓄電池にHEMSを導入することで「天気予報連動」でより賢く運転ができます。
具体的にはAIによる判別で、自動的に経済合理性の高い運転を行い、電気の自給自足を目指します。
■翌日が晴れと認知した場合
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出典:シャープ・カタログ
天気予報から情報を取得し、翌日が晴れると想定した場合、翌日の発電量を予測します。
次に各家庭の昼間の電力使用量を覚えているので、大方の翌日の余剰電力も算出します。
そして本来、深夜電力を使うエコキュート・蓄電池を、翌日の発電量を見越して必要以上に電気を使わずに空けておきます。
その状態から、翌日に天気予報通り晴れることで、太陽光発電で発電をエコキュート・蓄電池へ割り当てることで、電力会社からの買電を極力減らします。
昨今は電気料金単価が上がってきていることと、売電単価が下がって「売っても安い金額にしかならない」ことから、自給自足を加速する運転の自動化は、非常に役立つ機能です。
■気象警報で蓄電池へ充電
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出典:シャープ
停電のリスクが高い気象警報(大雨・洪水・暴風等の警報)が発令された情報をHEMSがキャッチして、自動的に蓄電池へ充電を開始します。
これにより、万が一停電になった時に蓄電池が満充電に近い状態で迎えることができます。
こちらも自動で運転をしてくれるため、外出していて操作などが家でできなくても安心です。
HEMSについて詳しくはこちら
HEMSって付けて意味あるの?HEMSの基礎と活用方法を詳しく解説します
まとめ
ここまでシャープの蓄電池システムを中心としたエネルギー機器の実力を紹介してきました。
冒頭で紹介した結論を復習で、もう一度みてみましょう。
- 全5種類の容量から選ぶことができる
- 太陽光発電で発電した電気の有効活用=自家消費を、蓄電池によって行う必要性は年々高まっている
- 停電の時に電気が使える範囲が選択できる。太陽光発電と連携しているので、停電に備える意味で蓄電池の容量は、使い方を考えてよく検討した方が良い
- HEMSと連携すると、天気予報で充電を自動で最適化してくれる
シャープのメーカー情報や製品情報についてはこちら
シャープ監修

エコ発事務局 太陽光アドバイザー
曽山
『誠実、スピーディーな応対』をモットーに日々エコ発を運営しています。 お客様への応対だけでなく全国に数百ある提携業者様とのやり取りをはじめ、購入者様へのキャンペーン企画やウェブサイトの改善など、皆様のお役に立てるよう日々業務に取り組んでいます。 卒FIT後の太陽光発電の活用方法など、お困りごとがございましたら、お問い合わせにてお気軽にご相談下さい。
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