エコキュートのシャワーの水圧の低さの真相は?
公開日:2022/03/06 | 最終更新日:2022/03/02 | カテゴリ:エコキュート

今回は、エコキュートのデメリットの1つであるシャワー圧が低いことについて深堀していきます。
ガス給湯器から、エコキュートへ入替を検討している方も、シャワー圧が低いという情報から心配されている方もいるのではないでしょうか。
結論から申し上げると、日常生活に支障が出るレベルではありませんが、毎日のことなので気になることも多いでしょう。
安心して導入していただくために、
- 実際のレベルや口コミなども含めてどうなの?
- エコキュートでもシャワーの圧力が気になる場合はどうしたらいいの?
このような疑問を解消していきます。
それでは、今回の記事のポイントをみていきましょう。
|
目次
エコキュートのシャワー圧が低い理由は「減圧弁」

ガス給湯器は、水道管を直接温めてお湯を作り出しています。
それに対してエコキュートは、貯湯タンクと呼ばれるタンクにお湯をためて、そのお湯と水道を混ぜてシャワーや蛇口から出します。
シャワーで水圧が弱く感じる原因は、この貯湯タンクにあります。
貯湯タンクは水道管から直接水を引いていますが、水道は常に水圧がかかっている状態であり、タンクには常に水圧がかかり続ける状況です。
水道圧は地域差があるとはいえ、平均的に常時500kPaの水圧がかかっており、この水圧にタンクが耐えられず減圧弁という装置を用いて、わざと水圧を落としていることが原因になってきます。
一般的なエコキュートのシャワー圧は、こちらの通りです。
- 各メーカーでの一般的なモデル:170~210kPa
- 各メーカーの高圧パワフルモデル:280~320kPa
※水道直圧:約500kPa
各メーカーのエコキュートを比較する際には、仕様書などに記載されている貯湯タンクの「減圧弁設定圧力」や「水側最高使用圧力」の数値を確認すると分かります。
通販サイトの口コミをチェック
筆者もエコキュートの販売に関わっていた経験もありますが、水圧が低いことに関してご不満を言われた経験がないわけではありません。
ガス給湯器と比べると確実にシャワーの水圧は弱く、最初使う時は水栓が全開?と思う方が多いのではないでしょうか。
ただ、基本的には使用自体には特に不自由が生じるレベルではないため、みなさん多少弱いなと感じつつも、通常通り使用されている現状です。
実際に、購入前から分かっている方からのご不満はあまりなく、パワフル給湯タイプを設置された方からも、そのようなお声はほとんど聞きませんでした。
また、楽天市場の口コミを検索してみたところ、シャワー圧が高いタイプを購入されている方は比較的満足度が高めです。
「エコキュート 水圧」と検索をするとシャワーヘッドも検出されてきますが、昨今流行りのウルトラファインバブルなどのファインバブル対応の美容シャワーに変えると、シャワー圧がさらに下がってしまった、という口コミも見られます。
シャワー圧が気になる方は、このようなマイクロバブル対応商品への入替でシャワー圧がさらに下がってしまうことも考慮に入れておきましょう。
◆口コミ1(エコキュート買い替え)
15年前のナショナル製品からの買い替えです。 まず、水圧が強くて快適です。
(購入製品:三菱・SRT-S435UZ ※ハイパワー給湯タイプ)◆口コミ2(エコキュート買い替え)
以前と同じく日立製ですが、とにかく水圧がパワフルでお湯も以前のタイプよりも、ソフトに感じます! シャワーの出が強くなったのは、本当に嬉しいデス!
(購入製品:日立・BHP-F37TD ※水道直圧給湯 )◆口コミ3(マイクロバブルのシャワ―ヘッドの口コミ)
うちはエコキュートなのでエコキュートの設定が水圧弱めなんです。 水ではかなり水圧も良い感じなんで、夏場は良いとおもいます。
(購入製品:マイクロナノバブル・シャワーヘッド)◆口コミ4(低水圧シャワ―ヘッドの口コミ)
エコキュートでLIXILシャワーを使用しており、水圧に満足できておらず、今回購入してみました。結果、水圧は弱いモードは今までより弱く、強いモードで今までより少しは強くなった感じです。
(購入製品:低水圧・節水シャワーヘッド)
シャワー圧が気になる方への対策
それでは、購入するなら給湯器はエコキュートにしたいけど、シャワーの圧力が気になる!という方向けに対策を4つ紹介していきます。
水道直圧給湯タイプ(日立製)を導入する
まずはシャワーで水道直圧の水圧がいい!という方には、日立製作所の「水道直圧給湯(ナイアガラ給湯)」タイプをオススメします。
日立製作所の水道直圧給湯タイプは、貯湯タンクにたまっているお湯を直接使うのではなく、タンクの熱だけを使うことでシャワー圧を落とさないエコキュートを実現しています。
![]()
(出典:日立グローバルソリューションズ株式会社「エコキュート主な特徴」)
上図のイラストを解説していきます。
給水管から来た水が、貯湯タンクへいく経路と、シャワーなどへ直接繋がっている経路に分岐しています。
シャワーや蛇口へ辿り着く途中に、「プレート式給湯熱交換器」というものを使い、貯湯タンクにたまっているお湯の熱だけを、給水管に伝達してお湯を作ります。
これによって、シャワーは水道圧を落とすことなく利用することができます。
また日立製作所は、井戸水などにも対応した機種もありますので、水質や水圧に困っている方は日立製作所のエコキュートから検討してみるといいでしょう。
パワフル高圧タイプを導入する
![]()
(出典:ダイキン工業株式会社「エコキュート機能」)
各メーカーで、水圧を強化したタイプを販売しています。
これらは日立の水道直圧給湯とは異なり、一般的な貯湯タンクに貯めた高温のお湯と、水道管の水を混ぜて40℃程度で出湯するタイプのエコキュートです。
一般的なモデルのシャワ―圧が、170~210kPaであるのに対し、各メーカーの高圧パワフルモデルは280~320kPaとなっており、快適にシャワーを使う事ができます。
主要メーカーの中では、ダイキンの「パワフル高圧給湯タイプ」が最も水圧が高く設定されており、320kPaとなっています。(2022年時点)
各メーカーのパワフルタイプの水圧一覧です。
- 三菱:290kPa(ハイパワー給湯タイプ)
- パナソニック:280kPa(パワフル高圧タイプ)
- ダイキン:320kPa (パワフル高圧給湯タイプ)
- 日立:500kPa(水道直圧給湯タイプ)
- コロナ:290kPa(高圧力パワフル給湯タイプ)
- 東芝:300kPa(パワフル給湯タイプ)
- 長府製作所:300kPa(高圧パワー給湯タイプ)
貯湯タンクの湯温を上げる

減圧弁の説明のときに、タンクの高温のお湯と水道を混ぜて40℃程度のお湯を作る、と紹介しました。
タンクから出すお湯は減圧弁で水圧が弱まっていますが、混ぜる水道側の水圧は500kPaです。
そのため、貯湯タンクから混ぜるお湯の比率を減らせば、水道側の比率が高くなりそれに伴い水圧も上がります。
劇的な変化までは見込めませんが、水道側の比率が上がった分だけシャワー圧が改善します。
方法としては、エコキュートのタンク内の温度を設定で高くすることで実現しますので、既にエコキュートの水圧で少し不満に思っている方なども試してみると良いでしょう。
サーモスタットという温度を調整する部材でお湯と水を混ぜますが、同じ水温を実現しようとすると、貯湯タンクのお湯側の湯温を高くする必要があります。
シャワーヘッドを交換する

シャワーヘッドでもシャワーの水圧が改善します。
通販サイトでも「低水圧用シャワーヘッド」と検索することで、様々な商品が出てきます。
一般的なシャワーに比べて、穴の数が少ない・穴が小さい・散水板の面積が小さいことで、同じ水圧でも1つの穴から出る水圧を上げて、体感の水圧を上げます。
今まで使っていたシャワーに比べて、お湯が当たる面積が少なくなる可能性もありますので、商品を選ぶ際にはそのあたりも注意しましょう。
また、低水圧シャワーは水圧が改善するだけでなく、節水にもつながりますので、水道代の観点からもオトクになる可能性もあります。
まとめ
まとめとしては、エコキュートを導入する際にシャワー圧が気になれば、パワフルタイプを導入する方法で、おおかた解決します。
どうしても高いシャワー圧を希望する場合は、日立の水道直圧給湯タイプ(ナイアガラ給湯)を選択し、ある程度シャワー圧が強い方がいいな、と思う方はパワフル給湯タイプの選択をオススメします。
日常生活では毎日使うことになるシャワーのため、ご家族と相談して決めていきましょう。
監修

エコ発事務局 太陽光アドバイザー
曽山
『誠実、スピーディーな応対』をモットーに日々エコ発を運営しています。 お客様への応対だけでなく全国に数百ある提携業者様とのやり取りをはじめ、購入者様へのキャンペーン企画やウェブサイトの改善など、皆様のお役に立てるよう日々業務に取り組んでいます。 卒FIT後の太陽光発電の活用方法など、お困りごとがございましたら、お問い合わせにてお気軽にご相談下さい。
家庭用・産業用蓄電池の
無料一括見積もり