テスラの家庭用蓄電池「パワーウォール」を導入する際のメリットとデメリット
公開日:2019/11/15 | 最終更新日:2021/10/12 | カテゴリ:テスラの蓄電池について

テスラ・モーターズが家庭用蓄電池として販売している「Powerwall(パワーウォール)」ですが、2020年の春に導入できるようになるとのことで、注目が集まっています。
そうなると気になるのがパワーウォールの評価やメリット・デメリットでしょう。ここではパワーウォールの評価がどの様になっているのか、導入するメリットやデメリットを紹介するので参考にしてください。
目次
パワーウォールの仕様や性能は?

まずはパワーウォールの仕様や性能について。この蓄電池の仕様や性能を見てどのような蓄電池かをしっかりと確認してください。
パワーウォールの公式サイトにも実際のパワーウォールの画像がありますが、他の蓄電池のサイズより薄くてコンパクトです。
重量も容量が同じような蓄電池が250kg~300kg以上になっていますが、パワーウォールの場合は114kgと重いですが、他の蓄電池と比べると軽量と言えるでしょう。
その他にも蓄電容量は13.5kWhと家庭用蓄電池だと考えると大容量であると言えます。また出力はピークで7kW、連続運転でも5kWです。
4人家族だった場合の1日の消費電力は18.5kWhほどだと言われていますが、昼間に留守にしている家庭の場合はそれだけ消費電力は減るでしょうし、共働きでお子さんが小学生だった場合は大体1日の電力をまかなえるでしょう。
パワーウォールはそれ以外にもテスラならではの仕様や性能があるようです。
EV技術ならではの水冷式の蓄電池
テスラ・モーターズといえば自動車会社と言うこともあり、今までは様々な自動車を開発してきました。その中でもこの自動車技術が蓄電池にも生かされています。それがEV技術で培ってきたノウハウです。
パワーウォールを含めた家庭用蓄電池はリチウムイオン蓄電池がほとんど。リチウムイオン蓄電池のデメリットとして、高温になると性能が劣化してしまうので、なるべく低音を維持する必要があります。
そのためには太陽光の当たらないところや、高温にならないところに蓄電池を設置する必要がありました。しかし、パワーウォールには水冷による温度管理機能が内蔵されているのです。
温度管理機能が内蔵されたことにより、リチウムイオン蓄電池の寿命が伸びたのでより長期間利用できるようになりました。
スマホとの連携で使用量のチェックができる!

パワーウォールは専用のアプリ「Tesla app」を使えば、パワーウォールや太陽光発電システム、系統電力と連携して稼働状況や、電気の使用状況をモニタリングしたり、運転モードの設定を変更したりすることができます。
例えば、太陽光発電システムで発電した電気を自宅に送電して使ったり、パワーウォールに蓄電するなどの設定が可能になるのです。
その他にもテスラ社の「Model S」や「Model X」と言ったEV車へ充電するという設定にすることも可能ですので、太陽光発電システムをうまく利用することができます。
注意点としては、太陽光発電システムからEV車への充電は可能ですが、EV車に充電した電力を家庭へ給電することはできないので注意が必要です。
パワーウォールを導入するメリットは?

漏電しないようなデザイン設計
パワーウォールは防水・防塵構造になっているため、屋内外を問わず設置可能で、全天候にも対応しています。
また先述したように、パワーウォールは水冷による温度管理機能が内蔵されているため、排熱口がありませんし、シンプルなデザインで露出配線もありません。
今まではお子さんやペットが蓄電池に近づかないように気をつけなければなりませんでしたが、パワーウォールならお子さんやペットが近づいて漏電や火傷の心配なく使えるようになったのです。
10年間保証がついている
保証期間についてはメーカーによってバラバラですが、長期保証として10年や15年を設けているところもありますが、ほとんどの蓄電池の保証期間は5年~7年です。
リチウムイオン蓄電池の寿命は大体10年と言われているので、5年~7年は妥当なのかもしれません。しかしパワーウォールは10年保証となっているので、安心して購入することができますね。
最大10基まで設置可能
また、パワーウォールは系統電力接続をコントロールする「Backup Gateway」と組み合わせた場合は、最大で10基のパワーウォールを設置することが可能です。
家庭で使う場合は特に必要もないかもしれませんが、これは学校や保育園、老人ホームなど人が多く集まる施設でも使えるということが言えます。
テスラはハワイの学校に300以上のパワーウォールを配備し、教室を冷やしました https://t.co/hZNsgjRKX6
— Hacker News記事題日本語翻訳 (@hackernewsj) 2018年2月24日
実際にテスラ社はハワイの学校に300以上のパワーウォールを設置したという実績もあります。
今後避難所になる学校や公民館でも電力をしっかりとまかなうために、蓄電池の導入も増えるでしょうから、パワーウォールの注目もより集まるかもしれませんね。
テスラの蓄電池「パワーウォール」ユーザーの声
パワーウォールを導入するデメリットは?

木造家屋には壁面設置できない
パワーウォールは屋内にも屋外にも設置することができ、床置き設置か壁掛け設置かを選択することができます。
従来の蓄電池は重いため、壁に設置することができませんでしたが、パワーウォールは他の蓄電池に比べて軽量ですので壁掛け設置が可能になったのです。
とはいえその重量は114kgもあるので、日本に多い木造家屋の壁に設置するのは難しいとのことで、実際に基礎工事をした上での床置きが推奨されているので設置業者と相談してください。
施工費が高い
また施工費が高いというのもデメリットになるかもしれません。とはいえ、施工費に関しては他の蓄電池も同じことが言えるのであまり大きなデメリットではないでしょう。
これは施工業者にもよるでしょうが、他のメーカーの場合本体と施工費用を合わせると1kWh当たり15万円~28万円が相場になります。
これは1kWh当たりの容量や、蓄電池の重さによって施工費用が変わるとのことですので、仕方ない部分ではああるでしょう。
そうなると5kWhの容量の蓄電池の場合は75万円~140万円となり、パワーウォールのような13.5kWhなどの大容量の蓄電池になると202万円~378万円になる可能性もあるのです。
テスラのホームページには設置費用が40万円~50万円と記載されていますが、これも施工業者との相談になると思うので、設置する際は確認しておいてください。
JET認証を取得していないため補助金が利用できない
リチウムイオン蓄電池は2008年に電気用品安全法の規制対象となっており、「事業の届出」、「技術基準の適合義務」、「検査等の義務」及び「表示の義務」が発生します。
第三者機関である「JET(一般財団法人 電気安全環境研究所)」から適用規格への適合性と工場の品質管理体制の確認をクリアすることで「JET認証」を取得、安全性の証明ができるのですが、JET認証は日本における検査基準になっているため、海外メーカーであるテスラはJET認証が取得できておらず、地方自治体からの補助金を受けることができなくなっています。
また、JETのサイトには
JET認証を受けた装置は,一般送配電事業者と発電設備等設置者の連系協議における個別の性能確認試験などの省略が可能となるため,協議・検討に要する期間の短縮化が期待できます。
とあり、JET認証を受けていないパワーウォールを太陽光発電システムと連携して系統連系(電力会社の送配電網に接続すること:余剰売電する場合に必須)する場合、経産省と電力会社の申請 ⇒ 設置認可に時間がかかる可能性も出てきます。
施工業者が限定される
テスラではパワーウォール設置関して一定のサービス水準を保証するために、施工会社に対して認定制度を設けています。
認定施工会社になるためにはパワーウォールに関する研修・適正確認をうけ、カスタマーケアや設置品質に関する厳しい基準を満たすことが必要となります。このため設置できる業者が限定され、需要が増加した場合、設置のための現地調査を受けるまでに時間がかかるケースやエリアによっては対応できないところも出てくると思われます。
テスラのPowerwall認定を受けている施工会社は以下になります。
- 株式会社RST(静岡県)
- 株式会社光設備(愛知県)
- 株式会社SIソーラー(東京都)
- ゴウダ株式会社(大阪府)
- JHS株式会社(広島県)
- 株式会社中部住器(愛知県)
- 株式会社横浜環境デザイン(神奈川県)
- ネミー株式会社(東京都)
- 日本エコライフ株式会社(福岡県)
- 株式会社茂山組(岡山県)
- 株式会社ヤマガタヤ(岐阜県)
- 株式会社西日本ケイエス(熊本県)
まずは他の蓄電池と比較する
今回はパワーウォールのメリットやデメリットについて紹介してきましたが、設置できる環境やどのくらいの容量が必要かは各家庭によって違うでしょう。
流行りに乗って購入するのも良いですが、蓄電池を購入するとなると高額になりますし、失敗してもやり直しがきかない場合がほとんどです。
あとになって後悔しないためにもまずは他社の蓄電池と比較してみるのも良いでしょう。当サイトでも最大5社から無料で一括見積りを行っています。
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監修

エコ発事務局 太陽光アドバイザー
曽山
『誠実、スピーディーな応対』をモットーに日々エコ発を運営しています。 お客様への応対だけでなく全国に数百ある提携業者様とのやり取りをはじめ、購入者様へのキャンペーン企画やウェブサイトの改善など、皆様のお役に立てるよう日々業務に取り組んでいます。 卒FIT後の太陽光発電の活用方法など、お困りごとがございましたら、お問い合わせにてお気軽にご相談下さい。
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