【豆知識】以外と知らない?!蓄電池を選ぶ時に重要になるkWとkWhの違いを再確認しよう!
公開日:2021/10/05 | 最終更新日:2021/10/11 | カテゴリ:蓄電池とは【基礎知識】

蓄電池や太陽光発電を選ぶときに出てくる単位である「kW」「kWh」ってそもそも何が違うの?
この電気の基本的な知識を備えておくと、蓄電池・太陽光発電が選びやすくなります。
今回の記事は電気の基礎知識を解説していきます。
それでは今回の記事の結論です。
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目次
kWとkWhの違い
蓄電池を選ぶ際にkWとkWhの違いを理解することは重要です。
kWは機械を動かすために、必要な消費電力(出力)を表していて、kWhは時間あたりにどれだけ電気を使ったかを表しています。
こちらの図が、消費電力と時間との相関関係です。

それでは、1つずつポイントを整理していきましょう。
kWは機械を動かすために必要な消費電力(一時的な出力)
kWとは機械を動かすために、必要な消費電力(出力)を表します。
よくドライヤ―を見てみると「1200W」や「1400W」という、記載が見つかります。
![]()
(出典:シャープ株式会社「美容家電/ IB-JP9/使用/寸法」)
これは、ドライヤーを動かすために1200W必要という意味です。
kWのkは「1000」という意味なのでドライヤーは1.2kW必要ということになります。
つまり、同時にたくさんの機械を使うとそれだけ多くのkWが必要です。
ここでポイントなのが、KWはその瞬間、瞬間で必要な消費電(出力)を表している点です。
機械がどれくらいの時間使われたか?など時間の概念は入っていません。
kWhは時間あたりにどれだけ電気を使ったか
kWhはどれだけ電気を使ったか?を表しています。
1.2kWのドライヤーを1時間(1hour)使った場合、1.2kWhとなります。
先ほどのkWと違い、時間の概念が入ってきました。
これによって瞬間、瞬間の消費電力を足し合わせた消費電力量(kWh)が出ます。
通常、蓄電池の「容量」を表す際にはこの「kWh」が使われます。
kWとkWhは蛇口から出る水と溜まった水の関係にたとえられます。
蛇口から出てくる水の勢いがkWで、バケツに溜まった水の量がkWhの考え方です。

蓄電池の蓄電容量と規格の違い
蓄電池には必ず「蓄電容量」が載っています。
これは先ほどから出てきているkWhで表現されます。
蓄電容量には基準としている規格がいくつかあるのでご紹介します。
メーカーごとに比較する際に、同じ規格で比較できているか、確認が大事です。
規格は下記の3種類です。
公称容量: 電池の製造者が指定する設計上の容量
定格容量: 電池の製造者が保証する最低容量
初期実効容量: 放電時に供給可能な交流側の出力容量。 「JEM1511規格」にて計算
シャープ製の蓄電池(JH-WB1621)を例にして解説をしていきます。
公称容量: 4.2kWh
定格容量: 4.0kWh
初期実効容量: 3.4kWh
※出典:シャープ・HP
公称容量→定格容量→初期実効容量の順で小さくなっていきます。
これはどのメーカーも共通して言えることですが、実質の電池容量として使用できる目安は「初期実効容量」が重要です。
各規格の内容は覚える必要はありませんが、ぜひ名前と順番を覚えてください。
各社の蓄電池を比較する際に役立ちます。
太陽光発電のkWの不思議
ここでは太陽光発電の出力についても触れていきます。
太陽光モジュールの性能は「公称最大出力」のみ記載されています。
公称最大出力はkW(W)で表現されます。
しかし、実際に設置してみるとこの「公称最大出力」通りに発電しないことが多いです。
なぜこういったことが起こるのか、という疑問に対しては以下の3つの理由があります。
1.JIS規格として、公称最大出力の±10%のモジュールは出荷してもOK
2.そもそも特定の条件下での出力
3.送電ロスやパワコンでの変換ロス
1.JIS規格として、公称最大出力の±10%のモジュールは出荷してもOK
太陽光パネルは公称最大出力の+ー10%以内であれば出荷できます。
一枚一枚はでは小さな値ですがこれが複数枚重なると上にも下にも数字が変わってきます。
2.そもそも特定の条件下での出力
公称最大出力はJISの規格で計測条件が決められています。
これは太陽光パネルにとても有利な条件での計測となります。
気温が上がる・日の角度が落ちるなど条件の変化で発電量が公称最大出力よりも落ちることがあります。
3.送電ロスやパワコンでの変換ロス
太陽光パネルは発電してから家で使われるまでにロスを生まれます。
代表的なものが送電ロスと変換ロスです。
電気は配線を移動する際に送電ロスが起きて、発電した電気を失っていきます。
また、パワコンで直流→交流に変換するときにも電気を失います。
この送電上・変換上のロスは、意外と塵も積もれば山となる状態で意外と無視できません。
100Vと200Vの違い
蓄電池には100Vのみ対応したものと100V/200V両方に対応したものがあります。
ここでは実際に100Vと200Vで使える機器にどんな違いがあるか確認していきましょう。
100Vで使える家電
家のコンセントにさして使う家電製品は基本的に100Vになります。
100Vと200Vはコンセント口の形が違うので図のコンセントにささる機器であれば100Vです。
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(出典:パナソニック株式会社「電設資材/画像データ」)
200Vで使える家電
200Vで使える家電の代表機器は以下の物になります。
200Vエアコン・エコキュート・IHクッキングヒーター
エアコン以外は自分で抜き差しするような位置にコンセントは来ていません。
蓄電池は100V対応のみの場合が多いので、もし200V機器を動かしたい場合は、専用の蓄電システムを選ぶようにしましょう。
蓄電池が災害時に使用できる時間・家電機器例
最後に、各蓄電容量から災害時に使える時間や家電機器例をご紹介します。
下記の機器を連続で使用した場合の使用可能時間と各容量毎の注意事項を解説します。
※最大出力で計算
家電 | 平均出力 |
---|---|
ノートPC | 約50~100W |
液晶テレビ | 約200~500W |
冷蔵庫 | 約150~300W |
スマートフォン充電 | 約5~10W |
LED証明 | 約20~50W |
合計 | 960W |
5.6kWhの蓄電池の場合
機器連続使用時間:約4時間30分
機器使用時の注意点
5.6kW前後の蓄電容量の場合、すべての機器をノンストップで使ってしまうと一晩を越すことが出来ません。
非常時で停電が長引く可能性がある場合は、冷蔵庫や照明など必要最低限のものに絞る必要があります。
![]()
(出典:シャープ株式会社「カタログ」)
また、このサイズの蓄電池は「特定負荷」と呼ばれる、あらかじめ決まった回路にしか電気を送れないタイプが多いです。
なお、この特定負荷回路に関しては非常時の運転を指しますので、通常運転時(連携運転時)は、全回路に対して電気が送られます。(※最大出力を超えない範囲で)
9.8kWhの蓄電池の場合
機器連続使用時間:約8時間30分
機器使用時の注意点
9.8kW前後の蓄電池になると、記載の機器以外にも電気ポットや炊飯器などもある程度、残量を気にせず使えます。
ただし、蓄電池には一度に放電出来る上限が決まっているので、その上限を超えないように注意が必要です。
1500~2000Wを上限にしているメーカーが多いので、電気ポット・エアコン・冷蔵庫を同時に使ってしまうと上限を超えるでしょう。
![]()
(出典:シャープ株式会社「カタログ」)
また、このあたりの容量になってくると「全負荷型」といって、家じゅうの回路が非常時でも使えるようになる機種もあります。
全負荷対応機種は、メーカー・機種によっては2000W以上出力できるタイプもあり、停電時の使い方を考えて選びましょう。
14.08kWhの蓄電池の場合
機器連続使用時間:約13時間00分
機器使用時の注意点
14.08kWh前後の蓄電池になると、200V出力が可能になる機種が多いです。
200V出力が可能になることによって、IHクッキングヒーターや200Vエアコンも使用可能になります。
全負荷型が主流ですが、非常時にはすべての機器を動かせてしまうため、余計な電気が使われていないか確認が重要です。
まとめ
それでは今回の記事のまとめです。
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蓄電池を選ぶ際、まずは知っておいてほしい基本的なkWとkWhの違いをまとめました。
非常に重要なポイントなため、こちらの記事を参考に蓄電池を選ぶ参考になさってください。
監修

エコ発事務局 太陽光アドバイザー
曽山
『誠実、スピーディーな応対』をモットーに日々エコ発を運営しています。 お客様への応対だけでなく全国に数百ある提携業者様とのやり取りをはじめ、購入者様へのキャンペーン企画やウェブサイトの改善など、皆様のお役に立てるよう日々業務に取り組んでいます。 卒FIT後の太陽光発電の活用方法など、お困りごとがございましたら、お問い合わせにてお気軽にご相談下さい。
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