【宮崎県・川南町】地域を支える「農畜産資源」を電気と熱に変える持続可能な暮らし
| カテゴリ:全国の蓄電池施工販売店 | タグ: ゼロカーボン, 宮崎県, 川南町, 脱炭素

1.川南町におけるゼロカーボンシティ宣言
宮崎県川南町は、宮崎県有数の畜産地域として、広大な大地で肉用牛の生産が盛んな地域です。近年、地球温暖化による気候変動の影響が高まる中、川南町は『豊かさを活かし 共に未来を拓くまち かわみなみ』という将来像を設定し、ゼロカーボンへの取り組みを加速させています。
その象徴とも言えるのが、2050年ゼロカーボンシティかわみなみの宣言です。この宣言は、2050年までに二酸化炭素排出量を実質ゼロにすることを目指す、町全体の決意表明であり、持続可能な社会の実現に向けた具体的な行動指針となります。
| 宣言日 | 令和4年9月2日 |
|---|---|
| 目指す姿 | 『豊かさを活かし 共に未来を拓くまち かわみなみ』 |
| 目標 | 2050年までに二酸化炭素排出量実質ゼロ |
また、町では令和7年9月25日から、「川南町自然環境等と再生可能エネルギー発電設備との調和及び適正な維持管理に関する条例」及び「川南町自然環境等と再生可能エネルギー発電設備との調和及び適正な維持管理に関する条例施行規則」が施行されました。
この条例は、農畜産資源などの地域特性を活かし、再生可能エネルギーの導入や災害に強い地域づくりと両立しながら脱炭素社会を目指すための、町・町民・事業者の責務と基本理念を定めたものです。
2.川南町の脱炭素戦略:地域活性化と持続可能なまちづくりを両立するビジョン
川南町では、このゼロカーボンシティ実現に向けた具体的な道筋を示すものとして、2024年に「川南町再生可能エネルギー導入計画及び川南町地球温暖化対策実行計画(区域施策編・事務事業編)」を策定しました。この計画では、町域全体での取り組みとして、以下の5つの方針を掲げています。
- 省エネルギーの推進
- 再生可能エネルギーの導入促進
- 低炭素な交通ネットワークの形成
- エネルギーの地産地消による持続可能なまちづくり
- あらゆる取組による脱炭素化の実現
これらの計画を着実に実行していくことで、環境保全はもとより、新たな産業の創出や雇用の安定、地域資源の有効活用などを通じて、地域経済の活性化と持続可能な社会の実現を目指します。
3.川南町の具体的な脱炭素への取り組み
宮崎県川南町では、再生可能エネルギーの導入促進、農業分野での環境負荷低減、低炭素な交通ネットワークの形成など、多岐にわたる具体的な取り組みを進めています。以下ではその取り組みを詳しく紹介します。
3-1. 再生可能エネルギーの導入促進:自然の恵みを力に

川南町は、豊かな自然環境を最大限に活かし、再生可能エネルギーの導入を積極的に推進しています。この取り組みは、地球温暖化対策だけでなく、地域経済の活性化や持続可能なまちづくりに不可欠な要素です。
町内の再エネ導入は特に太陽光発電が主導しており、令和3年度時点で約49MWの設備容量を誇ります。通山・多賀・東の各地区コミュニティセンターなど、公共施設にも設備が設置されています。
さらに、町は地域の強みである森林資源や畜産資源に着目し、バイオマス発電の活用も進めています。これらの取り組みにより、エネルギーの地産地消を促進し、地域内での経済循環に貢献することを目指します。
3-2. 農業分野での環境負荷低減:木質ペレットボイラーの活用
川南町では、農業分野における環境負荷低減と地域経済の活性化を両立させるため、先進的な取り組みを進めています。その中心となるのが、重油から木質ペレットへの転換を推進する木質ペレットボイラーの活用です。
現在町では、木質ペレットボイラーを導入した農家の方々へのヒアリングを通じて、重油使用時との費用対効果や、ペレット燃料の使用が作物の付加価値向上にどのように貢献するかの情報収集に力を入れています。
こうした取り組みは、単に化石燃料の使用量を削減するだけでなく、地域で産出される未利用の木材資源を有効活用し、新たな産業の創出にも繋がる可能性を秘めています。
| 項目 | 環境負荷低減、地域経済活性化、化石燃料依存からの脱却 |
|---|---|
| 導入目的 | 木質ペレット(地域産未利用木材の活用) |
| 主な燃料 | 導入農家へのヒアリング(費用対効果、作物付加価値向上に関する情報収集) |
| 現在実施中の活動内容 | 温室効果ガス排出量削減、地域内資源循環、新たな雇用創出 |
| 期待される効果 | 温室効果ガス排出量削減、地域内資源循環、新たな雇用創出 |
3-3. 低炭素な交通ネットワークの形成:EV導入とインフラ整備

川南町では、交通分野における温室効果ガス排出削減のため、電気自動車(EV)の導入や充電インフラの整備を進めています。公用車としてEV(日産サクラ)を1台導入しており、行政による率先した取り組みを通じて、環境負荷の低減を目指しています。
現在、町内には3か所のEV充電スタンドが設置されています。今後は、町民や事業者の需要に応える形で、公共施設へのEVスタンドの設置拡大も視野に入れた取り組みを進めていく計画です。
| 施策内容 | 現状 | 今後の展望 |
|---|---|---|
| 公用車へのEV導入 | 1台導入済み | – |
| EV充電インフラ整備 | 町内に3か所設置 | 公共施設への設置拡大に向けた取組み |
| 低炭素交通ネットワーク | – | EV普及促進による地域全体のCO2排出量削減、エネルギーコスト低減 |
4.未来への展望と課題:住民・事業者と共に創るゼロカーボン社会
川南町では、2050年ゼロカーボンシティの実現に向け、行政主導だけでなく、町民や地元事業者との連携を不可欠な要素と捉えています。この共通認識のもと、ゼロカーボンに対する意識の向上を図るための啓発活動や情報共有に力を入れていく方針です。
特に、再生可能エネルギーの導入においては、太陽光発電の普及が進む一方で、出力制御がかかるケースが多いという課題に直面しています。この課題解決のため、蓄電池とのセット導入を促進する施策が今後重要となります。
| 課題 | 解決策の方向性 |
|---|---|
| 太陽光発電の出力制御の多発 | 蓄電池とのセット導入促進、需給バランスの最適化 |
さらに、避難施設に指定されている公共施設への再生可能エネルギー設備や蓄電池の導入を推進することで、災害時のエネルギー確保と脱炭素化の両立を目指します。
これらの取り組みを通じて、地域経済の活性化や移住・定住促進といった地方創生の実現にも繋げていくことが、川南町の描く未来像です。
5.まとめ
画像提供:川南町
川南町が推進する「ゼロカーボンシティかわみなみ」戦略は、宮崎県有数の畜産地域という町の強みを最大限に活かした、地域資源循環型のモデルです。
木質ペレットボイラーの活用による農業分野での環境負荷低減、太陽光発電の積極的な導入、そしてEVインフラの整備は、持続可能なまちづくりに向けた具体的な取り組みです。これらの施策を着実に実行することで、エネルギーの地産地消と地域内での経済循環を促進し、「豊かさを活かし 共に未来を拓くまち」という将来像を実現していく計画です。
川南町は、行政、町民、事業者が連携し、災害時のエネルギー確保と地方創生を両立させた、安心できるゼロカーボン社会の実現を目指しています。
監修

エコ発事務局 太陽光アドバイザー
曽山
『誠実、スピーディーな応対』をモットーに日々エコ発を運営しています。 お客様への応対だけでなく全国に数百ある提携業者様とのやり取りをはじめ、購入者様へのキャンペーン企画やウェブサイトの改善など、皆様のお役に立てるよう日々業務に取り組んでいます。 卒FIT後の太陽光発電の活用方法など、お困りごとがございましたら、お問い合わせにてお気軽にご相談下さい。
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