太陽光発電を付けて損した?!後悔や失敗しないための対策法を紹介
公開日:2021/04/22 | 最終更新日:2022/07/25 | カテゴリ:トラブルについて

太陽光発電システムの設置費用は2012年ごろをピークに年々下がってきています。しかし、それでもとても安いといえる金額ではありません。 設置して失敗した!後悔した!やめた方がいい!という声も耳にしますが、後悔しないために、ここでは実際に失敗・後悔した方の事例をみてみたいと思います。
太陽光発電を設置して後悔した人はこんな人!
太陽光発電を実際に設置して、後悔している人は実は少数派です。ただ、その少数派の方が後悔した理由はこんな理由!太陽光発電はヤバイ!と言う理由を紹介していきます。
訪問販売業者で契約・設置した

FIT制度が始まった2009年頃から、比較的築年数の浅い一戸建てを中心に訪問販売業者が巡回するようになり、太陽光発電のイメージが悪化したとも言われています。
一戸建てにお住まいの方であれば、一回は太陽光発電の訪問販売業者が来たことがあるのではないでしょうか?彼らは「元が確実に取れる」などの謳い文句で巧みに話を展開します。
筆者も、何件も太陽光発電を訪問販売業者で契約後に相談を受けたことがあり、意外と訪問販売で設置される方は多いです。
中にはしっかりした業者もいますが、残念ながら悪質業者が多くトラブルになっているケースをよく見受けます。太陽光発電を設置して後悔している方の多くは、訪問販売業者起因であることが多い印象で、しっかりした業者で工事をした方の多くは満足度の高い商品です。
トラブルの内容は様々ですが、多くは「工事の質の悪さ」と「契約」によるものです。
1つ目の「工事の質の悪さ」ですが、太陽光発電は屋根に設置することもあり、ちゃんとした工事をしないと雨漏りに繋がります。当然、メーカーの認定施工店や慣れている業者は、雨漏りは論外として1件も起こしたことがない業者が「普通」です。
しかし訪問販売業者は、施工コストを削るために足場が必要な現場でも設置しない、3流業者を使って安く済ませる、メーカーの認定を受けていない等、工事の質が悪い場合があります。
雨漏りについては、建築した業者に許可等がなく設置をすると、建築した会社の保証なども効かなくなり、さらに訪問販売業者の対応もずさんであると、トラブルが大きくなります。
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(出典:資源エネルギー庁「太陽光発電に関するトラブルにご注意ください」)
そして2つ目のトラブルとしては「契約関係」のものです。
契約金額が高い、全然発電しない、解約できない等のお金に関するトラブルがあります。相場観をご存じない方がいきなり「おいしそうな太陽光発電の話」を聞くと、ふらっと契約してしまうと、契約金額に関するトラブルに陥りやすいです。
訪問販売業者での契約は、クーリングオフ制度を活用すると契約した日を含めて8日間は契約解除が可能です。ただし、悪質業者の場合は返金対応も苦慮することになるかも知れません。
さらに最も悪質なケースは「詐欺」です。
そもそも太陽光発電業者でもなく、「太陽光発電・訪問販売業者を装った詐欺師」として、契約と称しその日に現金をだまし取るケースもあります。
ここまでくると太陽光業者が云々などではなく、刑事事件になってきますが、中にはそういった話もあり、太陽光に対してイメージが良くない方もいらっしゃいます。
海外製の安い太陽光発電を設置した

太陽光発電システムは、日本のメーカーだけでなく中国や韓国などのメーカーでも生産されています。
日本のメーカー(シャープ・パナソニック・京セラ・ソーラーフロンティア)であれば、JIS規格という統一の規格に沿って太陽光パネル1枚あたりの発電量を計測しています。
また、出荷時の検査体制もしっかりしており、「新品なのにほとんど発電していないパネル」などが設置されることはありません。
しかし、海外製のパネルについてはこういった検査体制が日本のメーカーと異なり、さらに船便で輸送されてくる間の輸送品質にも左右されやすいため、「カタログ通りの発電量」が出ていないこともしばしばです。
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(出典:日経クロステック「ハンダ付けの不良が、パネルの寿命になるケースも」)
(出典:株式会社PVレンジャー「太陽光発電パネルのレントゲン??」)
「EL検査」という、いわば「レントゲン検査」のような形で出荷時に1枚1枚、セル(太陽光パネルの発電する部分の単位)に亀裂がないか、発電していないセルがないか、全数検査しているメーカーも多いです。
しかし、海外メーカーでEL検査を行っている会社は稀です。
こういった品質の違いが、1年中屋根の上で紫外線・雨風に晒される過酷な環境に置かれる太陽光発電にとっては致命的です。
そのため、「営業から言われていた発電量が確保できない」「期待していた程発電しない」などのトラブルに繋がりやすく、これも「詐欺だ!」というクレームに繋がりやすいです。
海外製の太陽光発電システムは、日本製の太陽光発電に比べると、相当な価格差があり単純に「イニシャルコストの回収」しか考えていないと飛びつきがちです。
しかし、そういった品質差が価格の差であることは理解の上で選択するべきでしょう。
また、そういったメリット・デメリットをしっかり理解して解説してくれる業者を選ぶべきですが、海外製の安いシステムだけを売り込む業者は注意しましょう。
「安物買いの銭失い」の典型的な事例です。
相場価格より大幅に高い契約をした
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(出典:資源エネルギー庁「太陽光発電・風力発電について(2019)」)
上記で解説した内容に一部重複しますが、訪問販売業者で多いトラブルとして「相場価格より高い金額で契約してしまった」ケースです。
訪問販売業者、悪質業者の言い訳としては「足場代が通常よりかかる」「申請費用がかかる」等、様々な言い訳からトラブルに繋がるケースも聞きます。
こういったトラブルを避けるためには、複数社から見積を取る、元々信頼関係がある業者に工事を頼む、といったことで避けられる内容かと思います。
太陽光発電であるトラブル例
それでは、実際にあるトラブル事例をここではみていきましょう。
悪質業者による工事で雨漏りなど
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(出典:森建築板金工業 「ソーラー取付後の雨漏りでお困りの方へ」)
悪質業者による雨漏りはよく聞くトラブルです。住宅にとって、雨漏りは構造躯体の腐食、シロアリの原因など致命傷に直結します。
太陽光発電は、屋根の種類に応じて、最適な金具などを選択した上で適切な防水処理が必要です。適切な防水処理がなされていれば、何重にも対策がされているため、雨漏りのトラブルになることはありません。
ただそういった知識がない、または経験の浅い業者での施工により雨漏りに繋がっているケースも多々あります。
メーカーに認定施工店である業者なのか? 過去の実績はどれくらいあるのか? そういった点での会社自体の信頼性もしっかり見極める必要があります。
また一方で、産業用太陽光と呼ばれる、空き地や山を切り開いて何百枚、何千枚の太陽光パネルで発電している発電所についても悪質業者の施工でトラブルになることがあります。
産業用太陽光の場合は、周囲に迷惑をかけてしまうケースが多く、印象が悪いトラブルになっていることが多いです。
内容としては、太陽光パネルを固定するための基礎がしっかり打っていなく、簡易的な鉄パイプを組んだだけでの強度不足です。
台風などの強風で太陽光パネルが飛んで行った、鉄パイプが崩れて敷地外に雪崩にように崩れていった等のトラブルです。
これも、悪質業者によるずさんな工事が原因の場合がほとんどです。
なお、メーカー認定施工店などのしっかりした業者での施工では、鉄パイプを土に刺しただけの施工は行っておらず、コンクリートでの基礎でしっかり固定したり耐風対策などを行っています。
お隣さんからクレーム(反射光・音)
実際に設置してからの近隣トラブルです。
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(出典:日本経済新聞「「光害」理由に住宅用太陽光パネルの撤去命じる判決」)
まず1つ目は、北側設置による反射光です。
太陽光発電の工事がずさんで、「契約金額を増やすために屋根に乗せれるだけ乗せる」方針の業者でトラブルになるケース、または「太陽光発電の基礎がわかっていない業者による施工」でトラブルになるケースがあります。
太陽光発電は、基本的には南面・東面・西面に設置します。
北側に設置しない理由は、発電量が少なくなるという理由もありますが、北側の家から太陽光パネルの反射光が眩しい!というクレームに繋がることがあり、設置は基本的に避けます。
ただ、そういったことがわからない業者も中にはいたり、悪質業者では「契約金額増やすために”適当に”設置する業者」での施工でトラブルになることがあります。
北側反射光にトラブルは、被害を受ける北側の家では、室内の温度が40℃近くなった、眩しくて生活できない、などかなり深刻な問題に直結します。
そういった施工をする業者のため、アフターの対応もあまり慣れていないことが多く、北側の家から裁判を起こされてしまうケースも中にはあり、注意が必要です。
もう1つのトラブルは「音」です。
太陽光パネル自体は音を発しませんが、発電した電気を家で使える電気に変換する機械である「パワーコンディショナー」(以下パワコン)は稼働中に高音を発します。
パワコンは、屋外用と屋内用がありますが、屋外用のパワコンで都市部など隣家が近いところで、隣家の間取りなどを考えずに設置すると音でのトラブルに繋がることがあります。
このあたりも、しっかりと施工に慣れている業者などでは避けるように考えて設置されますが、ずさんな悪質業者では考えずに設置されてしまうでしょう。
訪問販売業者でアフターサービスがずさん・倒産
訪問販売業者だけがアフターサービスがずさんな訳ではありませんが、アフターサービスの対応が悪い業者により、トラブルになることがあります。
特に、海外製太陽光発電の場合はサービス拠点が、大都市にしかない等の理由でどうしても対応が遅れてしまう可能性が高いです。
アフターサービスのことを考えず、価格だけで提案された海外製太陽光発電によって、万が一の時に対応に時間がかかるとせっかくの太陽光発電も勿体ない状況になってしまいます。
さらに悲惨なトラブルとしては、設置業者が倒産したというトラブルです。
基本的には、メーカーの指定する方法で保証が完備されていれば、機器の故障に関しては設置業者が倒産しようが、メーカーの窓口で対応ができるので特に問題はありません。
ただ、機器の故障以外のトラブル、雨漏りや台風などでパネルが飛んで行った等の工事トラブルの際の責任追及が出来ず、泣き寝入りになることがリスクになります。
予想発電量と大きく違う(一部海外製のみ)
太陽光発電は一種の投資勧誘のような手法で営業されていることから、「怪しいモノ」と思われている方も少なくありません。
特に、見積時に「予想発電量」で年間いくらぐらい売電や自家消費できるか、のシミュレーションをほぼ必ず添付して説明します。
その時に提示する太陽光発電の年間発電量に関しては、JISで規定している発電量、日照時間、表面温度変化による発電量の差、などを考慮して各社シミュレーションを出します。
日本の主要メーカー(シャープ・パナソニック・京セラ・ソーラーフロンティア・三菱※事業撤退)では、概ね実際の発電量から少し余裕を見てシミュレーションを提出するため、シミュレーションデータより多く発電している、という声が大半です。
しかし、一部のメーカーでは「見積時の予想発電量に届かない時が多い」と言われることもあります。初期コストに対して、発電する目安で回収年数などをシビアに考える太陽光発電の場合、この発電量が予想を下回ることは致命的です。
これにより、「詐欺だ」「失敗した」というクレームに繋がる可能性が高いのではないでしょうか。
過去実際に起きたトラブルについて詳しくは以下で紹介しています。
【最新版】太陽光発電のトラブルはどんなものがある?対策も紹介!
太陽光発電を付けると失敗するケース
それでは、これから太陽光発電を付けて失敗する可能性の高いケースを見てみましょう。
太陽光発電の設置に向いていない複雑な屋根形状
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(出典:ケイミュー株式会社「KMEW施工事例」)
太陽光発電は、文字通り日光があたっている時間が長い、南面に向いているといった条件が重要です。
そこには屋根形状と方位が大きく関わってきます。
太陽光発電を設置する場合、複雑な屋根形状をしていると、太陽光発電のパネルがほとんど設置できないということがあります。和風の住宅で屋根が入り組んでいる場合は、事前にどれだけの容量が積載可能か、しっかり確認しましょう。
反対に、太陽光発電に向いている屋根は、「切妻屋根」「陸屋根」「片流れ屋根」「段違い屋根」など、フラットな面が大きい屋根が太陽光発電に向いています。
ただし、特に北側の設置に関しては隣家への光害、発電量の低下の理由からおすすめしません。
家の外観を大事にしたい
太陽光発電に対するネガティブ意見としては、外観の悪化です。
特に純和風の住宅や、外観にこだわった洋風建築などは太陽光発電の採用率が低いです。
外観が悪くなりにくい、目立ちにくいタイプの太陽光発電も販売されていますので、外観を重視したい方で、どうしても設置したい方は目立ちにくいタイプでの設置を検討してみては如何でしょうか。
ただし、通常のタイプの太陽光発電と比べると割高にはなりますので、その点だけご注意です。
太陽光発電の設置を検討しているが、自宅が向いているか向いていないかわからない場合、複数見積もりをとることで失敗する確率はグッと下がります。無料の5社一括見積りサービスを是非ご利用ください。
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太陽光発電で失敗しない工夫や対策
太陽光発電専門のリフォーム業者に依頼する
太陽光発電専門で扱っている業者に依頼すると、様々なメーカーを取り扱っている業者が多く、屋根形状やその家の状況に合わせた提案が得られる可能性が高いです。
一般のリフォーム会社では、水廻り設備の交換に特化して太陽光発電の実績があまりない、ということも考えられたり、付き合いをしている流通業者の得意・不得意によってメーカーに制限が出る場合があります。
太陽光発電専門業者では、年間で相当数の工事をこなすため、工事も慣れていることが多いです。そのため業者選択の時には、工事実績数をまず見て判断することをおすすめします。
つぎに、各メーカーの認定施工店であるかどうか、保険などに加入しているか、をみて信頼のおける業者かどうかの判断をしましょう。
そして、太陽光発電システムは相場そのものの目安はありますが、邸ごとに状況が違うこともあり、見積が1社だけでは不安です。必ず複数社の見積で比較しましょう。
元々建築した住宅会社に相談する
元々建築した住宅会社以外で、太陽光発電を設置すると、設置した屋根の防水保証が切れる可能性があります。ただし、この期間も概ね品確法(住宅の品質確保の促進に関する法律)で設定されている引き渡しから10年です。
10年以内であれば、正直元々建築した住宅会社にまず相談されることが一番無難ではないでしょうか。その住宅会社で問題なく、太陽光発電リフォームが可能であれば防水保証の期間も含めて安心です。
ただし、引き渡しから10年以上経過している場合、もしくは構造躯体・防水保証の年数が切れている場合は、どこの業者に依頼しても保証は関係ありません。
その場合には、相見積もりなどをしっかり行って相場観や、様々な提案をしてもらう方が、失敗しない買い物ができると思われます。
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できれば国内メーカーの太陽光発電システムを選ぶ
様々なメーカーで見積をすると、海外メーカーの太陽光発電が安いケースが多いでしょう。
ただ、品質上は主要な国内メーカーの太陽光発電を選んでもらう方が後悔するリスクは減らせます。
理由としては「確かな発電量」と「保証体制」です。
上記で解説したようなJIS基準に則った発電量の確保があること、メーカーが事前に試算するシミュレーションも安全率を見た発電量になっているおり安心感があります。
そして、万が一の時の保証体制が充実している点で、安心感が高い点は重要なポイントです。国内メーカーの多くの商品は、「出力保証」と「機器瑕疵保証」が付帯されています。
「出力保証」は各メーカーの規定以上の発電量を、経年しても保証する内容です。
そして重要な保証が「機器瑕疵保証」。これは故障が考えられるパワコンを含むシステム全体の故障に対する保証です。
国内メーカーはおおむね10年以上の保証が付帯されており、長期間の保証で安心して購入することができますので、失敗しないコツは「国内メーカーの太陽光発電を選んで、2つの保証が付帯される業者を選ぶこと」です。
まとめ
上記のように、太陽光発電を付けて失敗した事例の紹介から、そういった事例を基に失敗しない方法をお伝えしましました。
それでは、結論のおさらいです。
【後悔・失敗した人はこんな人】
- 訪問販売業者でよくわからないまま契約した
- 価格相場がわからないまま契約した
- ずさんな工事業者で、雨漏り等の工事トラブルが発生した
- 「元が取れる」といった話ばかりで、安い太陽光発電を設置して発電が見込み以下
【設置して後悔失敗する人はこんな人】
- 屋根形状が複雑
- 外観を大事にしたい
- 見積を1社のみで済ませたり、安い海外製パネルを価格だけで選んでしまう
以上で、太陽光発電で後悔する人の傾向や、失敗事例はご理解いただけましたでしょうか。
太陽光発電は、しっかり吟味して工事業者や設置する太陽光発電の商品を間違わなければ、後悔することは少ないです。
監修

エコ発事務局 太陽光アドバイザー
曽山
『誠実、スピーディーな応対』をモットーに日々エコ発を運営しています。 お客様への応対だけでなく全国に数百ある提携業者様とのやり取りをはじめ、購入者様へのキャンペーン企画やウェブサイトの改善など、皆様のお役に立てるよう日々業務に取り組んでいます。 卒FIT後の太陽光発電の活用方法など、お困りごとがございましたら、お問い合わせにてお気軽にご相談下さい。
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