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EVが蓄電池の代わりになる?V2HとEVの知っておくべきキホン

公開日:2021/11/25 | 最終更新日:2021/11/25 | カテゴリ:EVに関する記事一覧

EVが蓄電池の代わりになる?V2HとEVの知っておくべきキホン

今回は、EV(電気自動車)を住宅用の蓄電池代わりにすることができるV2H(車=Vehicleから家=Homeへ)システムについて抑えておくべきポイントを解説していきます。

2020年以降は、地球温暖化の影響からもガソリン車の割合が減少し、EVの割合が徐々に増え始めていっています。

(出典:株式会社日本経済新聞社「EV有料記事」)

北欧では新車販売の半数以上がEVになってきており、その方向性は世界的なものです。

そんなEVの活用方法の1つであるV2Hを導入するにあたり、みなさんの中に不安も多いと思います。

こちらの記事で、そんな不安を解消していってもらえればと思います。

普段からEVに乗っている筆者が解説する今回の記事、結論からお伝えします。


  • V2Hは、住宅側でV2Hシステムの導入が必須です。太陽光や定置型の蓄電池は必須ではありませんが、組み合わせることで相乗効果が増大します
  • V2Hに対応している車種は、実質的には日産のリーフ1車種
    PHV車は実質的な蓄電容量は限られているため、車種選定の際には注意が必要。
  • EVは蓄電容量が20kWh~、新車で販売されている車種では40kWh・62kWhと大容量(日産リーフの場合)
  • (2021年時点)ニチコンのトライブリッドシステムがオススメ。太陽光発電は5~6kWh以上あれば、日中の充電すれば太陽光発電でEVへ充電も可能
  • 自給自足を目指す、持続可能な社会の実現を目指す一歩であるV2H。災害にも強いといったメリットが多い

V2HはEVを蓄電池にできるシステム

(出典:東京電力ホールディングス「EVDAYZ」)

V2Hは、車=Vehicleから家=Homeへ電気を送ることができるシステムです。

EVは一般的な200V、または100Vコンセントが屋外にあれば単純に充電することはできます。

しかし、車から電気を家へ送ろうとすると、住宅設備として専用のシステムを用意する必要があります。

そのシステムのことを一般的には「V2Hシステム」と呼称します。

それでは、V2Hシステムの概要を紹介していきます。

住宅側のシステム構成

2021年11月時点では、家庭用のV2Hシステムは3社から販売されています。

  • ニチコン株式会社
  • 株式会社デンソー
  • 株式会社東光高岳

V2HでEVから電気を取り出すだけであれば3社、住宅用の蓄電池との連系も考えるとニチコンのトライブリッドシステムの実質一択になっています。

2020年までは三菱電機がV2Hパワコンを製造販売しておりましたが、21年3月に受注ストップ、21年9月には生産終了になっています。

この時点で、よく家庭用の急速充電器(家から車へ充電するだけ)と混合されがちなため、システムを選ぶ際には注意してください。

それでは簡単にV2Hのシステム構成を紹介していきます。

(出典:ニチコン株式会社「トライブリッド蓄電システム」)

まず最低限、必要な条件は自宅と駐車場がすぐ隣接していることです。

V2Hシステムは専用のケーブルを伸ばして車と接続するため、パワコンの設置場所から車の接続口までの距離を予め確認する必要があります。

機種などにより異なりますが、例えばニチコンの「EV・パワーステーション」であればケーブル長さが3.7mと7.5mの2タイプあります。

そして、V2Hで必ず必要なモノは下記です。

  • V2H用パワコン:車から住宅側に電気を送るためのシステム(蓄電自体は不可)

(出典:ニチコン株式会社「EVパワー・ステーション」)

V2Hパワコン(V2H充放電器)は、電気自動車と住宅の分電盤をつなぎ、相互的に電気のやり取りを行うための機器です。

役割としては、車から放電される電気を受け取って、EVに蓄電されている直流電気を家庭で使える交流電気に変換することです。

一方でEVへ充電する場合、家庭用の交流電気をEV用の直流電気に変換する役割も担います。

そして、V2Hシステムに追加であった方がいいアイテムは下記です。

(出典:ニチコン株式会社「EVパワー・ステーション」)

  • 太陽光発電システム:発電した電気を宅内で自家消費、EVや蓄電池へ充電することもできる
  • 住宅用蓄電池システム:車で外出している時も、住宅側での充電・放電ができる
  • HEMS:どこでどれくらいの電気を使っているか分かる、ブレーカーが落ちないように制御することもできる(一部対応機器との連系により)

上記のようなアイテムを揃えることで、住宅・車でのエネルギーの融通し合いができます。

全て揃えることで、最適かつストレスの少ないエネルギー運用が可能になります。

V2Hシステムを選ぶ際は「系統連系タイプ」がオススメ

V2Hシステムには、系統(電力会社から供給されている電気)との上手く連系が取れるタイプと、そうでないタイプがあります。

(出典:ニチコン株式会社「クルマをくらしの電源へ」)

「系統非連系タイプ」は、電力会社からの電気・EVから供給する電気・太陽光で作られる電気、この3つが連系しないタイプです。

系統非連系・V2Hシステムは例えば、EVから放電しているとEVからの電気しか使うことできません。

また、非系統連系型のV2Hシステムは、停電時に太陽光発電からEVへ充電ができないタイプも多く、システムを選ぶ際に注意が必要です。

そのため、基本的には「系統連系タイプ」がオススメです。

太陽光発電を現在~将来にわたって設置する予定がない方であれば、気にする必要はありませんが、太陽光発電を併設する方は「系統連系タイプ」がオススメです。

  • ニチコン株式会社:連系
  • 株式会社デンソー:連系
  • 株式会社東光高岳:非連系

※「SmanecoV2H」は、「系統非連系」タイプでありながら、太陽光発電でつくった電気もEVへためることができます

系統連系であれば、太陽光で作った電気の運用やEVへの充電がスムーズにできます。

そして「押し上げ効果」には注意が必要です。

押し上げ効果とは、EVや蓄電池から宅内で放電することで、太陽光発電の自家消費を減らして売電量を増やすことを言います。

特に2015~2018年度に太陽光発電を設置されている方は、売電単価が下がってしまうので要注意です。

2014年以前、2019年度以降は押し上げ効果による売電単価の変更はないですが、電力会社へ施工店を通じて相談しておいた方が良いでしょう。

V2Hの機器ごとに押し上げの有無、売電単価の認定年度も確認しましょう。

対応する車種は日産リーフがオススメ(2021年11月時点)

ニチコンのEVパワーステーションや、トライブリッドシステムへの対応車種は、以下の通りです。(※2021年11月時点)

     
メーカー 車種 電池容量放電下限
日産自動車 リーフ 62kWh / 40kWh / 30kWh / 24kWh
(年式やシリーズにより異なる)
10%
e-NV200 40kWh / 24kWh 10%
三菱自動車 エクリプスクロス
(PHEVモデル)
13.8kWh 20%
アウトランダー
PHEV
12kWh / 13年式~18年式
13.8kWh / 19年式以降
13年式:40%
14年以降:20%
i-MiEV(EV) 16kWh / 10.5kWh 30%
MINICAB-MiEV VAN 16kWh / 10.5kWh 30%
トヨタ自動車 プリウスPHV 8.8kWh 0%
※実質10%迄

※車種やシリーズ、オプション対応等が必要な場合があり、詳細は販売店に問い合わせください

対応車種は、このように2021年時点で新車として販売が終了しているモデルも含めて7車種あります。

日常の走行でもエネルギーを使うことや、放電の下限を考慮するとPHVは実質的にV2Hシステムの車両としては、あまり有効的でないことがわかります。

例えば最も販売数が多いと思われる、プリウスの8.8kWhの場合、住宅用蓄電池の容量としては丁度いい容量ですが、車の走行に使うとどうか?

カタログ値では68.2km分の走行距離が、EV走行だけで走行できるとなっています。

しかし、実質の街乗りなどを考慮すると、ここから何割か減少していくことや、放電下限が10%を考えると、通勤や買い物などで使って帰ってくると、蓄電池に使う残量としては微妙です。

(出典:日産自動車株式会社「蓄電池利用」)

そのため、EVとして販売されている機種の方が、V2Hには向いていると言えます。

日産リーフでは、2021年に新車販売されている車種で62kWh / 40kWhの2つのシリーズがあります。

旧モデルに比べて電池劣化性能も向上しており、普段の車としての走行とV2Hも考えた車種として購入するのであれば62kWhモデルがオススメです。

なお、海外のEV(テスラやルーシッド、ポールスターなど)はV2H非対応となっています。

EV側の蓄電池の劣化も考える必要がある

(出典:アユダンテ株式会社「EVスマートブログ」)

EVは主にリチウムイオン電池を使用しており、スマートフォンのように充放電を行うことで劣化していきます。

ただ、スマートフォンなどのリチウムイオン電池では、数年でかなり劣化するイメージがあると思いますが、車種や年式などによって差はあるものの、EVでは劣化対策がされた車種が多いです。

カタログ値の航続距離は、走行や経年によって若干ずつ落ちていきますので、購入者のレビュー等をよく確認して納得して購入することをオススメします。

そして、通常の走行だけであればそこまでの劣化を引き起こしませんが、V2Hを日常的に使うと充放電の回数が増えるので必然的に電池の劣化は早まります。

日産リーフの場合では、セグ欠けと呼ばれる現象が発生します。

セグとは、リーフのバッテリー劣化度を表す指標のことで、メーターなどの横に表示されます。

新車時点では12/12セグメントで、劣化に伴ってこのセグメントが欠けていくことで、満充電にしても走れる距離が縮まっていきます。

また、急速充電を繰り返すことで劣化の進行が特に早まったり、普段の運転方法でも差が出てきます。

EVは知ると手放せない

つづいて、V2Hに欠かせない電気自動車(EV)でみなさんが不安・疑問に思うポイントを簡単に解説していきます。

EVに関する不安アレコレ

ガソリン車に慣れているとEVに乗り換えるのが不安ですよね。

安い買い物ではないし、どうしたらいいか分からない!という方も多いですが、筆者はEVに乗って数年経ちますがガソリン車には戻れない程、満足しています。

それではEVでよく聞かれる疑問点を解消していきましょう。

  • 充電はどこでするの?

(出典:アユダンテ株式会社「EVスマートブログ」)

答えは「自宅」です。

もちろん、100V / 200Vの屋外コンセントと充電ケーブルがあれば充電することはできます。

V2HシステムでもEVへの単純な充電が可能で、機種によっては200Vの充電時間より高出力で充電することもできます。

そのため、日曜日の夜に旅先から帰宅して、翌日に通勤で使いたい!という場合も心配ありません。

  • 充電スピードはどれくらい?

充電するスピードは200V(15A)であれば、単純に1時間あたり3kWh=約20km分の航続距離に相当する電気が充電ができます。

V2Hシステムで、上図のような倍速充電ができるシステムではその約2倍のスピード、1時間あたり6kWh=約40km分の充電ができます。

※試算条件:21年リーフ(40kWhタイプ・グレードS)
※電費:155Wh / km (カタログ記載値)

  • 航続距離はどれくらい?

日産リーフの初期性能値では、62kWhタイプで満充電458km(実際の電費に近いWLTCモード)、40kWhタイプでは322kmです。

普段の街乗りでは十分な航続距離です。

なぜなら家に帰ってくれば充電できるので、翌朝は満充電状態で出発することもできます。

※EVでは満充電は推奨されていない機種が多いので80%上限程度で充電することをおすすめします

オススメのV2H組み合わせ例

オススメの組み合わせは、太陽光発電・蓄電池・EVを組み合わせたシステム構成です。

(出典:ニチコン株式会社「EVパワー・ステーション」)

太陽光発電があることによって、日中に発電を行ってくれることは非常に魅力です。

昨今の太陽光事情はたくさん発電して売るのではなく、適切な量を発電して自家消費することが有効になっています。

理由は、電気代の高騰と売電価格の下落です。

太陽光発電も売電しては安い単価でしか売れませんが、その電気をEVへ充電することでガソリン代へ変換できるわけです。

さらにV2Hシステムがあれば、EVを蓄電池代わりにすることができるので、住宅用蓄電池は最低限の5kWh程度の容量があれば十分でしょう。

災害への備えもV2Hシステム+EVがあれば、心強いアイテムです。

日産のホームページで公開されている災害時を想定した実験では、4日間分の電気を日産リーフからまかなうことができたとあります。

62kWhモデルであれば、1日に15kWhをカバーする形となります。

15kWh / 日であれば、一般的なガス併用住宅の1日の平均使用量ですので、満充電であればという条件ではありますが蓄電池としての魅力も大きいです。

電気を創り出してくれる太陽光発電、EVが不在の時に余剰電力を充放電するための蓄電池、災害時や蓄電池の不足分を補うためのV2H+EVがあれば、自給率もかなり高い割合まで持っていけるでしょう。

電力会社からの買電代が上昇し続け、ガソリン代の高騰もある中、非常に経済的にも有効なシステム構成です。

ニチコンのトライブリッドシステムは、これらの3種のシステム(太陽光・蓄電池・V2H)を1つのシステムで融通できるシステムです。

新築時や、太陽光発電から一式導入検討するのであれば、これらのシステムを一式導入した方がむしろ家計から出ていくランニングコストは抑えることができるかも知れません。

今後の新しいエネルギー社会への貢献も

(出典:ニチコン株式会社「事業での活用」)

2020年代以降、日本も地球温暖化抑制のため、脱炭素社会へシフトしていく方向性は間違いありません。

エネルギー事情も、以前のように電力会社からの電気、ガスを頼りに消費するだけの社会でなく、自分で創り出し自家消費する考え方に徐々にシフトしていきます。

EVも自動車という枠組みでだけでなく、地域の「電気を貯めておくことができるシステム」として位置づけられています。

DER(VPP)といった、地域ごとでエネルギーを融通し合う、地産地消のエネルギー社会にEVは欠かせないモノです。

蓄電容量も大きく、考え方次第ではEVも普段の車として十分使えます。

この機会に、V2HとEVの導入を検討してみはいかがでしょうか。

監修

監修

エコ発事務局 太陽光アドバイザー

曽山

『誠実、スピーディーな応対』をモットーに日々エコ発を運営しています。 お客様への応対だけでなく全国に数百ある提携業者様とのやり取りをはじめ、購入者様へのキャンペーン企画やウェブサイトの改善など、皆様のお役に立てるよう日々業務に取り組んでいます。 卒FIT後の太陽光発電の活用方法など、お困りごとがございましたら、お問い合わせにてお気軽にご相談下さい。

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