知らないと損をする!?エコキュートや太陽光発電などのオール電化機器の新常識!
公開日:2021/11/04 | 最終更新日:2023/02/20 | カテゴリ:太陽光発電の基礎知識

エコキュートやIHクッキングヒーター、太陽光発電などの基本的なオール電化関連機器。
今回はオール電化機器の基本的な機能、オール電化によるメリット、反対に気を付けるべき点やデメリットなどを紹介していきます。
知っておくとトクな豆知識もお伝えしますので、オール電化の方も改めて見て損しない記事になっています。
それではこの記事の結論です。
- エコキュートは電力プランによっては深夜電力でお湯を沸かすと損な場合がある
- 電力プランと契約売電単価によっては、昼間にエコキュートを沸かすと良い
- 最新式のエコキュートは太陽光発電との連携が考えられている機能がある
- 太陽光発電の電気を、電気自動車へ充電するとガソリン代の代わりになる
- IHクッキングヒーターは最新の機能が増えており、料理の幅が広がって、 より楽しくオール電化ライフをすごすことができる
目次
エコキュートはランニングコストがリーズナブルな給湯器
エコキュートとは、安い深夜電力でお湯を沸かして、そのお湯をためておき必要な時に使う給湯器です。
ヒートポンプという技術を使っており、空気を圧縮したときにできる熱を利用することで、ヒーター等に比べて省電力で熱を生み出すことができます。
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(出典:一般財団法人ヒートポンプ・蓄熱センター「ヒートポンプとは」)
なお、「エコキュート」は一般的な用語になっていますが、正確には関西電力の商標商標でもあります。
オール電化が始まった頃に発売されたエコキュートに比べ、昨今のエコキュートは真空断熱になっており断熱性能が格段にアップしています。
それに加えて、お湯を沸かす効率もアップしており、少ないエネルギーでお湯を沸かして、高温のまま保温しておくことができる給湯器です。そして電気温水器からの買い替えでも、相当な経済メリットが出ることが期待されます。
電気温水器を10年以上使っている方は特に必見の記事です。それではエコキュートの新しい使い方を、順番にみていきましょう。
深夜電力を使わないオール電化
エコキュートは深夜電力でお湯を沸かして、日中~夕方にそのお湯を使う、というのがセオリーでした。
ただ昨今のエコキュートは深夜電力ではなく、太陽光発電の電気を使って真昼間にお湯を沸かす方法が主流になりつつあります。
理由は「深夜電力がリーズナブルでなくなってきから」です。

冒頭の説明で「安い深夜電力でお湯を沸かし…」と紹介しましたが、実はその深夜電力が安くなくなってきています。
オール電化が導入された頃は、深夜電力の電力単価が1kWhあたり約10円以下で利用できました。しかし現在、新規で時間帯別契約に加入される方は、深夜電力の単価としては平均的には15円前後です。
東京電力では17.78円 / kWh(スマートライフプランS / L)です。
さらにここに、「再生可能エネルギー賦課金」という追加料金が加算されています。
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(出典:経済産業省 資源エネルギー庁「固定価格買取制度とは」)
太陽光発電の余剰電力の買取金額の原資になっているお金ですが、国民全体から徴収するという法律によって、使用電力に2021年度は+3.36円が追加されます。
この再生可能エネルギー賦課金をプラスオンすると、実質の深夜電力の単価としては21.14円になります。
これはひと昔前に比べると、倍額に相当する値上がりになっています。
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(出典:経済産業省 資源エネルギー庁「第2部 エネルギー動向 第1章 国内エネルギー動向 第4節 二次エネルギーの動向」)
しかも、使用電力「量」も上図のように年々増加傾向にあり、今後も増加すると見込まれています。
高い電気単価となっているにも関わらず、それでもなお電力需要は生活の利便性向上と共に上昇傾向です。
太陽光発電の買取金額の方が安い
ここで少し話しが逸れますが、2021年度の太陽光発電の余剰電力の買取単価は19円 / kWhです。
先ほどの例で示した東京電力のスマートライフプランS / Lの場合、太陽光発電の買取単価より深夜電力の方が高くなっている逆転現象が起きています。
太陽光発電は当然、設置にはコストがかかるとは言え、一度設置すれば「タダで電気が発電できる機械」です。
このタダで作った電気を、どう活用するか?がココの話しのポイントです。
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(出典:一般社団法人エネルギー情報センター「新電力ネット 電気料金単価の推移」)
- 19円で売って21円の電気を使ってお湯を沸かすか?
- 21円の電気を使わずに、19円で売れるはずの電気を使ってお湯を沸かすか?
どっちがトクでしょうか?
少しナゾナゾみたいになってしまいましたが、「安い単価でしか売れない」のであれば「売らずに自分で使った方が良い」わけです。
売ってしまうと「代わりに買ってくる電気が高い」のですから。
こうなってくると、太陽光発電の余剰電力はどんどん売電して儲ける!という時代から「どれだけうまく太陽光発電で発電した電気を自家消費するか」という運用方法に変わってくるわけです。
現在、太陽光発電や蓄電池に関わる展示会などに赴いても、「時代は自家消費」というキーワードを多く目にします。
売電単価は2022年度は17円 / kWhと既に決定しており、今後も下がり続けていくことが明白です。
「発電してどんどん売って収入で相殺・儲ける」という時代から、「適度に発電して自給自足の割合をどこまで高められるか」という時代へ移行してきています。
最近のエコキュートは太陽光発電との連携あり!
最近発売されているエコキュートは、このような電力プランで導入される方が増えてきたため、太陽光発電と連携するエコキュートが発売されてきています。
例えば、パナソニックのエコキュートは「ソーラーチャージ機能」で太陽光発電の余剰電力を使ってお湯を沸かします。
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(出典:パナソニック株式会社「エコキュート」)
太陽光発電のメーカーは問わずに、一般的な余剰買取で運用する太陽光発電システムが設置されていれば使うことができます。 昼間にお湯を沸かす電力に、太陽光発電の余剰電力を充てて、深夜電力ではお湯を沸かす量は最小限にします。
スマートフォンと連携させることで、ウェザーニューズの天気情報を取得し、翌日の天気に応じて深夜電力で沸かす量を最適化してくれます。
翌日が晴れ予想であれば深夜電力での湯沸かしは最小限、翌日が雨で発電が期待できなければ深夜電力でほとんど沸かします。
以前はHEMSがないと使えなかった機能でしたが、2021年新商品からはHEMS以外のアプリ経由でも同様の機能があり便利になっています。
このような機能が付いている背景としては、先述した「深夜電力が高くなってきて、売電するより自家消費した方が良い」ケースが多くなってきているからです。
新規で太陽光発電を設置する方はもちろん、FITの買取が終了(10年間の固定価格買取)した方は、売電単価が10円以下になってくる家庭が大半です。
こういった場合にも、エコキュートの故障による入替・リフォームの際にエコキュートを最新機種へ切り替えてみると、より節約ができるかも知れません。
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余剰電力をEVへ充電すればソーラーカーへ!

エコキュートを昼間に沸かすのと同じように、余剰電力を有効活用させる新しい選択肢は、電気自動車(EV)です。
電気自動車は家で充電できる点が便利ですが、その充電する電気を太陽光発電の余剰電力にすると「ガソリン代(走行にかかるエネルギー)が実質タダ」にすることもできます。
また車種や充電ケーブル等によっても充電できる出力が異なりますが、おおむね200Vの15A、すなわち3kW程度で充電することができます。 「EVへ充電するだけ」であれば大がかりな設備も不要、屋外コンセントを1個つけておくだけです。
太陽光発電は南面屋根に5~6kW載っていれば、晴天時の発電量としては4kW程度は発電できると思われます。
4kW発電しているうちの、1kWを自家消費していたとしても、電気自動車といった電気を多く消費できる機器へ充電することで、オトクに自家消費ができます。
さて、太陽光発電(例:5kW・南面)のエネルギーでどれくらい電気自動車が走れるか?というと、だいたい1日分の発電分(発電量の60%)を充電したとすると約80km分ぐらいになります。
※1日の発電量:20kWh
※自家消費率:30%(6kWh分)
※電気自動車への充電量:60%(12kWh分)
※電費:150W / km(テスラモデル3参考)
80km分の走行エネルギーが太陽光発電で実質タダで生み出される、というメリットは非常に魅力的です。
ガソリン代が高騰していますので、例えばリッター10Lの車で考えれば発電した電気が約1,200円分のガソリン代(150円 / L)の代わりに変身したわけです。(2021年10月時点)
自動車そのものを電気自動車や、PHEVに替えるということが必要ではありますが、今後はこのような太陽光発電の新しい活用方法もありではないでしょうか。※太陽光発電の出力が低下してくると系統からの充電に自動的に切り替わります
V2Hはオトク?
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(出典:日産自動車株式会社「リーフ 蓄電池利用」)
V2H(VEHICLE TO HOME)、すなわち電気自動車から住宅側へ電気を供給するシステムのことです。
このシステムがあると、電気自動車が蓄電池の代わりをすることができ、普段時・災害時に車にたまっているエネルギーを活用することができます。
V2Hシステムには、メリットとデメリットがありますので、その点も理解した上で検討する必要があります。
まずV2Hのメリットは、電気自動車を格安の蓄電池として利用できる点です。
V2Hが利用できる車種は日産のリーフが主流ですが、年式やタイプにもよりますが20kWh~62kWhまでの電池を搭載しています。
(※2021年時点での新車販売モデルは40kWh・62kWhの2タイプ)
中古市場で出回っているリーフを購入すればさらに安い価格で購入できます。
住宅用蓄電池は5~15kWhで数百万円の価格がしますが、中古のリーフを蓄電容量の割にオトクな蓄電池として考えると、非常に安価になります。
反対にデメリットは電池劣化を早めることと、車として外出している時は使えない、ということです。
V2Hでは急激な電池の充放電を繰り返すため、電池の寿命としては短くなってしまう点が最大のデメリットではないでしょうか。
セカンドカーとして蓄電池代わりに導入する、という感覚ぐらいでまずは導入すると良いでしょう。
V2Hに関して詳しくはこちら
太陽光発電と蓄電池・V2HとHEMSの連携でエネルギーの自給自足が実現?
IHクッキングヒーター
IHクッキングヒーターでは、最新の機種でできるコトを紹介していきたいと思います。
最新のIHでは、最新機能により料理の幅も広がって楽しいオール電化ライフになるでしょう。
三菱電機のIHは対流煮込みができる
三菱のIHは「びっくリングIH」といって、大きな鍋でも対応できるIHが人気です。
IHならではの特徴ですが、加熱する箇所を自在に変えることで、煮込み料理のときに大事な対流をつくりだします。この対流で料理にまんべんなく火と旨味が通ることが特長です。
また最新機種では、魚焼きグリル部が電子レンジになっている機種もあり、使い勝手も向上しています。
パナソニックのIHはグリルで色んな料理ができる
パナソニックのIHで特徴的な機能は「ラクッキンググリル」です。
従来の魚焼きグリルは、掃除が面倒・ニオイがつくなどの理由であまり活用されてきませんでした。
ラクッキングリルならフラットな庫内で掃除が非常にラクなことと、IHヒーターを活用して加熱するので料理の幅が広がります。
魚焼きだけでなくパエリア・鶏の香草焼きなどが楽しめます。
監修

エコ発事務局 太陽光アドバイザー
曽山
『誠実、スピーディーな応対』をモットーに日々エコ発を運営しています。 お客様への応対だけでなく全国に数百ある提携業者様とのやり取りをはじめ、購入者様へのキャンペーン企画やウェブサイトの改善など、皆様のお役に立てるよう日々業務に取り組んでいます。 卒FIT後の太陽光発電の活用方法など、お困りごとがございましたら、お問い合わせにてお気軽にご相談下さい。
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