太陽光発電と蓄電池・V2HとHEMSの連携でエネルギーの自給自足が実現?
公開日:2021/01/21 | 最終更新日:2021/11/18 | カテゴリ:V2Hについて

「太陽光発電・蓄電池・V2H・HEMS」の連携についてご存知でしょうか?今、この3つを連携させることで、これまでになかった新しいエネルギーの活用方法が注目されはじめています。
エネルギーの自給自足を目指している人や、より効率よく電気を使いたい人、太陽光発電の卒FITに直面する人などに必見の内容となっています。
目次

蓄電池とは?
蓄電池とは、電気を蓄えておく機器のことです。蓄電池にためた電気は、必要な時に使用することができます。もともと蓄電池は産業用がメインでしたが、最近では災害への備えなどから、蓄電池を導入する家庭も徐々に増えてきました。
また、蓄電池にためておける電力は、電気会社から購入した電気はもちろん、太陽光発電で創った電気もためておくことができます。そのため、太陽光発電との併用も、最近では注目されはじめています。
V2H(Vehicle to Home)とは?

V2Hとは「Vehicle to Home」の略で、電気自動車(EV)に搭載されている蓄電池の電力を、家庭内でも利用できるようにするシステムのことを指します。
なお、V2Hの対象となるのは電気自動車の他にも、ガソリン+電気で走るラグインハイブリッド自動車(PHV)や、水素などを燃料として走る燃料電池自動車(FCV)などがあります。
電気自動車を使うメリットとデメリット
エネルギーの自給自足をするなら蓄電池と電気自動車どっち?連携するのもあり!V2Hに対応した車種
V2Hに対応した車種には、
○日産自動車:リーフ、e-NV200
○三菱自動車:i-MiEV、MINICAB-MiEV、MINICAB-MiEV Truck、アウトランダーPHEV
などがあります。まだそれほど数はないですが、今後もどんどん増えていくことが予想されます。
日産リーフと家庭用蓄電池の違いについて
【蓄電池】日産リーフはコスパ最強?!HEMS(Home Energy Management System)とは?
HEMSとは「Home Energy Management System」の略語で、「エネルギーの見える化」や「エネルギー制御」を可能とするシステムの総称を指します。そのため、特定の機器をさしてHEMSと呼ぶわけではありません。
「エネルギーの見える化」とは?
HEMSが可能にする「エネルギーの見える化」とは、家庭内のエネルギー(電力)消費量を、専用のモニターやパソコンなどを通じて、文字通り「見る」ことができるようになることを指します。これにより、これまではなんとなく行っていた節電などを、より明確に行うことができるようになります。
また、太陽光発電や蓄電池と連携して、「電気がどのくらい創られたか」や、「蓄電池にどのくらい充電されているか」なども、ひと目で把握することができます。
「エネルギー制御」とは?
HEMSの導入で可能になる「エネルギー制御」とは、HEMSがエアコンや照明など家庭内の家電を自動的に調節してくれることを指します。これにより、特に意識しなくてもHEMSが自動的に省エネをしてくれます。
HEMSに関して詳しくはこちらをご覧ください
HEMSって付けて意味あるの?HEMSの基礎と活用方法を詳しく解説します
太陽光発電・蓄電池・V2H・HEMSの連携でできること

現在、上記で紹介した「太陽光発電・蓄電池・V2H・HEMSの連携」が注目を集めています。ここでは、「太陽光発電・蓄電池・V2H・HEMS」を連携させることで、どんなことが可能になるのか、具体的に紹介していきます。
電気自動車の電気を住宅用に使える
まず、電気自動車(EV)にたまっている電気を住宅用の電気として使用することができます。これは、電気自動車を「蓄電池」として活用するパターンです。
太陽光発電で創った電気をEVに充電
太陽光発電システムを設置している住宅では太陽光で創った電気を電気自動車(EV)にためることができます。またV2H機器を連携させることで、電気自動車から住宅側に放電することも可能となります。
エネルギー(電気)の「見える化」と「最適化」
こちらはHEMSの役割のひとつです。前述の項目で紹介したとおり、HEMSを導入することにより、家庭内のエネルギー(電気)の流れを「見える化」したり「最適化(自動制御)」することが可能となり、省エネに繋がります。
また、蓄電池や、電気自動車、太陽光発電などの機器が多くなってきても、HEMSのおかげでエネルギーの流れをひと目で把握することができます。
夜間の安い電気を蓄電池に貯めておける
蓄電池を導入することで、夜間の安い電気(オール電化プラン契約時)を貯めておき、電気自動車に充電したり、家庭内の家電で使用したりすることができます。
また、太陽光発電を導入しているご家庭の場合は、雨天や夜間など太陽光発電が発電できないときでも、蓄電池にためておいた電気を使うことで、価格の高い昼間の電気の買電を減らすことができます。
災害時も電気が使えて安心
「太陽光発電・蓄電池・V2H・HEMS」を連携させることで、災害時などで停電になったときでも、蓄電池や電気自動車にためておいた電気を使用することができるので安心です。
エネルギーの自給自足へ近づける
太陽光発電システムを導入済みの住宅の場合、「太陽光発電・蓄電池・V2H・HEMS」を連携させることで、エネルギーの自給自足へ更に近づくことができます。これは環境に優しいだけではなく、電気代の値上がりが止まらない昨今では経済的なメリットも増えてきています。
自治体によっては補助金も活用可能!
家庭用蓄電池やHEMS、V2Hシステムなどを導入する場合、補助金を交付している地方自治体も存在します。気になる場合は、お住まいの自治体のWEBサイトなどを確認するか、担当している部署に電話で問い合わせしてみましょう。
太陽光発電・蓄電池・V2H・HEMS連携の具体的な事例
ここでは、「太陽光発電・蓄電池・V2H・HEMS」の連携を行っている具体的な会社名およびサービス名をご紹介していきます。
ニチコン株式会社「EVパワー・ステーション」」
ニチコン株式会社が発売している「EVパワー・ステーション」は「系統連系」タイプで、電気自動車(EV)の電気を家庭で使用しているときでも、太陽光発電でつくった電気や電力会社から購入した電気を使用することが可能です。
デンソー「V2H-充放電器」
デンソーが発売している「V2H-充放電器」もニチコンと同じく系統連系タイプです。
東光高岳「SmanecoV2H」
東光高岳が発売している「SmanecoV2H」は「系統非連系」タイプなので、電気自動車(EV)の電気を家庭で使用している間は、電力会社からの電気や太陽光発電でつくった電気は使用することができません。
三菱電機「SMART V2H」
三菱電機の「SMART V2H」も、「太陽光発電で創った電気を電気自動車にためる」といったことが可能となるV2Hシステムです。価格は1,690,000円(税別)~となっています。
【三菱電機SMART V2Hの販売は2021年3月で終了いたしました。】
各V2H製造メーカーの詳細はこちら
V2Hにはどんな機器がある?メーカーや対応車種、設置費用も解説
まとめ
「太陽光発電・蓄電池・V2H・HEMS」を連携させることで、エネルギーの新たな可能性が見えてくることがご理解いただけたのではないでしょうか。
また、太陽光発電の卒FITを迎え固定価格での売電が終了してしまったあとでも、太陽光発電を「蓄電池・V2H・HEMS」に連携させることで発電した電気を有効に活用することができます。
V2Hのメリットやデメリットはこちら
家庭用蓄電池よりお得?V2Hのメリットやデメリットを徹底解説!
電気自動車はV2Hに活用出来る
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監修

エコ発事務局 太陽光アドバイザー
曽山
『誠実、スピーディーな応対』をモットーに日々エコ発を運営しています。 お客様への応対だけでなく全国に数百ある提携業者様とのやり取りをはじめ、購入者様へのキャンペーン企画やウェブサイトの改善など、皆様のお役に立てるよう日々業務に取り組んでいます。 卒FIT後の太陽光発電の活用方法など、お困りごとがございましたら、お問い合わせにてお気軽にご相談下さい。