ネクストエナジー・アンド・リソース株式会社【エコ発インタビュー】

ネクストエナジー・アンド・リソース社:太田栄二氏(左)
エコ発蓄電池:曽山(右)
ネクストエナジー・アンド・リソース株式会社は太陽光パネルの大手メーカーですが、蓄電池のメーカーとしても積極的に販売を行っています。
今回、ネクストエナジー・アンド・リソース社が新しく発表した蓄電池「iedenchi-Hybrid」の製品内容や特徴について、取締役兼エネルギーイノベーション営業本部本部長の太田栄二氏に話をお伺いしました。
蓄電池の販売を開始したのはいつから?


弊社は技術会社で、これまで一貫して太陽光の事業に携わってきました。その中で、オフグリッドの蓄電池販売事業に2005年頃から携わっております。

2005年から蓄電池事業に携わっていたのですね。

そうですね。系統に接続しない蓄電池の販売を行ってきました。例でいうとキャンピングカーやヨットなど、蓄電池には特定用途でずっと触れ続けてきました。そういったところでの知見も持っておりますので、今回の家庭用の蓄電池にも活かされており、品質管理体制には自信を持っております。
その後、2016年から家庭用蓄電池の販売を開始しまして、そのときは自社ブランドではなく他社ブランドのものから少しずつ販売を行ってまいりました。

2016年の蓄電池販売時は他社ブランドを取り扱っていたのですね。ちなみに新商品である「iedenchi-Hybrid」はもうリリースしているのでしょうか。

2019年11月8日から受注を開始しています。これまでは全負荷タイプで停電時200V出力の単機能タイプのOEMモデルがありまして、どちらかというと卒FITを迎える方向けにこの一年間販売をしてきました。年間で3,000台ほど販売をして参りましたが、やはりハイブリッドタイプの蓄電システムの需要が急激に高まってるところを受けまして、約1年半以上前から「iedenchi-Hybrid」の準備をしてきました。

という事は「iedenchi」シリーズ2種類を主に販売されていく形ですか?

そうですね。卒FITを迎える方は2019年11月と12月の2か月だけで約53万件と言われています。そこから毎年20万件~30万件の卒FITユーザー様が出てくるわけですが、そうなると我々の供給キャパが1機種だけだとこの業界で生き残っていけないなと思っていました。
ハイブリッドタイプの蓄電池は卒FITの方だけではなく、これから太陽光発電を設置される方にとっても良い商品だと思います。今後、余剰買取制度におけるFIT単価は徐々に下がっていきますが、一方で電力会社の電気料金は年々上昇傾向です。
ですので電気を創って電力会社に売るよりも、電気を創って自家消費した方が賢い選択になります。しかも2019年は台風など未曾有の災害を目の当たりにしました。そういう非常用電源になるという部分でも、ハイブリッド型の蓄電池が良いと思い、「iedenchi-Hybrid」をリリースしました。
「iedenchi-Hybrid」はどのような方におススメしたい商品?


ありがとうございます。ちなみに「iedenchi-Hybrid」はどのようなお客様におススメしたい商品ですか?

日本の一般的な戸建て住宅における標準の電力使用量は約400kwh/月と言われております。この400kWhを31(日)で割ると、約10kWh弱になります。「iedenchi-Hybrid」の容量は10.24kWhなので、月平均で約400kWhの電力使用量がある方にはベストマッチな商品ではないかと思っております。

ちなみにこの「iedenchi-Hybrid」をフル充電させた場合、家電はどのくらい利用できるものなのでしょうか。

例えば冷蔵庫の場合、時期にもよりますが停電したら1日程度で中の物が腐ったり溶けたりしますよね。一般的な冷蔵庫の電力消費量は1日1kWh程度と言われていますが、冷蔵庫だけ動かすのであれば満充電で10日間は持つ計算になります。
当然天気の良い日は太陽光発電した電気を蓄電池に充電して放電できますので、天気が良ければ10日程度は不便ない生活を送れるかもしれません。その際、屋根上に太陽光パネルを3kW~4kW程度は載せてる必要はあると思います。
「iedenchi-Hybrid」導入のメリットデメリットは?


繰り返しになるかもしれませんが、「iedenchi-Hybrid」を導入した際のメリットとデメリットを教えて下さい。

まずメリットですが、先ほど申し上げたように全負荷ですね。蓄電池には全負荷以外に特定負荷というタイプの蓄電池がありまして、このタイプのものは停電になったら特定のところしか電力を供給できません。
ですので特定負荷タイプの蓄電池を設置する前に、お客様には停電になった際はどことどこをバックアップしたいのかということを確認して、特定負荷の回路を組む必要があります。

特定負荷タイプの蓄電池は最初に設定のようなものが必要なのですね。少し手間がかかりそうですね。

そうです。ただ今回の「iedenchi-Hybrid」であればそんな初期設定などをする必要はありません。もはや停電を停電と感じない形になりますし、ストレスも感じにくくなるでしょう。停電になっても自分の家は停電したのかどうかわからないほどの仕組みになってます。ここがやはり一番のメリットではないかと思います。

デメリットをあげるとすれば何かありますか?

デメリットはないかもしれません(笑)。あげるとすれば、少しだけ蓄電池本体が重たい点です。「iedenchi-Hybrid」はリン酸鉄という成分を使ってます。リチウムイオン電池の中では、大きくは三元系とリン酸鉄で家庭用の蓄電池のタイプが分けられます。
従来は三元系の成分を使ったものが多かったですが、安全性の面ではリン酸鉄の方が高いと言われています。ただそのかわり、重量が重たくなり、体積が大きくなりがちというところが欠点です。
ただ住宅用の蓄電池は安全性と耐久性が何よりも重要ではないかと考えておりますので、それと比較すれば重さというのはそれほど気にしなくてもいいのではないかと思っています。
「iedenchi-Hybrid」の製品サポート体制や保証内容は?

「iedenchi-Hybrid」の保証内容や蓄電池が故障してしまった際のサポート体制を教えて下さい。

まず「iedenchi-Hybrid」をご購入いただくお客様には「iedenchi-Hybrid」のインターネット接続をお願いしております。そうすることで、機器に何か不具合やおかしな点があれば、我々は遠隔で監視をしておりますので、迅速に対処させていただきます。全国に対応しておりますので、ご安心頂ければと思います。

サポート体制が全国対応だと安心ですね。「iedenchi-Hybrid」の保証年数は何年になりますか?

機器保証は10年となっており、自然災害補償も10年で標準付帯しております。

最近は自然災害が多いので、機器保証、自然災害補償ともに10年間長期保証されるのは良いですね。ところでちょっと保証とは話がずれるのですが「iedenchi-Hybrid」の蓄電池の寿命はどのくらいですか?

寿命というと定義をするのが非常に難しいところがあります。例えば蓄電池を1日満充電してから電気を空っぽになるまで使い切るような方はなかなかいませんよね?このように寿命は使い方によって10年だったり、あるいは15年だったり変化するものだと思っております。
今後、蓄電池の導入を検討されている方へ一言


最後に蓄電池の導入を検討されている方へ一言お願いします。

卒FITの方もそうですが、いま太陽光パネルを設置されている全てのお客様に置いては、いつか必ず蓄電池を導入するときが来ると思います。今後は電力の需給調整市場ができたり、VPPというような需要も発生するでしょう。
「iedenchi-Hybrid」は従来のサービスが変化してもコントロールできるような体制を整えております。これから蓄電池の導入を検討されるお客様には、性能部分を重視するのもそうですが、未来を見据えた対応力を兼ね備えているかどうかについても、蓄電池の購入を検討する上で重要視していただきたいなと思っております。

本日はありがとうございました。
プロフィール

取締役兼エネルギーイノベーション営業本部本部長
太田 栄二
太陽光業界に10年以上従事し、太陽光および蓄電システムのビジネスモデル立ち上げにおいて多くの実績を持つ。2019年、業界に先駆けて開始した蓄電システム販売では、陣頭指揮をとり新たなビジネスフィールドを切り開いた。現在は、営業マネジメントの傍ら商品開発にも力を入れている。愛妻家で、2児の父。今後の電力改革についての情報発信にも力を入れており、資料ダウンロードサイトを立ち上げている。
SUGOENE▼
https://www.sugoene.com/resources/
インタビューを終えて
太田栄二氏の話をお伺いして「iedenchi-Hybrid」は大容量なうえ、全負荷タイプなので万が一の停電時にも安心できそうですね。また、従来のサービスが変化した際の対応力も兼ね備えているということなので、蓄電池の寿命が来ない限り、買い替えのニーズもあまりないと言えるでしょう。月の電力消費量が平均400kWhあるご家庭は「iedenchi-Hybrid」の導入を検討してみてもいいかもしれませんね。
エコ発では引き続きメーカーや専門家の方にインタビューを実施してまいります。
公開日:2020/02/19 | カテゴリ:インタビュー
家庭用・産業用蓄電池の
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2019年7月25日のプレスリリースで、車両用蓄電池の販売実績世界トップクラスのメーカー『CATL』と蓄電池販売・開発の業務提携を発表されましたね。いま蓄電池業界で注目を浴びている御社ですが、そもそも蓄電池の販売を開始されたのはいつ頃からですか。