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換気方式で光熱費に違いが出る!絶対に失敗しない為の新築時の注意点3つ

公開日:2021/11/19 | | カテゴリ:省エネ全般に関する記事一覧

換気方式で光熱費に違いが出る!絶対に失敗しない為の新築時の注意点3つ

住宅を選ぶ際にあまり気にされることが少ない換気システムですが、実は、選び方次第で大幅に光熱費を削減できます。

その効果は少なくとも年間1万円以上!

今回は「換気ってどんな仕組みなの?」「熱交換ってなに?」といった疑問についてお答えしていきます。

断熱性を高めて保温性を高めて、太陽光発電・蓄電池で創エネをしたとしても、換気で冷暖房エネルギーを捨てていては勿体ないですね。

それでは、今回の換気に関する記事のポイントです。

今回の記事のポイント
  • 換気方式によって、光熱費は年間1万円以上安くなる
  • 熱交換器という仕組みで、今まで捨てていたエネルギーを家に戻すことができる
  • 新築時の機種選びはこの3つを注意する
    1. 種換気になっているか
    2. 熱交換器(全熱交換型)はついているか
    3. DCモーターになっているか
  • 住宅会社に「3種」がオススメと言われたら、乾燥・エネルギー効率の視点で考える
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換気方式によって光熱費が変わる仕組み

までは換気の目的は「家の空気の入れ替え」でした。しかし、空気を入れ替えるときに冷房や暖房のエネルギーロスが起きてしまいます。換気方式を気を付けることによってそのエネルギーロスを大幅に抑えることができます。

換気方式で光熱費が削減できる

一般的な住宅では「第3種」と言われる換気設備が使われています。

これを「第1種熱交換器付」の換気設備に変えると年間約12,672円の光熱費削減になります。(東京/エアコンなどを必要に応じて入り切りする間欠空調の場合)

暖冷房にかかる費用が大きい地域ほど、光熱費の削減金額は大きくなります。

そのため、北海道や東北地方は、東京より効果が大きくなります。

(出典: パナソニック株式会社「熱交換気のメリット」)

熱交換器はエネルギーを有効活用

換気方式によって光熱費を削減できる理由は、「熱交換器」によるものです。

熱交換器で冷暖房負荷を減らすことができるため、光熱費も安く済ますことにつながります。

(出典: パナソニック株式会社「熱交換気(全熱交換)とは」)

熱交換器は、部屋の中から出る排気と外から入ってく給気が触れることで、部屋の温度に近づけて給気をしてくれる機械です。

熱交換器とはその名の通り、熱(エネルギー)を交換する機械ですが、特に電気などの動力源を使っているわけではありません。

つくりはとてもシンプルで、紙を重ね合わせただけの物になります。

ただ、重ね方に工夫があり、空気の入ってくる方向によって、1段づつ高さがずれています。

こうすることによって、室内側の排気と室外側の給気は混じることがなく、排気したにおいや有害物質が室内に戻ってくることはありません。

第1種の換気扇ではこのように、熱交換器に向かって給気と排気を集めることで熱交換をしています。

熱交換器の中では、集められた空気内の熱が移動し、外からの給気を室内の温度に近づけて取り入れることができます。

結果、上図のように室内温度が20℃・外気0℃の場合、室内の20℃から外気の0℃へエネルギーが移動して14℃で給気されます。

一般的な、熱交換器がない住宅では外気の0度がそのまま入ってきてしまうので、それだけ空気を暖める力が必要になってしまいます。

熱交換器は、その部屋の暖め直しが少なくて済むため、エコに繋がります。

換気は新鮮な空気へ入れ替える為に必要

換気の必要性は大きく分けると以下の2つになります。

  • 汚れた空気を室外に排気すること
  • 新鮮な空気を室内に取り入れること

現在の建築基準法では家の空気は2時間に1回入れ替わるように換気設備を設置することが義務付けられています。

1時間で0.5回分なので、建築基準法の換気回数基準は「0.5回換気」とも呼ばれています。

(出典: パナソニック株式会社「換気のおはなし (住宅編)」)

家の中では図中にあるように様々な有害物質が発生しているので、法律で換気回数が定められているのです。

こうした有害物質を取り除くことで、アレルギーや二酸化炭素中毒など体に影響を与えるものはもちろん、においや湿度など不快感を感じる原因も取り除いてくれます。

たまに、「空気清浄機を回せば、換気は不要では?」と聞かれることがあります。

しかし空気清浄機だけでは、Co2などのガスを取り除くことができません。

また、人間にとって最も重要な「酸素」を外から取り入れることもできません。

そのため、外気を取り入れながら換気をすることは非常に重要です。

換気方式の違い「第1種」と「第3種」

ここでは、換気方式の違いについて具体的に説明をしていきます。
換気方式には第1種・第2種・第3種の3種類あります。

換気方式の一覧

換気方式は給排気の際に、「機械(換気扇)」をどのような使い方をするかで決まります。

給排気どちらも機械で行うか、排気だけ機械で行うかの違いで覚えましょう。
(第2種換気は住宅での採用が少ないため割愛します)

換気方式 給気方法 排気方法 備考
第1種 機械給気 機械排気 熱交交換機を付けるには必須
第2種 機械給気 自然排気 住宅ではほとんど採用しない
第3種 自然給気 機械排気 多くの住宅で採用。

(出典: パナソニック株式会社「換気のおはなし (住宅編)」)

上図の通り、1種換気は給排気どちらも機械で行っています。

3種換気は排気のみ機械で行っており、外気は「自然給気口」と呼ばれる穴から入ってきます。

3種換気の注意点として、窓などを開けた場合は窓からも外気を取り入れます。

もし、給気口よりも換気扇に近い位置に窓があった場合は、給気口からの外気取入れができずに、うまく換気ができない場合があります。

換気方式によるメリット・デメリット

換気方式のメリットデメリットをまとめると以下の表になります。

本体のランニングコスト 家全体の省エネ効果 メンテナンス性
第1種
第3種 ×

本体のランニングコストは第3種換気が低くなります。

給排気とも機械で行う第1種に対して、排気だけ機械の第3種は動かしている空気の量が半分になるので、その分少ないエネルギーで換気ができます。

しかし家全体の省エネ効果は第1種(熱交換型)が高くなり、より省エネになります。

これは熱交換器のおかげで、冷暖房の費用を大幅に抑えることができるからです。

この熱交換器の省エネ分は、本体のランニングコスト差を大幅に上回ります。

メンテナンス性は第1種の方が簡単になっています。

換気扇のメンテナンスは、主に給気口のフィルター掃除となります。

3種換気に比べて、1種換気は大幅に給気口の数を減らせるため、メンテナンスが楽です。

換気扇のキホン

換気の話を理解するうえで最もわかりづらいのが熱交換器の話です。ここでは少し具体的に熱交換器についてご紹介していきます。

顕熱型と全熱型

熱交換器は種類によって、「顕熱型」と「全熱型」に分けれます。これは温度だけでな湿度まで交換できるかで分かれます。
顕熱型:温度だけ交換可能 湿度を下げることを目的にしている
全熱型:温度と湿度が交換可能 湿度を上げることを目的にしている

現在の日本の住宅環境では「全熱型」をオススメしています。日本の住宅は断熱性能が発達し、熱源も灯油ストーブからエアコンに移っていきました。エアコンを使うと空気が乾燥してしまうので、全熱型で湿度低下を抑える必要があります。

モーターの違い(ACモーター・DCモーター)

換気扇に使われるモーターには、ACモーター・DCモーターの2種類があります。

実はこのモーターの違いによっても電気代が大きく変わってきます。今回はパナソニック製の第一種熱交換器付の機種で比較をしましたが、ACとDCで約2倍ほど消費電力の差が出てきます。

これを電気料金に変換すると、約7,500円 / 年間の差になります。 せっかく省エネを目的に熱交換器をつけるなら、DCモーターがオススメです。

品番 モーター種類 消費電力
FY-12VBD2SCL DC 36W
FY-12VB1ACL AC 63W

住宅会社に第3種をすすめられたら

住宅会社の中には、今でも第3種をすすめられることがあります。

そんな時は、「省エネ性能」・「乾燥対策」の2点を頭に浮かべながら、3種換気のコストと比較しましょう。

省エネ性能に関しては、具体的な数値で効果がわかるため比較が容易です。

乾燥は体感の面が大きいのでわかりづらいですが、熱交換器は湿度も交換して室内に戻してくれるため、冬の乾燥に苦しむ方にはとてもメリットが大きいです。

最新の熱交換器では、約60%湿度を室内に戻すことが出来るため、加湿器の給水手間も軽減できます。

加湿対策は第3種では対応が難しいので、第1種を検討する際に重要な要素です。

ただ第3種換気はコストが安いため、メリットとお財布のバランスになってきますね。

高断熱+創エネ+熱交換 換気のセット

今回は光熱費をお得にできる、換気システムについてご紹介しました。

目に触れる機会の少ない換気システムですが、このように家の省エネに大きく影響してきます。

様々な機器でエコを意識していくと、換気が果たしている意外と大きな役割があります。

おさらいですが、前回の断熱性の記事とセットでご覧いただくと、住宅に関するエコの抑えるべきポイントが完成します。

断熱性による光熱費削減は実は大したことがない?実態を検証しました!
  1. 断熱性を一定以上に高めて、冷暖房エネルギーを抑える・快適な生活ができる
  2. 太陽光発電や蓄電池などでエネルギー創る・停電や災害でも安心
  3. 換気で熱エネルギーを無駄にせず、しっかり空気は新鮮なものに入れ替える

この3点を、ぜひ新築の際にはこだわってみてください。

監修

監修

エコ発事務局 太陽光アドバイザー

曽山

『誠実、スピーディーな応対』をモットーに日々エコ発を運営しています。 お客様への応対だけでなく全国に数百ある提携業者様とのやり取りをはじめ、購入者様へのキャンペーン企画やウェブサイトの改善など、皆様のお役に立てるよう日々業務に取り組んでいます。 卒FIT後の太陽光発電の活用方法など、お困りごとがございましたら、お問い合わせにてお気軽にご相談下さい。

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