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断熱性による光熱費削減は実は大したことがない?実態を検証しました!

公開日:2021/11/18 | 最終更新日:2021/11/19 | カテゴリ:省エネ全般に関する記事一覧

断熱性による光熱費削減は実は大したことがない?実態を検証しました!

昨今の新築住宅では、耐震性・耐久性といった住宅の性能として、断熱性も一般的に比較されるようになってきました。

ハウスメーカーや、地域の工務店でも非常に高い断熱性能を持つ会社も出てきています。

確かに断熱性能を向上させると、エアコンの効きがよくなる、光熱費が下がります。

しかし断熱性を上げた場合、具体的にどれくらい光熱費が安くなるの?という疑問を持ったことはありませんか?今回はそれについてお答えしていきます。

それでは、今回の記事の結論です。

  • ZEHレベルの断熱性能による光熱費削減額は約13,800円 / 年間 (H28省エネ基準比)
  • 断熱性能の向上は、居住の快適性を向上させることができます。
  • 健康寿命などにも影響し、ヒートショックなどを防止できる。
  • 光熱費を削減したいのであれば、省エネ性能の高い機器を導入するほうが効果的
  • 太陽光発電、エコキュート、蓄電池が光熱費削減には影響が大きい

UA値は断熱性能を表す指標

住宅展示場などで話を聞いてくると、必ずと言っていいほど出てくるUA値。

これは外皮性能といって、家の四方(壁・床もしくは基礎・天井もしくは屋根)がどれだけ熱を通しにくい素材で構成されているか?を計算してはじき出す性能値です。

数値が低い程、性能が高いということになります。

各社この数値を下げる工夫などを行って、10年前と比べると住宅業界全体の性能があがっています。

UA値のカンタンな解説

まずはUA値とは、家の四方からどれだけ熱が逃げていくか?を平均値として表したものです。

(出典:株式会社一条工務店「高断熱構造 「外内ダブル断熱構法」」)

以前はQ値という数値が使われていました。

Q値も同じように家の四方からどれだけ熱が出ていくか?を表した数値ですが、違いとしては「床面積で割り算をしている点」と「換気エネルギーが考慮されている点」の2つです。

床面積で割り算をしてしまうと、同じ断熱性能を持った家でも小さい家は有利になり、正確な数値が出にくいというデメリットがありました。

そのため、壁・床(もしくは基礎)・天井(もしくは屋根)のそれぞれから、それだけ熱が逃げるか?逃げにくいか?を計算して、平均したUA値を計算します。

換気のエネルギーロスについては、UA値では考慮されないため、別の「一次エネルギー消費量計算」で考慮されることになりました。

そして、この計算で出てくるUA値には、国が定めた基準があります。

(出典:経済産業省「経産省・建築物エネルギー消費性能基準等小委員会の審議 結果等について 」)

このように、北海道から沖縄まで8つのエリアに分けて、最低限守るべき断熱性能基準を設けています。

2021年現在は「努力義務」となっていますが、多くの工務店・住宅会社で上記の性能はクリアしている印象です。

北海道のような寒い地域は、元々しっかりとした断熱性能が求められていますが、東京や大阪といった5地域以南(図ではオレンジ色~赤色)の地域はそこまで高い断熱性能がなくても家は建てれます。

しかし、補助金などが出る高性能住宅は、もっと高い断熱性能で設計されます。

大手ハウスメーカーでは、ZEHレベルの性能が当たり前になってきており、性能にこだわる工務店などは、ZEHレベルより高い基準である「HEAT20」のレベルまで高めてきています。

このようにUA値は、住宅を建てる際の基準として重要な指標になっています。

なお、ZEHとは「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」の略で、断熱性能を高めることと、省エネ機器を使ってエネルギー消費量を基準から20%以上削減。さらに太陽光発電で、そのエネルギーを実質的に帳消しにしている家のことです。

ZEHを達成するために第1ステップとして、上図のように基準から断熱性能であるUA値を向上させる必要があります。

ZEHの詳細については、【2021年度】ZEHとは?ZEH住宅の基本から補助金の上手い獲得手法を解説をご覧になってください。

断熱性能を高めて安くなる光熱費は年間13,800円

さて、皆さんが気になっている光熱費の削減額です。

地域差がかなりありますので、今回は東京で一般的な家(120㎡)をモデルケースにして計算してみます。(エネルギー消費性能計算プログラム ver 3.1.0を使用)

※6地域・120.08㎡の一次エネルギー消費量のモデルケースを使用
※照明は主たる居室・居室は両試算ともLEDへ変更

上図での試算結果で、国が定める基準からZEHレベルまで断熱性能のみを高めた場合、光熱費に換算した削減額は約1,150円 / 月。

年額にすると、約13,800円の光熱費削減額になります。

高断熱になった分、暖房や冷房に使うエネルギーが減ったことによる光熱費削減、ということになります。

標準仕様がZEHレベルである家であればよいですが、オプションとして数十万円~単位でお金をかけても、光熱費だけの観点から見ると正直割が悪い気がしてきますね。

ただし、単純に「元が取れないから断熱性能を上げる意味はない!」ということではありません。

そう言える理由と、実際に光熱費をグッと下げるための方策をみていきましょう。

断熱性は数値に表れない温かさ・健康に直結

数値だけを見ると、断熱性を上げてもあまり意味がない?と思う方もいるかも知れません。

ただ結論から申し上げると、「一定以上の断熱性能はあった方が良い」です。

一定以上とは、おおむねZEHレベル~HEAT20 G1レベルの断熱性能です。

まず断熱性能を上げると良いことは、光熱費以外にはエアコンの効きが良くなること、または特に冬季にわかりやすい壁・窓・床から伝わってくる冷たさが軽減されます。

(出典:国土交通省「国土交通省補助事業 住宅省エネルギー技術講習テキスト」)

上図のように昭和に建築された一般的な住宅は、全体的に青色が多く肌寒さ感が画像からもわかります。

ただ、次世代省エネ基準として国で設定されている基準レベルでは、寒さ感が軽減されています。

さらにZEH~HEAT20グレードまでの住宅になってくると、黄色が増えてきて四方から伝わってくる冷たさが非常に少ないです。

単純な室温だけでなく人間が感じる輻射熱による効果が、断熱性を上げることで改善されます。

そして、こういった効果は家全体に効果が生まれてきますので、廊下や玄関、洗面所といった場所も必然的に寒くなりにくいです。

断熱性能を高くなることで、居室・非居室における温度差も少なく、ヒートショックを起こしにくい過ごしやすい家になってきます。

なお、ヒートショックとは急激な温度差による血圧の上下で、心臓に負担がかかり死に至ることもある現象です。

よく冬季にこの現象で亡くなる方が少なくなく、毎年全国で約19,000人の方が亡くなっています。

交通事故での死者数が約4,000人ということを考えると約3倍の多さであり、他人事ではありません。

そのため、断熱性能はZEHレベル相当にはあげていく必要があります。

ただ、ここからは個人のこだわりもある部分ですが、筆者としては断熱性能は光熱費・居住性の観点から、ZEHレベル~HEAT20 G1相当で良いと考えています(5・6・7地域では)。

快適性に関しては、ZEHレベルを超えてくると体感的には、差がかなり少なくなくなってきます。

(出典:経済産業省 自然エネルギー庁「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス支援事業 調査発表会2020」)

この根拠は、上図にある通りZEH補助金を受けた方のアンケートからも出ています。

この表は断熱性能ごとに、「冷暖房の効きが悪いと感じた」という項目に対する回答です。(温暖地での6地域のみ)

あてはまらない、あまりあてはまらない、という冷暖房の効きが悪いと思わない比率をみましょう。

【夏】:夏は差が出にくい

  • UA値:0.28W/㎡以下:92.7%
  • UA値:0.28~0.4W/㎡以下:87.7%
  • UA値:0.4~0.54W/㎡以下:87.4%
  • UA値:0.54~0.6W/㎡以下:87.9%

【冬】:あてはまらない割合が高くなるが、概ね不快感を感じない割合は差がそこまでない

  • UA値:0.28W/㎡以下:98.2%
  • UA値:0.28~0.4W/㎡以下:95.0%
  • UA値:0.4~0.54W/㎡以下:89.7%
  • UA値:0.54~0.6W/㎡以下:89.8%

夏季も冬季も、おおむねUA値が0.6W/㎡(6地域の場合)を超えていれば、9割の方で満足している結果になっています。

確かに0.28W/㎡以下になると100%近くの満足度に近くなりますが、コストの問題も一方ではあります。

ZEH~HEAT20 G1から、さらに向上させるG2・G3グレードになってくると、光熱費への影響もかなり少なくなってくる割には、施工費・窓サッシの商品代が上がってきます。

※6地域・120.08㎡の一次エネルギー消費量のモデルケースを使用
※照明は主たる居室・居室は両試算ともLEDへ変更

上図のように断熱性を0.28W/㎡とG2グレードまで上げても、光熱費の削減額は約1,350円 / 月。

その費用を、省エネ機器に回した方が光熱費を下げる効果が実は高いのです。

そのポイントを、ここから解説していきます。

省エネ機器による光熱費削減額は 年間 約50,000円

住宅における光熱費は、断熱性能による保温性も大事ですが、電気を使う機器自体の省エネ性に大きく影響されます。

住宅における省エネ性の計算は、先述で紹介したUA値で表される断熱性能と同時に、一次エネルギー消費量と言われる計算を行います。

これは、UA値を計算した後に、その断熱性能をもった家に、どれだけエコな機器が入っている?という指標になるものです。

地域・家の大きさ・導入する設備機器などによって、基準自体も変動します。(基準一次エネルギー消費量)

この基準に対して、どれだけ年間で使うエネルギーが少ないか?を数値で表します。(設計一次エネルギー消費量)

先ほどの光熱費の計算も、この一次エネルギー消費量から算出しています。

それでは気になる削減額について、みていきましょう。

※6地域・120.08㎡の一次エネルギー消費量のモデルケースを使用

上図では、断熱性能はUA値0.6W/㎡のまま、一般的な設備と「ZEH基準を満たすレベルの省エネ設備」を比較しています。

具体的には、LDKのエアコンを高効率なタイプ、給湯を一般的なZEH基準を満たせるエコキュートへ変更しただけです。

それで月額としては約4,200円、年額では約50,000円の光熱費削減効果が出ています。

断熱のみを変更した場合、年額で約13,800円の削減効果に対して、約3.5倍の効果が出ています。

太陽光・蓄電池でさらに光熱費削減

そして、太陽光・蓄電池を導入していくと光熱費が下がっていきます。

※6地域・120.08㎡の一次エネルギー消費量のモデルケースを使用

上図では、「ZEH基準を満たすレベルの省エネ設備」を導入している住宅に、太陽光発電を5kW搭載(日射区分A4)した場合の試算です。

さらに光熱費が、月額で4,000円程度減らすことができます。

太陽光発電があれば、日中に売電分は収入として電力会社から振込まれますので、実質はさらに光熱費ゼロに近づくことになります。

このように、光熱費の削減を目的とすると、設備機器を充実させた方が効果があることがわかります。

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総括 / 家づくりで大事なコト

ただ、家づくりは光熱費だけで考えるものではありません。

今回は光熱費の削減について着目しましたが、地域に応じた断熱性能、その断熱材の素材、壁材の素材など、様々な項目で自分が思う家づくりをすることが大事だと考えています。

もちろん、光熱費の削減というポイントは1つの項目であり、その重要度は価値観によって異なります。

家づくりにかけることができるコストは、多くの方が限られた予算内で検討します。

こういった客観的な視点を持ちつつ、予算内で分配を行うことが大事です。

キッチンにお金をかけたい方、オープン階段にしたい方、色々な機能や要望があると思います。

ぜひ、ご自身が家づくりで考える優先順位なども、ある程度家族会議で相談してから、ハウスメーカーや工務店に相談にいくと良いでしょう。

監修

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エコ発事務局 太陽光アドバイザー

曽山

『誠実、スピーディーな応対』をモットーに日々エコ発を運営しています。 お客様への応対だけでなく全国に数百ある提携業者様とのやり取りをはじめ、購入者様へのキャンペーン企画やウェブサイトの改善など、皆様のお役に立てるよう日々業務に取り組んでいます。 卒FIT後の太陽光発電の活用方法など、お困りごとがございましたら、お問い合わせにてお気軽にご相談下さい。

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