【岡山県・真庭市】資源と資金がめぐる「地域循環共生圏」豊かな森で実現させる2050年ゼロカーボン計画
| カテゴリ:全国の脱炭素社会実現に向けた取り組み | タグ: ゼロカーボン, 岡山県, 真庭市, 脱炭素

1. 真庭市におけるゼロカーボンシティ宣言
岡山県の北部に位置し、広大な森林に囲まれた、西日本有数の木材の産地である真庭市は、持続可能な社会の実現に向け、脱炭素化への力強い一歩を踏み出しました。その象徴が、2020年3月に宣言された「ゼロカーボンシティまにわ」です。
この宣言は、これまで進めてきた脱炭素に向けたまちづくりをさらに加速させ、2050年までに二酸化炭素排出実質ゼロを目指すという、市全体の強い決意表明となります。この壮大な目標達成に向けた具体的な数値目標も設定されています。
| 目標年次 | 二酸化炭素削減目標(2013年度比) |
|---|---|
| 2030年 | 51%削減 |
| 2050年 | 実質ゼロ |
2. 地域経済活性化と地方創生を両立する脱炭素戦略
画像提供:真庭市
真庭市では、脱炭素への取組を単なる環境対策に留めず、地域経済の活性化と地方創生に結びつける戦略を推進しています。それを踏まえた上で、以下の5つの取組の柱を立てています。
| 取組の柱 | 内容 |
|---|---|
| 地域活性化の推進と地域課題の解決 | 脱炭素の取り組みを通じて、エネルギー消費で地域外へ流出している資金を地域内で循環させ、再生可能エネルギー導入などにより外部資金も呼び込み、地域活性化と地域課題の解決につなげる体制を整備するものです。 |
| 大規模災害時にも安心してエネルギーを活用できる体制の整備 | 大規模災害時等にも安心してエネルギーを活用できる体制整備を行い、レジリエンスの向上につなげます。 |
| 環境にやさしいライフスタイル・経営の実践 | 市民・事業者による草の根的な取り組みによる地域全体への取り組みの浸透を図るべく、環境にやさしいライフスタイル・経営の実践を促進します。 |
| 再生可能エネルギーと地域の共生 | 「豊かな自然資源を持続可能な形で残したい」という市民の思いに寄り添った、環境・景観の調和に配慮した再生可能エネルギー導入により、地域との共生を確保します。 |
| 情報発信によるシビックプライドの醸成と地域価値の向上 | 上記4つの取り組みを、若い人にも伝わる形で効果的に情報発信することでシビックプライドを醸成し、脱炭素を担う”ひと”をはぐくみ、地域価値の向上につなげます。 |
3. 真庭市の脱炭素への具体的な取組
上記の5つの柱を意識した上で、実際に真庭市の脱炭素に向けた具体的な取組を紹介します。
3-1. 再生可能エネルギーの導入と活用
市内の公共施設への太陽光発電設備の設置を積極的に進めており、現在PPA方式により設置した設備が9施設で稼働しています。また、地域に新たなエネルギー資源をもたらす可能性として、民間企業と連携した小水力発電の調査も行っています。これらの取組は、エネルギーの地産地消を促進し、地域経済への好影響も期待されています。
3-2. 資源循環と地域経済の好循環:地域循環共生圏の実現
くらしの循環センター 画像提供:真庭市
2025年1月に本格稼働した「真庭市くらしの循環センター」では、生ごみなどをメタン発酵させ、液体肥料として再生する取組を行っています。この過程で発生するバイオガスによる発電電力は施設内で利用され、資源の有効活用とエネルギー創出を両立させています。
また、地域内の未利用木材や端材をバイオマス発電の燃料として活用することで、森林資源の循環利用と地域経済への利益還元、雇用創出にも貢献しています。
3-3. 交通分野の脱炭素化:移動の未来を創る
「チョイソコまにわ」を利用する市民の方々 画像提供:真庭市
公用車の次世代自動車化を2030年度までに100%達成することを目指し、導入を進めています。民間事業者によるEV充電設備の設置も推進中です。さらに、AIを活用した予約型乗合タクシー「チョイソコまにわ」の運行により、利便性の向上とCO2排出量の削減を両立させています。
3-4. 住宅・建築分野における脱炭素化の推進
木質チップ 画像提供:真庭市
新築の一戸建て木造住宅に対しては、木材利活用促進支援事業補助金を交付し、ZEH認定住宅にはさらに上乗せの補助を実施しています。また、定置型蓄電池の導入や断熱窓の改修に対する補助制度も設けることで、住宅の省エネルギー化を支援しています。
4. 市民・企業と共に創る脱炭素社会:教育と啓発活動
4-1. 市民会議を通じた普及啓発と行動変容(令和4年度~)
市民議会の様子 画像提供:真庭市
脱炭素社会の実現に向けて真庭市では、市民一人ひとりの意識向上と行動変容を促すための様々な取組を進めています。
2022年度(令和4年度)からは、「真庭市脱炭素社会に向けた市民会議」が継続して開催されています。この市民会議は、市民への普及啓発と行動変容を促すことを目的としており、これまでに12回の開催で延べ283名の参加がありました。
注目すべきは、2023年4月に策定された「真庭市地球温暖化対策実行計画(区域施策編)」に、この市民会議から提案された意見が反映されている点です。これは、市民の声が直接市の計画に活かされる、参加型の脱炭素まちづくりが進んでいる証と言えるでしょう。
| 開催年度 | 開催回数 | 延べ参加者数 |
|---|---|---|
| 令和4年度~令和7年度 | 12回 | 283名 |
4-2. 環境学習出前講座:次世代を担う人材育成
地域住民の環境意識の高揚を図るため、真庭市の環境問題への取組や自然環境保全について学べる「環境学習出前講座」も実施されています。
市民団体やNPOと連携し、電気自動車体験、自然再生エネルギー体験、カードゲームを用いた温暖化対策学習など、多岐にわたるメニューを通して、子どもから大人まで、楽しく、そして深く環境について学ぶ機会を提供しています。これにより、次世代を担う人材の育成と、地域全体での環境保全意識の向上を目指しています。
5. まとめ
画像提供:真庭市
岡山県真庭市は、2050年二酸化炭素排出実質ゼロを目標に掲げ、地域経済の活性化と自然環境の保全を両立させる脱炭素戦略を力強く推進しています。
また、地域内に資金を循環させる「地域循環共生圏」の実現を目指し、未利用木材の活用や生ごみの資源化といった具体的な事業を展開しています。これらの取組は、エネルギーの地産地消を促進し、地域経済の活性化に繋がっています。
監修

エコ発事務局 太陽光アドバイザー
曽山
『誠実、スピーディーな応対』をモットーに日々エコ発を運営しています。 お客様への応対だけでなく全国に数百ある提携業者様とのやり取りをはじめ、購入者様へのキャンペーン企画やウェブサイトの改善など、皆様のお役に立てるよう日々業務に取り組んでいます。 卒FIT後の太陽光発電の活用方法など、お困りごとがございましたら、お問い合わせにてお気軽にご相談下さい。
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