【北海道・北広島市】バイオマスと市民協働で創る、自然共生型ゼロカーボン未来図
公開日：2025/12/05 ｜
｜ カテゴリ：全国の脱炭素社会実現に向けた取り組み ｜ タグ: ゼロカーボン, 北広島市, 北海道, 脱炭素
北広島市におけるゼロ・カーボンシティ宣言
北海道の中央部に位置する北広島市は、豊かな自然と都市機能が共存する、魅力あふれるまちです。この恵まれた環境を未来へ引き継ぎ、持続可能な社会を築くため、北広島市は大きな一歩を踏み出しました。それが「ゼロカーボンシティ宣言」です。
この宣言は、地球温暖化の原因となる温室効果ガスの排出を実質ゼロにすることを目指す、市の強い決意表明となります。宣言の内容は以下の通りです。
| 宣言時期 | 目標 |
|---|---|
| 2023年（令和5年）2月14日 | 2050年カーボンニュートラルの実現（2030年度までに基準比46%削減） |
地域脱炭素戦略：環境基本計画と地球温暖化対策実行計画
北広島市では、持続可能な社会の実現に向けた羅針盤として、「第3次北広島市環境基本計画」および「地球温暖化対策実行計画」を策定し、脱炭素化に向けた取り組みを推進しています。計画では、以下の重点分野に焦点を当て、具体的な施策を展開しています。
- 再生可能エネルギーの拡大:
- 住宅への再生可能エネルギー導入に対する補助金制度の整備
- 事業者との連携による導入促進
- 環境教育の推進:
- 小学生を対象とした地球温暖化防止講座の実施
- 「環境ひろば」の開催を通じた市民への啓発活動
これらの計画に基づき、市は再生可能エネルギーの普及促進と、市民一人ひとりの環境意識の向上を目指していく方針です。
北広島市の具体的な脱炭素への取り組み事例
事例①食と環境の融合：エコクッキングと地産地消の推進
「エコクッキングの様子」｜写真提供：北広島市
北広島市では、食と環境を結びつけたユニークな取り組みを展開しています。その一つが、エコクッキングや食農教室の開催です。これらの教室では、地産地消を推進することを目的としており、地元の食材の魅力を再発見するとともに、食を通じた環境負荷の低減を目指しています。
また、食への理解を深めることは、持続可能な食生活への意識を高めるきっかけとなり、環境問題への関心を深めることにも繋がっています。
| 取り組み内容 | 目的 |
|---|---|
| エコクッキング教室 | 食材を無駄なく使い切る調理法や、環境に配慮した食材の選び方などを学ぶ |
| 食農教室 | 地元の農産物に触れ、生産過程や食の大切さを理解する |
事例②バイオマスエネルギーの活用：アクアバイオマスセンターの先進的な取り組み
「アクアバイオマスセンター」｜写真提供：北広島市
北広島市では、地域資源を有効活用した循環型社会の構築を目指し、アクアバイオマスセンターにて先進的なバイオマスエネルギー活用に取り組んでいます。
ここでは、市内の家庭や事業所から排出される生ごみや、し尿・浄化槽汚泥・下水道汚泥といった未利用資源をバイオガス化処理することで、エネルギーを生み出しています。
この処理プロセスにより発生したバイオガスを汚泥を乾燥させる燃料にし、乾燥汚泥肥料を作成してすべてを市内の緑農地に還元しています。
| 処理対象 | エネルギー源 | 生成物 | 活用先 |
|---|---|---|---|
| 生ごみ、し尿・浄化槽汚泥 | バイオガス | 電気、熱、肥料 | 発電、施設内利用、市内農地 |
事例③住宅・建築分野における支援：再生可能エネルギー・省エネルギー設備導入補助
北広島市では、住宅分野における脱炭素化を推進するため、再生可能エネルギー設備および省エネルギー設備の導入に対する補助制度を設けています。
この補助制度は、新築住宅だけでなく既存住宅も対象としており、市民が環境負荷の低い設備を導入しやすい環境を整備しています。補助の対象となる主な設備は太陽光発電システム、定置用蓄電池などです。
事例④公共施設への再生可能エネルギー導入：太陽光発電設備の整備状況
「公共施設に設置された太陽光パネル」｜写真提供：北広島市
北広島市では、市有施設への再生可能エネルギー設備の導入にも積極的に取り組んでいます。特に、太陽光発電設備の整備は、環境負荷低減とエネルギーコスト削減の両面から重要な施策として位置づけられています。
現在、市役所本庁舎を含む7つの公共施設に太陽光発電設備が設置されており、その運用を通じて、再生可能エネルギーの利用促進を図っています。
これらの取り組みは、市の温室効果ガス排出量削減目標達成に貢献するだけでなく、災害時の非常用電源としての活用も期待されています。今後は、市内企業との連携を深めながら、公共施設のみならず、市内事業所への再生可能エネルギー導入拡大も視野に入れ、さらなる普及を目指していく方針です。
事例⑤初開催！「Green⇆Action inきたひろしま」：ゼロカーボン啓発イベントへの期待
「Green⇆Action inきたひろしま」の様子｜写真提供：北広島市
北広島市では、ゼロカーボン実現に向けた機運をさらに高めるため、新たな啓発イベント「Green⇆Action inきたひろしま」を初開催しました。このイベントは、環境問題への関心を広く深め、地球温暖化防止につながる具体的な行動変容を促すことを目的としています。
イベントでは、先進的な脱炭素技術や取り組みを進める企業の展示が行われたほか、地元食材を活用したキッチンカーの出店、そして様々なステージイベントに多くの人が参加しました。参加者が楽しみながら、環境問題について学び、行動につなげるきっかけとなりました。
まとめ
画像引用：北広島市の暮らし・生活環境【これから移住する方へ】｜北広島市に住みたくなるWEBサイト
北広島市が宣言したゼロカーボンシティの実現は、「第3次環境基本計画」に基づき、アクアバイオマスセンターに代表される地域資源の有効活用と、住宅への再エネ導入支援といった具体的な施策によって推進されています。
これらの取り組みは、単に環境負荷を低減するだけでなく、食と環境の融合や「Green⇆Action inきたひろしま」のような啓発イベントを通じて、市民一人ひとりの行動変容を促し、持続可能なまちづくりの実現を加速させています。
最後に、北広島市からの市民・事業者の皆様へのメッセージをお届けします。
北広島市は、2023年2月14日にゼロカーボンシティ宣言を表明しました。この宣言の目標達成には、市民の皆様、そして事業者の皆様のご協力が不可欠です。今後も、脱炭素社会の実現に向けて、皆様と共に歩んでまいりますので、引き続きご理解とご協力をお願いいたします。
監修
エコ発事務局 太陽光アドバイザー
曽山
『誠実、スピーディーな応対』をモットーに日々エコ発を運営しています。 お客様への応対だけでなく全国に数百ある提携業者様とのやり取りをはじめ、購入者様へのキャンペーン企画やウェブサイトの改善など、皆様のお役に立てるよう日々業務に取り組んでいます。 卒FIT後の太陽光発電の活用方法など、お困りごとがございましたら、お問い合わせにてお気軽にご相談下さい。
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