シャープの太陽光発電システム・太陽光パネルの実力とは?特徴などを解説
公開日:2021/06/16 | 最終更新日:2021/08/20

今回はシャープの太陽光発電システムを紹介していきます。
太陽光発電のパイオニアとも言うべきシャープの、太陽光発電システムを掘り下げていきます。
それでは今回の記事のポイントです。
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目次
国内メーカートップを走り続けるシャープ
シャープは世界に先駆けて、一早く太陽光発電システムの開発を行ったメーカーとしても有名です。
シャープの創業者である早川徳次の思いから始まった研究開発により1960年代に太陽光パネルの量産に成功しています。
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(出典:シャープ株式会社「シャープ住宅用太陽光システム」)
1966年に長崎県の灯台に設置された太陽光パネルは、修理を繰り返しつつも現役で発電し続けています。
また多くの大手ハウスメーカーでも採用実績があり、ZEHを多く手がける積水ハウス・セキスイハイムなどで主力製品として採用されています。
現在では、約85万軒に上る実績があり、太陽光発電システムのメーカーとしてはトップクラスの信頼と実績があります。
シャープの太陽光発電システムの特長
シャープの太陽光発電は信頼性も抜群で、単結晶パネルを中心としたシステムのラインナップが多くあります。それでは順番に特徴をみていきましょう。
発電量が高いブラックソーラー
シャープの太陽光パネルの中で最も発電量が高い「ブラックソーラー」について紹介していきます。
高い発電量を生み出す技術的ポイントは2つです。
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(出典:シャープ株式会社「高効率単結晶太陽電池モジュール」)
1つ目は「受光量の最大化」です。
一般的な太陽光パネルは、セル(※太陽光モジュールの発電する箇所の1つの単位)と呼ばれる部分に電気を送るための銅配線があります。
この銅配線の部分は発電できませんが、ブラックソーラーは銅配線を裏側移動して、セル全面で発電することができます。
また商品名の通り、セルが真っ黒であることから反射する光を最小に抑えて、より多くの太陽光発電を取り込みます。
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(出典:シャープ株式会社「高効率単結晶太陽電池モジュール」)
2つ目は「送電/発電に関するロスの最小化」です。
独自の配線シートによって発電した電気の損失を抑え、送電のロスを最小限にしています。
また、セル内部の構造の見直しにより発電した電気のロスを抑えることで発電量を従来品からさらに向上させています。
このように、従来の太陽光モジュール(※太陽光パネルのこと)とは異なった設計によって、モジュール効率は業界トップクラスの19.6%(NQ-256AF)となっています。
生産も、セルからモジュールに至るまで一括で大阪府にあるシャープの自社工場で行われており安心感が高い商品です。
様々な形状の屋根に対応
シャープの太陽光発電システムは主に住宅用として人気が高いです。
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(出典:シャープ株式会社「住宅用エネルギーソリューションシステム」)
理由としては、住宅向けに開発されており、家の設計に適応しやすい工夫がされています。
シャープは現在、単結晶モジュールを主力として製造販売していますが、家の屋根の大きさが限られていると、1枚あたりの発電量が高いモジュールが重宝されます。
また、屋根形状は住宅によって様々です。
通常のモジュールの半分の大きさ、正方形に近い形状のモジュールや、寄棟に対応しやい三角形のパネルなど、種類が豊富にラインナップされていることもシャープの特徴です。
また、外観を気にされて太陽光発電の設置を敬遠される方もいますが、シャープでは瓦屋根のようなモジュールもあります。
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(出典:シャープ株式会社「画像提供:積水ハウス株式会社 様」)
ぱっと見は、太陽光発電が設置されているかどうか分からないぐらいのピッタリな形状をしており、デザイン・意匠性を重視する設計会社からも人気が高い商品です。
特にデザイン性を重視する積水ハウスや大和ハウスも採用していますが、1枚あたりの発電量は通常のモジュールに比較すると劣ります(51~65W / 枚)
蓄電池後付け可能パワコン
シャープではパワーコンディショナー(以下パワコン)も全て自社生産を行っており、屋外屋内用・マルチ/集中型など、多くのパワコンを自社製造しています。
パワコンはモジュールで発電した電気を、家の中で使える電気として変換する機械ですが、どうしても変換する時にロスが発生します。
シャープの高変換効率パワコンでは、業界トップクラスの96.5%の変換効率性能があり、発電した電気の変換時のロスを最小限に抑えます。
また太陽光発電をお考えの方で、蓄電池も一緒に設置したいお考えの方もいると思います。
ただ「まだ蓄電池は早い」「蓄電池まで予算が回せない」という方も多いのではないでしょうか。
そんな方にピッタリのパワコンが、シャープから発売されました。
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(出典:シャープ株式会社「住宅用エネルギーソリューションシステム」)
シャープの蓄電池は太陽光発電で作った電気を、通常時も停電時も無駄なく活用できる「ハイブリッド型蓄電池」です。
このハイブリッド型蓄電池を後付けで設置する場合、太陽光発電のパワコンは蓄電池と連携ができるパワコンでなければなりません。
そのため、通常のパワコンが設置されている家庭で、ハイブリッド型蓄電池をリフォームする場合、太陽光発電のパワコンも入替になります。
定価で約20~40万円もするパワコンの費用が加算されてはコストアップしますが、後付け対応パワコンはその心配は不要です。
蓄電池も見据えている方は、このパワコンの採用をぜひおすすめします。
価格
シャープの代表的な太陽光モジュール、パワコンの定価がこちらです。
- ブラックソーラー・256Wタイプ(NQ-256AF):161,040円(税込)
- 単結晶ソーラー・250Wタイプ(NU-250AJ):137,500円(税込)
- 瓦型モジュール・65Wタイプ(NU-65K5H):オープン価格
- 屋内屋外兼用 5.5kWパワコン(JH-55JB4):437,800円(税込)
- 屋外用 蓄電池連携 5.5kWパワコン(JH-55KF4B):474,100円(税込)
- 屋外用 ハイブリッドパワコン(JH-5KT3B):474,100円(税込)
品質面
太陽光発電の品質に関してはJIS規格という日本の工業規格や、IEC規格という国際基準よりも厳しい試験をクリアしたモジュールで設計されています。
行われる試験は以下のような試験です。
- ヒョウや石の落下などによる衝撃耐久試験
- 長時間安定した発電ができるかの照射試験
- 強風や積雪などの耐荷重試験 など
このような試験を経て、日本の厳しい四季の変化に耐える製品となっています。国内メーカーの太陽光モジュールに関してはこの品質面で差が出てきます。
年中、紫外線や高温に晒される場所で簡単に取り外しや点検ができない屋根の上、ということも加味して品質面で安心できる太陽光発電を選ぶことは非常に重要です。
保証内容
シャープでは太陽光発電システムとしての保証内容も充実しています。
商品によって保証内容が異なり、ブラックソーラーとそれ以外の商品で内容を分けて解説していきます。
ブラックソーラー(モジュールのみ)
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(出典:シャープ株式会社「住宅用エネルギーソリューションシステム」)
ブラックソーラーのプレミアム保証の内容は、次の通りです。
- 出力保証:20年(公証最大出力に対する発電量の保証)
- 機器瑕疵保証:20年(機器の故障に対する保証)
~10年 | モジュール最大出力の90% |
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11~15年 | モジュール最大出力の85% |
16~20年 | モジュール最大出力の80% |
ブラックソーラーは、シャープの中でも保証内容も充実した内容になっており保証に関する費用も無償です。
ブラックソーラー以外のモジュール・パワコンなどの周辺機器
シャープの太陽光発電システムは、無償の保証プランと有償でさらに期間を延長できるプランの2種類があります。
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(出典:シャープ株式会社「住宅用エネルギーソリューションシステム」)
モジュールの保証内容(無償)
- 出力保証:10年(公証最大出力に対する発電量の保証)
- 機器瑕疵保証:10年(機器の故障に対する保証)
モジュールの保証内容(有償)
- 出力保証:15年(公証最大出力に対する発電量の保証)
- 機器瑕疵保証:15年(機器の故障に対する保証)
~10年 | モジュール最大出力の90% |
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11~15年(有償の場合) | モジュール最大出力の85% |
おすすめは有償の延長プランです。
有償と言っても金額としてはそこまで高額ではなく、1回の故障でかかる費用よりも少ない可能性が高いです。
10年目以降は、特にパワコンを中心とする周辺機器での故障リスクに備えたいです。
保証加入の料金については、太陽光発電の容量によって異なります。
平均的な5kWであれば、27,500円(税込)です。
※目安金額:2~3kW/15,400円 ~ 10~11kW未満/53,020円
また、国内にも多くの営業所・サービスセンター・提携業者が多くメンテナンスの際には迅速に対応してくれる点は安心感が高いです。
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(出典:シャープ株式会社「住宅用エネルギーソリューションシステム」)
そして、シャープのHEMS「COCORO ENERGY モニタリング」もよる故障監視サービスもあります。
緊急性の高いエラーや、長期間通信ができないなどの機器故障の「モニタリング基本機能」と、発電量が低い状態の通知などの「モニタリング発電診断」の2つのサービスです。
「モニタリング基本機能」は、保証期間中は無償ですが保証期間外は月額220円(税込)、「モニタリング発電診断」は保証期間は関係なく月額220円です。
シャープのクラウド蓄電池・HEMSとの連携
シャープは、太陽光モジュールの実力はお墨付きですが、今後は発電した電気は自家消費の時代へ。蓄電池・HEMSなどとの連携がより重要になってきます。
蓄電池などの機器との連携も紹介していきます。
容量が豊富なハイブリッド型蓄電池+HEMSでできること
シャープは太陽光発電だけでなく、蓄電池のシェアも高く人気があります。
蓄電池の容量は4.2kWh、6.5kWh、8.4kWh、9.5kWhの4種類あり、組み合わせによって増設が可能なことも特徴です。
特に9.5kWhのJH-WB2021は、水害対応と屋外設置時の災害対策も考えられています。
蓄電池の運転モードは、主に2つです。
- 太陽光発電での余剰電力を売電する「経済性モード」
- 余剰電力を蓄電池へ貯める「クリーンモード」
太陽光発電の電気は、売電しても一昔の頃と比べると安い単価での買い取りになっており、蓄電池に発電した電気を貯める「クリーンモード」で使う方が増えてきています。
シャープの蓄電池に関してはこちら
シャープの蓄電池の実力とは?価格帯・容量も多様なラインナップ【国内出荷量ナンバー1】
HEMSを追加することで「できること」
太陽光発電と蓄電池のセットから、さらにシャープのHEMSを導入することで「天気予報連動」によって、より賢く太陽光発電の電気の運用をしてくれます。
■翌日が晴れと認知した場合
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(出典:シャープ株式会社「住宅用エネルギーソリューションシステム」)
翌日の太陽光発電の発電量を予測し、各家庭の電力使用状況も考慮して、余剰電力を算出します。
本来、深夜電力でお湯を沸かすエコキュートや、電気をためる蓄電池を、翌日の発電量を想定して必要以上に電気を使わずに空けておきます。
そして翌日に、クラウド上のAIで予測した余剰発電を蓄電池・エコキュートへ割り当てて昼間の発電した電気でお湯を沸かしたり、充電したりします。
天気予報連動であることから自動で運転してくれるので、手間いらずです。
■気象警報で蓄電池へ充電
停電のリスクが高い気象警報(大雨・洪水・暴風等の警報)が発令された情報をHEMSがキャッチして、自動的に蓄電池へ充電を開始します。
これにより、万が一停電になった時に蓄電池が満充電に近い状態で迎えることができます。
こちらも自動で運転をしてくれるため、外出していて操作などが家でできなくても安心です。
HEMSに関して詳しくはこちら
HEMSって付けて意味あるの?HEMSの基礎と活用方法を詳しく解説します
まとめ
ここまでシャープの太陽光発電システムを中心としたエネルギー機器の実力を紹介してきました。
冒頭で紹介した結論に少し補足を入れて、もう一度みてみましょう。
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