【長野県・岡谷市】諏訪湖畔の産業都市が挑む!市民・事業者・行政の連携で実現する「ゼロカーボンシティ」
| カテゴリ:全国の脱炭素社会実現に向けた取り組み | タグ: ゼロカーボン, 岡谷市, 脱炭素, 長野県

1. 岡谷市が目指す脱炭素社会の全体像:ゼロカーボンシティ宣言とその目標
長野県の中央、諏訪湖畔に位置する岡谷市は、異常気象にともなう土石流などで被災した経験から、脱炭素社会の実現を喫緊の課題として捉えています。
岡谷市は、自然災害の経験等を踏まえ、2022年3月に「第2次岡谷市地球温暖化対策実行計画」の策定と併せてゼロカーボンシティ宣言を行いました。市は、将来ビジョンに基づく方向性として「ゼロカーボンものづくり」「ゼロカーボンまちづくり」「ゼロカーボンひとづくり」の3つを示しており、太陽光発電をはじめとする再生可能エネルギーの利用促進、市民・事業者・行政の連携を軸とし、事業を推進していく意向です。
この目標に向けた中期目標は、2024年度に見直しが行われ、さらに高い目標値が設定されています。
| 目標区分 | 達成時期 | 削減目標 |
|---|---|---|
| 温室効果ガス削減目標 | 2030年 | △57.0% |
| 最終目標 | 2050年 | カーボンニュートラル |
2. 地域経済と地方創生の両立を目指す
画像提供:岡谷市
岡谷市は、将来ビジョンに基づく方向性として、脱炭素への取り組みを地域経済の活性化に結びつけたいと考えています。特に、地元企業の排出量削減や、再エネ・省エネ設備の導入、地域連携を支援しています。具体的な取り組みは以下の通りです。
2-1. 企業と住宅への再エネ・省エネ導入促進事業
市は、事業所の温室効果ガス排出削減と、家庭の太陽光発電・V2H等の普及を支援しています。
| 支援対象 | 事業名称 | 支援内容 | 目的 |
|---|---|---|---|
| 事業所 | 岡谷市カーボンマネジメント支援事業 | GHG排出量把握、再エネ・省エネ・電化による削減事業への補助 | ゼロカーボンものづくりを支援 |
| 家庭(住宅) | 住宅用再エネ設備等導入促進事業 | 蓄電システムと電気自動車充放電設備(V2H)の導入に対する補助 |
2-2. 地域連携と啓発活動による意識の醸成
太陽光発電導入と災害時のレジリエンス向上を促進
岡谷市は、ゼロカーボンに特化した組織や人員が少ないことから、啓発活動と地域連携を中心とした事業展開を重要視しています。
| 連携・啓発主体 | 取り組み内容 | 目的 |
|---|---|---|
| 地元企業 | 諏訪信用金庫による連携協定 | 諏訪地域6市町村と連携し、脱炭素社会実現に向けた幅広い取り組みを推進(本市は啓発が中心) |
| 市民団体 | 環境市民会議おかやとの連携 | 「おかやエコフェスタ」などの環境イベントを通じたゼロカーボンの推進と啓発活動 |
3. 岡谷市の具体的な脱炭素への取り組み
画像引用:岡谷市ホームページ
岡谷市は、再生可能エネルギー導入ポテンシャル調査を実施し、太陽光発電のポテンシャルが最も高いという結果がでたことから、PPA方式による公共施設への導入を検討しています。同時に、将来を担うこどもたちへの環境教育にも注力しています。具体的な取り組みは以下の通りです。
3-1. 事例①:PPA方式を活用した公共施設への太陽光導入
市は、当面の間、PPA方式を活用した公共施設への太陽光発電システム導入を中心に再生可能エネルギーの導入を図っていく方針です。
| 導入検討の状況 | 内容 |
|---|---|
| 導入方針 | PPA方式を活用した公共施設への太陽光発電システム導入 |
| 目的 | PPA方式を採用することで、公共施設における再生可能エネルギーの導入を促進 |
| 施設の現状 | 新築および改修等に併せ、PPA方式での導入を検討 施設改修の二重投資を避けるため、新築および改修等に併せる事で効率的に設備導入を推進 |
3-2. 事例②:教育現場と連携した人材育成
市は、教育現場と事業所・団体の橋渡し役を担い、環境教育の促進を図っています。
- 岡谷市環境教育コーディネート事業: 教育現場のニーズと、事業所や団体が持つ環境学習に活用できる事業等を市がコーディネート。
- 対象分野: 地球温暖化や再生可能エネルギー等に関する項目も含まれる。
3-3. 事例③:交通分野における二酸化炭素排出量削減
交通分野においては、エコドライブの推進と地域連携によるスマートムーブの取り組みが進められています。
| 取り組み | 連携主体 | 目的 |
|---|---|---|
| エコドライブ推進事業所登録事業 | 事業所等 | エコドライブによる二酸化炭素排出量の削減 |
| デコツーリズムin諏訪湖 | 諏訪市・下諏訪町との協同 | スマートムーブによる二酸化炭素排出量の削減 |
4. 岡谷市の脱炭素への挑戦:展望と行動への注力
画像引用:岡谷市ホームページ|京セラ株式会社長野岡谷工場様《アサガオ》
岡谷市は、大規模な事業展開が困難な状況にありますが、市民、事業者、行政のパートナーシップを重視し、啓発活動と確実な再生可能エネルギー導入に注力することで、カーボンニュートラルを目指しています。
また、ゼロカーボンに特化した組織や人員が少ないという課題に対して、以下の施策に注力する方針です。
- PPA方式を活用し、公共施設への太陽光発電システム導入を促進する。
- 啓発活動を中心に事業展開し、市民や事業者の問題意識と実践を促す。
- 環境教育に注力し、脱炭素人材を育成。
加えて、地域循環共生圏の実現に向けた具体的な取り組みについては、「脱炭素事業促進諏訪コンソーシアム」において協議が行われている段階です。
5. まとめ
写真提供:岡谷市
岡谷市が推進する地球温暖化対策については、将来ビジョンに基づく方向性として「ゼロカーボンものづくり」「まちづくり」「ひとづくり」を掲げており、「エネルギー消費量の削減」、「エネルギーの脱炭素化」、「利用エネルギーの転換」、「吸収源・オフセット対策」を組み合わせた施策を推進する必要があると考えています。
具体的には、以下の取り組みが挙げられます。
- 「ゼロカーボンものづくり」の推進
- 次世代自動車および公共交通の普及
- 地域の技術力を活かした新たな再生可能エネルギー・省エネ技術の開発
- 脱炭素人材の育成・活用
最後に、この持続可能なまちづくりを推進する岡谷市担当者から、市民・事業者の皆様へのメッセージをお届けします。
地球温暖化対策を推進するためには、市民、事業者、行政の連携、循環型社会の形成などを促進する必要がありますが、同時に一人ひとりが地球温暖化への関心と問題意識を持ち、自ら対策を実践することが必要です。より良い環境を後世に伝えるため、みなさまのご協力をお願いします。
監修

エコ発事務局 太陽光アドバイザー
曽山
『誠実、スピーディーな応対』をモットーに日々エコ発を運営しています。 お客様への応対だけでなく全国に数百ある提携業者様とのやり取りをはじめ、購入者様へのキャンペーン企画やウェブサイトの改善など、皆様のお役に立てるよう日々業務に取り組んでいます。 卒FIT後の太陽光発電の活用方法など、お困りごとがございましたら、お問い合わせにてお気軽にご相談下さい。
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