テスラが単なる自動車メーカーではない理由は?
公開日:2021/12/07 | | カテゴリ:EVに関する記事一覧
今、最も注目されている企業と言っても過言ではないテスラに関する実態を解明していきます。
株価や、CEOであるイーロン・マスクなど話題に欠かさないテスラは一体どんな企業なのか?
オーナーから見たテスラという会社、事業としての方向性、気になるEVの車両についてみていきましょう。
- テスラは単なる自動車会社ではなく、エネルギー総合企業であり、スペースX等もふまえて今後の将来性が期待される会社
- テスラの強みは「スーパーチャージャー」。しかし、他社に開放するという噂からわかることは、事業の方向性が自社利益ではなく持続可能な社会の構築が第1優先ということ
- 2021年12月時点で購入できる車両は、4車種(新車ではモデル3のみ・SとXは予約)
- 2022年に日本での発売が期待される車種はSUVの車種・モデルY
目次
テスラは「単なる」自動車会社ではない
まずは、テスラの企業としての側面を紹介していきます。
テスラは、アメリカ・カリフォルニア州に本社を置く会社です。
電気自動車の製造・販売をメインに行っておりますが、実は家庭用・産業用の蓄電池や太陽光発電などのエネルギー機器の製造・販売も行っています。
2020年の実績としては、メインの事業である自動車の製造・販売において、プラグイン・セグメント(ハイブリッド車を含む)で16%、バッテリー・エレクトリック(純粋な電気自動車)で23%の世界市場シェアを獲得しており、EVのトップメーカーと言えます。
また特徴的なポイントは、メディアへの広告宣伝費を一切かけずに、ここまで有名になったことは非常に驚くべきことで、現在もテレビやネットなどへ広告を一切出していません。
そんなテスラの企業としての魅力を掘り下げていきましょう。
イーロン・マスク
(出典:株式会社クリエイティヴ・リンク「AFP・BBニュース」)
現CEOとしての、イーロン・マスクは日本でも有名です。
日本経済新聞を毎日読んでいる方であれば、毎日様々な話題で目にするのではないでしょうか。
まずイーロン・マスクは創業者とよく勘違いされがちですが、実は創業時に資金を提供した人物で本来の創業者ではありません。
CEOには2008年より就任し、現在まで至ります。
自由な発言をTwitterなどで行うことがよくあり、株価にもよく影響を与えている反面、ユーザーの意見などに賛同し、その意見を取り入れた修正を車両へのアップデートに反映させたり、と非常に意思決定が迅速な人物でもあります。
現時点ではテスラのCEO以外にも、宇宙開発企業「スペースX」のCEOでもあり、その活躍はもはや地球規模から宇宙にまでいこうとしています。
なおスペースXは、民間企業として初めて有人宇宙飛行を成功させた企業で、イーロン・マスクは宇宙開発でも期待されている会社であります。
スーパーチャージャーという功績
(出典:テスラジャパン合同会社「充電について」)
テスラの最大の特徴は、単に車両を生産しているだけではなく、テスラの専用充電スポット「スーパーチャージャー」を世界各地へ整備している点にあるでしょう。
まずスーパーチャージャーは、かんたんに言えば急速充電スタンドです。
EVを購入する上で心配になる点が、出先での充電ではないでしょうか?特に遠出の際は不安に思いますよね。
スーパーチャージャーでは、車両にもよりますが約30分もあれば電池残量10~20%→80%まで回復することができます。
2021年の5月以降は、それまで先行して埼玉県は川口市に導入していたスーパーチャージャーV3を続々と日本に導入しており、最大出力250kWという日本の最大規格のおよそ5倍となる出力の急速充電器も登場するなど、充電時間の削減に大きく貢献しています。
日本ではV3は4箇所、スーパーチャージャーは38箇所にあり、多くが高速道路IC付近にありますので、私もたまに利用する場合、食事中やトイレ休憩などの時間を有効活用して利用しており不便さはほぼ感じません。
(出典:テスラジャパン合同会社「スーパーチャージャー」)
アメリカでは、地域によっては既にコンビニ並みにインフラ整備が整っており、充電スポットの不安は一切ないようで、うらやましい限りです。
他の自動車メーカーでは、こういった独自で充電インフラ網を整えることはしておらず、この充電インフラ網がテスラの最大の強みです。
しかし現時点で噂されている興味深いポイントは、スーパーチャージャーを他のEVでも使えるようにする可能性がある、というです。
本来、利益を追求する会社であれば自社で整えたインフラ網を、独占して差別化に使うことが「普通」ですが、テスラはこの考え方が異なります。
他社含めてEVの普及が地球環境に貢献する、という考え方がベースになっており、イーロン・マスクの判断基準も「EV普及のため・地球環境のため」です。
そのため、本来独占できる要素であるスーパーチャージャーを、他社開放という一般的な事業方針からすれば考えられないことをやってくる点がテスラが今日までトップ企業として名を馳せている最たる理由のひとつで言えるでしょう。
会社としての将来性
(出典:テスラジャパン合同会社「採用情報」)
以前は、正式な社名が「テスラモーターズ」でした。
それをあえて「テスラ」にしたのには理由があり、電気自動車の製造・販売が今後メインではなくなるかも知れないから、ということです。
テスラの方針・事業の目的は「世界を持続可能なエネルギーへ」となっており、他の自動車メーカーとは方向性が全く異なります。
筆者である私はテスラ車に乗っていますが、テスラを購入・信用したキッカケは、この会社として事業方向性でした。
上記のスーパーチャージャーの他社開放の話しも、オーナーとしては少々複雑な点ではありますが、持続可能な社会への構築を一番に考えるテスラを変わらず支持したいと思います。
ようやく昨今になり、様々な企業がSDGsを意識し始めていますが、テスラは世界の潮流の10年以上先を独走しており、この会社としての将来性が既に株価に表れています。
2021年11月時点では、時価総額はトヨタの約4倍、GAFAの一角であるFacebookの時価総額を抜いたところからも、世界的にも期待が非常に高まっていることがわかります。
メディア広告を打たず、日本ではまだ知らない方が多いテスラですが、こちらの記事も少し参考にしてもらえればと思います。
車両のラインナップ
日本では販売されている車両は2021年11月時点では、主に3車種です。
実は、過去に販売されていた車両「ロードスター」、2022年にようやく日本上陸がほぼ確実視されている「モデルY」も踏まえると、直近で日本で検討できるテスラの車種は5車種あります。
それでは現時点での主力車種から紹介していきます。
Model S
(出典:テスラジャパン合同会社「モデル S」)
テスラのフラッグシップモデルである「モデルS」
セダンとしての位置づけであり、テスラの成長の礎を築いた車種であると言っても過言ではないでしょう。
2021年時点では、新モデルへの移行で2022年末以降の納車予定となっており、新車として日本で購入できるのはおそらく2023年以降になると思われます。
そのため、現時点で購入したい場合は中古車市場で探すことになります。
さて、その新モデルをベースに紹介すると、2グレードが用意されており、「モデルS」「モデルS Plaid(プラッド)」があります。
ベースグレードでも約1,200万円~と、非常に高額ではありますが旗艦モデルとして期待も高い車種です。
航続距離は652km、S Plaidでは637kmとなっており、東京―大阪間を充電継ぎ足しなしで走破できる能力があり、航続距離としても十分です。
加速も現行車両よりパワーアップ、「モデルS Plaid」では0-100km / hが約2.1秒と完全に異次元の世界です。
テスラは納車予定時期が2022年末となっていても、2022年末に本当にくる可能性は低いので、2023年中に実際の販売・納車が開始されると思っているぐらいが丁度いいです。
Model X
(出典:テスラジャパン合同会社「モデル X」)
テスラが主力商品として2番目に発表して、日本でも人気の高いモデルX。
SUV車両で、後部席のドアが「ガルウイング」で上に開き、駐車場でも注目を集めることは間違いないでしょう。
モデルXも、モデルSと同様モデルチェンジの時期で、現時点で予約をしても2022年末以降の納車になっていますので、気長に待つ必要があります。
予定されている新モデルでは、「モデルX」と「モデルX Plaid」の2グレードがあります。
ベース機種である「モデルX」で約1,300万円~となっており、こちらもなかなか手が届きにくい金額ですね。
気になる航続距離は「モデルX」で約560km、「モデルX Plaid」で536kmとなっています。
加速も現行車両よりパワーアップし、「モデルX Plaid」では0-100km / hが約2.6秒と、何億円もするようなスーパーカーと同等レベルの加速性能になっています。
Model 3
(出典:テスラジャパン合同会社「モデル 3」)
テスラを飛躍的にEVのトップメーカーに上げた車種が、こちらの「モデル3」です。
2021年時点で、日本で新車で購入できる唯一の車種で、昨今は街中でも見る機会も増えてきました(東京や大阪では頻繁に見かけるらしいです)
モデルS・モデルXは、正直価格的に手が出ないという方でも、モデル3は安心の価格設定です。
スタンダードレンジプラスで、459万円~(2021/11末時点)となっており、一般的な中級セダンとして購入検討しても良い価格帯になってくるのではにでしょうか。
さらに国や地方自治体での補助金も加味すれば、非常にオトクな車種と言えます。
航続距離はスタンダードレンジプラスで約448km、ロングレンジで614km(544万円~)、パフォーマンスで567km(717万円~)となっています。
価格は変動することが多いので、実際は購入時点での価格をご確認ください。
また、加速性能はパフォーマンスで0-100km / hが約3.3秒、スタンダードレンジプラスで5.6秒となっています。
パフォーマンスの3.3秒でも、同乗している人は全員怖がりますので、先ほどのモデルS/Xの加速性能がどこまで現実的に必要か、は少し疑問ではありつつ体験はしてみたいところです。
また、最もリーズナブルなスタンダードレンジプラスでも、自動運転である「オートパイロット」が標準で付帯されており、高速道路などでの運転は非常に快適です。
一度乗ると、手放せない魅力がモデル3にはあります。
Model Y(2021.11末では予約不可)
(出典:テスラジャパン合同会社「モデル Y」)
モデルYは、モデル3をベースに作られたSUV車種で、2022年に日本でも注文・納車が始まるのではないか、と噂されている車両です。
車両価格などの日本仕様は未発表ですが、アメリカなどの仕様から推測すると、
- ロングレンジで約615万円(53,940ドル)
- パフォーマンスで約670万円(58,940ドル)
となっています。関税や為替等の影響があり推測の域を出ませんが、モデル3より少し高いぐらいと思っていただければ良いでしょう。
航続距離に関しては、車重がモデル3に比べて重い分、ロングレンジ、パフォーマンスともに約442km(275マイル)になっています。
日本での発売発表を待ちたいところです。
Roadster(旧・新)
(出典:wikipedia・テスラジャパン合同会社「テスラ・ロードスター・Roadster」)
テスラが創業から最初に開発した車種が、ロードスター(上図左)です。
テスラの納車第1号は、2008年にイーロン・マスクへ納車された1台であり、当時は多くのアメリカの著名人もロードスターを購入していました。
ハリウッド俳優のレオナルド・ディカプリオ、ジョージ・クルーニー、ブラッド・ピット、アーノルド・シュワルツェネッガーなども購入しており、現在もアメリカのセレブの中でのテスラ率は非常に高いです。
また2010年に、トヨタの現社長にプレゼントされたことで話題にもなりましたが、トヨタ博物館にも展示されています。
(出典:wikipedia「テスラ・ロードスター」)
ちなみに、イーロン・マスクが乗っていたロードスターは、スペースXの超大型ロケット・ファルコンヘビーの初打ち上げにおいて搭載され、宇宙に行っており現在は火星軌道を超える人工惑星となっています。
車両自体はロータス・エリーゼをベースに開発されており、100 / 200Vの普通充電しかできず、航続距離も短いという点もありますが当時は人気が高かった機種でした。
現在、日本でも予約ができる新型ロードスターは、予約金だけで一括で500万円以上納付する必要があり、Founders Series Roadsterは一括で約2800万円の支払いになるスーパーカーです。
いつか乗ってみたいものです。
まとめ
それでは最後に冒頭でお伝えした、まとめポイントを復習でもう一度みておきましょう。
- テスラは単なる自動車会社ではなく、エネルギー総合企業であり、スペースX等もふまえて今後の将来性が期待される会社
- テスラの強みは「スーパーチャージャー」。しかし、他社に開放するという噂からわかることは、事業の方向性が自社利益ではなく持続可能な社会の構築が第1優先ということ
- 2021年12月時点で購入できる車両は、4車種(新車ではモデル3のみ・SとXは予約)
- 2022年に日本での発売が期待される車種はSUVの車種・モデルY
今後も会社としての方向性、イーロン・マスクの経営や考え方、EV時代に突入していく今後、世界的もリーダーとなりうるテスラに目が離せません。
監修
エコ発事務局 太陽光アドバイザー
曽山
『誠実、スピーディーな応対』をモットーに日々エコ発を運営しています。 お客様への応対だけでなく全国に数百ある提携業者様とのやり取りをはじめ、購入者様へのキャンペーン企画やウェブサイトの改善など、皆様のお役に立てるよう日々業務に取り組んでいます。 卒FIT後の太陽光発電の活用方法など、お困りごとがございましたら、お問い合わせにてお気軽にご相談下さい。
家庭用・産業用蓄電池の
無料一括見積もり